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2011年11月 Archive

British Museum (大英博物館)のジュエリー -2-

British Museum(大英博物館)のジュエリー・シリーズ、今回は繊細な象牙彫りのジュエリーを中心に。

今回も19世紀ヨーロッパの工芸品を集めた、Room 47より、前回に引き続き、自然モチーフのものから、はじめてみよう。


Carved ivory bouquets, German, Erbach-im-Odenwald, mid-19c
イギリス製、1850年ごろ。バラの花束。
<英文データベースはこのページ>

Carved ivory bouquets, German, Erbach-im-Odenwald, mid-19c
イギリス製(?)、1850年ごろ。
これはバラの花を持った手のモチーフ。
このような花束を持つ手、あるいは手だけのモチーフも、
19世紀中頃から後半にかけて流行したもの。
<英文データベースはこのページ>

Carved ivory bouquets, English(?), mid-19c
イギリス製(?)、1850年ごろ。上2つとほぼ同時期とおもわれる。
忘れな草とバラの花束を持つ手のイメージ。
<英文データベースはこのページ>

Carved ivory bouquets, German, Erbach-im-Odenwald, mid-19c
イギリス製、1850年ごろ。
祝福や豊穣の象徴、麦束のイメージのブローチ。
英文データベースはこのページ

Carved ivory bouquets, German, Erbach-im-Odenwald, mid-19c
ドイツ、Odenwald製(?)、1860年ごろ。
繊細だけれど少しフラットな感じのある花の表現が、ドイツ製か(?)と考えれれている所以のよう。
<英文データベースはこのページ>

Bow-tied flower bouquetes, probably French, Dieppe, about 1840-50
ドイツ、Odenwald製(?)、1880年ごろ。
バラや水仙やカーネーション、いろいろな花を盛り込んだ花束。
<英文データベースはこのページ>

Bow-tied flower bouquetes, probably French, Dieppe, about 1840-50
ドイツ、Odenwald製(?)、1880年ごろ。
これも、上記の花束ブローチと同じ製作者と考えられている。
<英文データベースはこのページ>

Carved ivory brooch
イタリア製、1930年ごろ。(昔撮ったもので、画像が荒れてて失礼・・・。)
19世紀初期のモチーフは、まだネオ・クラシカル(新古典主義)的なモチーフ。
イタリア製なので、聖杯に鳩で、カトリック的モチーフでもある。
<英文データベースはこのページ>


Ivory cameo, French, about 1850-60
フランス製、19世紀中頃。アイボリー製のカメオ。
アイボリーは彫刻しやすくて、厚みがあるので・・・レリーフというより、もっと3Dな彫刻。

Ivory cameo, French, about 1850-60
フランス製(?)、初期19世紀。
花束のように、自由に広がっていくモチーフが、
典型的な「19世紀後半」センチメンタル・スタイルだとしたら、
枠の中にきっちり収められた、静的なカメオの表現は、18世紀ネオ・クラシカルスタイルの延長。
19世紀前半まで、オーヴァー・ラップしている。
<英文データベースはこのページ>

Coral jewellery set, 1850-70, Naples, Italy
イタリア、ナポリ製、1850-70年ごろ。シェル彫りのパリュール(parure)。
パリュールというのは、フランス語での表現で、ティアラ、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリング等が、
フル・セットで揃えられているジュエリー。 主に、17世紀頃に王侯貴族が、別注して作らせたもの。
これは見事な彫りだけれども、それほど高価でない素材のシェルが使われている。
多分・・・ナポリ特産19世紀版「高級お土産」だったのではないかな?
<英文データベースはこのページ>

Set of coral jewellery
同じパリュールの、ブレスレットにフォーカスしてみた。
どこも、彫りがとても「濃い」・・・。

Coral cameo fringe necklace, applied trade mark of Carlo Giuliano, about 1878
珊瑚カメオ-イタリア製、1860-1880年ごろ。
ネックレス-イギリス、ロンドン、Carlo Giuliano(カルロ・ジュリアーノ)製作、1870-1878年ごろ。
カルロ・ジュリアノはイタリア出身のジュエラーで、
19世紀後半のネオ・ルネッサンス・スタイルの流行に合ったジュエリーを、ロンドンで製作している。
<英文データベースはこのページ>


なんだか、もうすでにカメオの部類に入ってきてしまった。
なので、次回は引き続きカメオのジュエリーを、British Museumより。





British Museum (大英博物館)のジュエリー -1-

標本箱ブログが、晩夏のノルマンディーから帰ってきたら、実はもうすぐ12月。
ロンドンは日増しに日差しが短くなっていって・・・、暗い・・・あまりに暗い。自然光写真家としては、この時期写真家引退しようかと思っている(ウソ、ウソ・・・笑)。
次は何を書こうかな・・・と、考えていて、Brits Musこと、大英博物館のジュエリーの話を、まだ書いていなかったことに思い至る・・・。

ロンドンでヨーロッパの歴史的なジュエリーを、手っ取り早く見て回るということなら、まずはV&Aのジュエリー室をおすすめしている。
展示量・質ともに、ヨーロッパのミュージアムでトップクラスだと思う。しかし、残念なことは、改装Openして以来写真撮影禁止。
そのかわり、詳細な画像入りデータベースが用意されている。<このページでサーチにキーワードを入れてみて
サイトに登録すれば、画像をダウンロードすることもできる。
(無料だけれど、一度に30イメージ(画像)までしか、ダウンロードできない。何度にも分けての、ダウンロードは可能。)

では、博物館ジュエリーを自分で撮影して、研究、あるいは、楽しみたい・・・という場合、この場合は、大英博物館がおすすめ。
大英博物館といえばミイラ・・・、エジプトやローマの発掘品の博物館の印象。なので、ここにちょっと地味ながら、かなりの物量のジュエリー展示があることは、あまり知られていない。
このジュエリーを何回かに分けて、展覧してみよう。 まず今回は、ロマンティックな・・・19世紀の自然をモチーフにしたジュエリーを中心に。


Diamond trembler spray of cornflowers and wheat-eara, French, 19c
ここでの私の一番のお気に入りは、これ。
19世紀フランス製ダイヤモンドとゴールドの、羽飾り型ジュエリー。
Tremblerと呼ばれるのだが、花がスプリング状のワイヤーに付けられていて、
微妙に振動するようにできている。
第二帝政崩壊後、イギリスに亡命したナポレオン3世皇后ウジェニーが売却したもの、といわれている。
英文データベースはこのページ

Diamond oak-leaf tiara, English, Hunt&Roskell, London, about 1855
オークの葉を型どった、ダイアモンド使いのティアラ。イギリス、ロンドン、Hunt&Roskell製造 1855年ごろ。
これもTremblerで、キラキラ動くようにできている。
3つに分かれて、ブローチと櫛飾りとして使うこともできる。
分解されたところのイメージ
いかな、ヴィクトリアンの時代の貴婦人たちでも、ティアラはそれほど頻繁に身につける機会はなかったためか、
こんな風に、ブローチや髪飾りに分解して使えるようになっているデザインが多い。
英文データベースはこのページ

Flower bouquet with a wild rose trembler spray, English or French, about 1880
野バラの花束を型どった、クリソベリル使いのブローチ。フランス製1890年ごろ。
これも、一番大きなバラの花が、揺れるデザイン。
19世紀中頃、自然をモチーフにした、宝石使いのブローチが流行した。
英文データベースはこのページ

Amethysts, citrine and coloured gold, English, mid 19c
スミレを型どった、シトリンとアメジスト使いのブローチ。フランス製1890年ごろ。
これも上の野バラと同じ頃に作られた、自然モチーフのジュエリー。
データベースは上記と同じ。

Amethysts, citrine and coloured gold, English, mid 19c 2
プラタナスの実と葉を型どった、アメジスト使いのブローチ。1850年ごろイギリス製。
葉や枝の表現がとても巧みで、リアル・・・。
英文データベースはこのページ

Flower-basket brooch with coloured pearl, probably English, 19c
バスケットに入った果物を型どった、パールとゴールドのブローチ。おそらくイギリス製、19世紀。

Coloured-gold currant brooches, German or Austrian, 1830-40
レッド・カラントの房を型とった、カーネリアンとゴールドのブローチ。おそらくオーストリー製1840年ごろ。
本当にみずみずしくって・・・レッドカラントにそっくり!!
英文データベースはこのページ

Coloured-gold fruiting vines, English, mid-19c
ブドウをついばむ鳥、アメジストとゴールドのブローチ。おそらくイギリス製1840年ごろ。
花束や、果物と並んでよくモチーフに取り上げられたのが、鳥のイメージ。
英文データベースはこのページ

Bird brooch, gilt-metal set with purple Bohemian glass chips
1826~1875年ころ、おそらくフランス製。
鳥のイメージといえば、このブローチ。
ゴールド製ではなく金張りで、宝石ではなく、細かいボヘミアンガラス石が嵌め込まれている。
高価なものではないのだろうけれど、デザインがとてもかわいい。
英文データベースはこのページ

Four coloured-gold trembler birds, English, about 1850-80
イギリス製、1850-80年ごろ。
そしてこの、ターコイズと鳥の組み合わせのシリーズは、とても流行したようで、いくつも収蔵されている。
鳥がくわえている花は、Forget-me-not(わすれなぐさ)。ターコイズの石の色も、この花を象徴する。
「忘れないよ>いつも心に留めているからね」という、ヴィクトリアン期の、ロマンティックかつ、
センチメンタルなメッセージが込められた、ジュエリー。
いっぱいありすぎて・・・データベースがどれだか確定できなかった・・・Phew・・・。

Birds with messages
イギリス製、1850-80年ごろ。
どんなにいっぱいあるかというと・・・こういう感じ。

Hand with flowers, English 1820-40
ヴィネグレット・ブローチ、イギリス製、1820-40年頃。ターコイズとルビー使いシルバーとゴールド製
センチメンタルの続きで、これも「忘れないで」のメッセージジュエリー。
ヴィネグレットというのは、小さな容器(手とカフスのモチーフ下のに隠されている)のことで、
香りを付けたヴィネガーや塩が入れられた。
イギリスのまずい食事を、どうこうしようというのではなくて、
当時コルセットで不健康なほど、体を締め上げているご婦人方は、すぐに気分が悪くなったり、気を失ったりしがち。
そんなときにこれを嗅がせる、一種の「気付け薬」なのだそう。
英文データベースはこのページ

Coloured-gold and turquoise brooch necklace, earrings, and bracelet of vines and forget-me-nots, English, 1837-46
わすれなぐさとブドウの葉を型どった、ターコイズとゴールドのジュエリーセット。イギリス製、1837-46年ごろ。
ブドウは、キリスト教信仰の象徴。
ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリングのセット。
ネックレスに、ブレスレットを足すことによって、長いネックレスとしても使える・・・、
のではないかな、と、これは私の想像。
英文データベースはこのページ

Gold brooch with wheat-ears and lily-of-the-valley in emeralds and pearls, about 1850
麦の穂とすずらんを型どった、パールとエメラルド使いのゴールド・ブローチ。
イギリス、ポーツマス、H.M. EMANUEL & SONS製造、1850年ごろ。
麦の穂は祝福や豊穣の象徴で、すずらんは聖母マリアの流した涙が、この花になったという伝説がある他に、
謙譲を象徴している。
英文データベースはこのページ

Camellia spray with carved and tinted ivory petals and coloured-gold leaves, English, 1840-50
カメリアを型どった、染色アイボリーとゴールドのブローチ。イギリス製、1860年ごろ。
繊細な花びらはお見事・・・そして香りが漂ってきそうなほどリアル。
英文データベースはこのページ

Roses with carved shell on tumbler mounts, English, 19c
イギリス製、1826-75年。
このぽってりしたバラの花は、アイボリーではなくて、シェル。
バラ、わすれなぐさに小鳥・・・で、ロマンティック満載のブローチ。
英文データベースはこのページ

Gold brooch and earrings with violets in tinted ivory, English, about 1850
スミレを型どった、染色アイボリーとゴールドのブローチとイヤリングセット。
イギリス、チェルトナム、Martin, Baskett & Martin製造、1850年ごろ。
スミレは「謙譲」を象徴するモチーフ。
英文データベースはこのページ

Brooche with enamelled strawberries on a chalcedony base, English
エナメル彩のストロベリー・モチーフを、カルセドニー・ベースにとめつけたブローチ。イギリス製、1830年ごろ。
ストロベリーというのは、モチーフとしては、珍しい方。あまり見かけない。
英文データベースはこのページ


今回のジュエリーはすべて、British Museum、 Room 47 (ヨーロッパ1800-1900年)所蔵。
この部屋は、ミュージアムの2階部にあって、2階部のフロア・マップは<このページ>。右下の方にRoom 47が見える。
次回も、British Museumのジュエリーより。








ノルマンディー旅行 -フェリーとドライヴ

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-24 Thu 10:00:00
  • 日記
今回は長々引っ張ったノルマンディー話の最終回で、ドライヴやフェリーの話をいろいろ・・・。

南イングランドに住んでいると、ノルマンディーは意外と近い。ただし、車があれば・・・の話。
ペーターおじさんを訪ねるにあたって、最大の問題は、私が車を運転しないこと、配偶者氏も運転しない。
どちらも都会生まれ、都会育ち、現在も交通の便利な郊外暮らしなので、車の必要性はほとんど感じていない。
幸い友人のDanaさんが免許を持っていることが本人申告で判明。
そもそも、Danaさんもペーターおじさんの作品に「Fall in love」、そして、なんとか訪問することができないものかなぁ・・・と言い出した「言いだしっぺ」なので、ドライヴァー参加してくれることになった。

以前に書いたかと思うが、車はレンタカーのAVISで借り出した。
「ミニ」クラスの2ドア最小車を、9日間借りて、190ポンド。
海外持ち出し追加チャージは、基本料金の60%上乗せ・・・というのが相場のようで、115ポンドの追加金。
合計で、305ポンド。(2011年8月の話)

フェリーはスケジュールと予算から、LDラインのPortsmouth-Le Havre往復、乗用車1台に2人乗員で、トータル約200ポンド。
ちょっと高級め、の方の、Britany(ブリタニー)フェリーだと、300ポンド弱だったように思う。
なにしろ、ユーロスターでしかフランスに行ったことがないので、一日に何便も出ているのがあたりまえのように思っていたら、フェリーは航空便並みに便数が少ない。1日2便そのうち1便は朝か、夜。 (夜だと、フェリー上で一泊ということになる。)
そのフェリーも高速便(3時間)が出ているものと、通常便(5時間)のものがある。

ユーロスター、パリ経由、鉄道でFlers駅に向かい、おじさんにピックアップしてもらうか、タクシー、の案も出たが、これではシャトー滞在中の私たちの動きが取れない。 そして、夏トップシーズンの、パリの宿の取り難さにも、恐れをなした・・・。

カメラ機材を持ち込んだり、滞在中の食料品を持ち込んだり、そして、小さいものとはいえ、おじさんの箱作品をどちらも購入したので、レンタカーで大正解。 労力に換算すると、結果的に安上がりということになった。

フェリーは、U.K.サイドはPortsmouth(ポーツマス)とDover(ドーヴァー)がメインの港。
うちはロンドン南西部で、A3モーターウェイを下ると、そのままPortsmouthに直行できるので、これもまた、便利。
朝8時半のフェリーを選んだので、前日にレンタカーを借り出して、Danaさんはうちのリヴィングルームに泊り込み、翌朝は5時にドライブ開始。


Approaching recently opened Hindhead Tunnel on A3 - Still in the dark...and Blurrrrr


なんともブレブーレの写真なんだけれど、早朝明けやらぬ時間帯のA3モーターウェイ、Hindhead(ハインドヘッド)トンネルの入り口。
この一帯は、以前は峠越しして街中を通過する、A3上唯一の1レーン箇所で、いつでも渋滞が問題になっていたところ。
4年前からの大工事の、2レーンずつのトンネルが、まるで我々の旅行に合わせたかのように、2週間前にオープン。
このトンネルの完成を、部外者ながら、心待ちにしていた次第で・・・思わず撮影。


Recently opened Hindhead Tunnel on A3
早朝のためもあって、独占走行。「関係者の皆さん、我々のために、どうもありがとう。」(笑)


Waiting in the queue @ Portsmouth cross channel harbour
なにしろ、早朝なので道もすいている。あっという間にPortsmouthに着いてしまう。
走行時間1時間15分。
この日は天気悪し、夜から朝にかけて、雨が降ったりやんだり。
この後、港で延々と待つ・・・。

Heavy rain...
雨足は強くなったが・・・待ってるうちに朝が明けてきた。

Boarding the ferry... at last
8時を過ぎてからようやく、乗り込み開始。
これがまた時間のかかる作業。
結局、ブッキングの案内で脅かされていたように、
40分前に着いていないと乗り込めないケースがある・・・、というのは多分ウソ。
でもまあ、モーターウェイで渋滞して焦るより、早く着きすぎる方がいいに決まってるのだが・・・。


結局、なにが問題だったのか知らないのだが、30分遅れで9時に出航。
フェリーは潮との関連もあり、ダイヤはかなりアバウトにできているもののよう。


Portsmouth
Portsmouthは軍港でもあるので、軍用船が並んでいる。

Portsmouth
1860年建造の、HMS Warriorが停泊している、Portsmouth Historic Dockyardを、

Portsmouth
海側から眺めながら、フェリーは出港。

Portsmouth
オールドタウン(旧市街)の眺め。

Portsmouth
ヨットハーバーを過ぎると・・・、

Departed from Portsmouth
もうPortsmouthは、はるかかなた。
再び黒く重い雨雲が横切っていく。

Gannet
鳥類に詳しい博物マニアのDanaさんが、Gannet(カツオドリ)を発見。
Gul(かもめ)はいくらでもいるのだけれど、かもめより大きくて、飛ぶ姿が葉巻状になるのが特徴とか。
北イギリスの海岸に多いが、南イギリスや北フランスの海岸線にもコロニーがあるらしい。

Crossing the Channel
ノルマンディーに近付くにつれて、少し天候も持ち直してきた。

Le Havre
行きは3時間の高速便なので、フェリーの中をうろうろしている間に、すぐについてしまった印象。
それでも、途中またまた遅れこんでいて、予定よりは1時間半遅れの到着。

Le Havre
なので、行きにHonfleurによる案はすでに変更になっていて、Honfleurで降りずに、
そのまま、ノルマンディー・モーターウェイをCaen方面に向けて突っ走る予定。


Le Havreでのフランス入国審査は・・・なく(そもそも、一体どこにそんなものが、あったのだろうか?)、そのまま、LeHavreの街路に出てしまう。
ここからは、モーターウェイのサインにしたがって、N592のモーターウェイに向かう。
Tomtomことカーナビより、自分たちの方向感を信用している我々は、高くつくカーナビは借りなかった。
そのかわり、Google Streetで道順の要所を予行演習をして、「ナビ」担当の私は、モーターウェイの乗り換え、ストリート・ヴューなどを、Googleマップ・Googleストリートを駆使して、スクリーン・スニップ>プリントアウトを繰り返し、自分達用ロードマップを作成。


Normandy Drive map
コラージュにしたけれど、こんなもの。
これを道順に従って、クリア・ファイルに入れておいた。

まめなのか、暇なのか・・・の下準備の甲斐あって、一度も道に迷わず、
「Tomtomより性能のいい、Kotomtom」の称号をDanaさんから頂戴する。

Pont de Normandie
N526に乗るとすぐに、ノルマンディー橋を超える。
1999年に日本の多々良大橋に世界記録を奪われるまで、
4年間世界最長の橋だったそうで、高さも50m近い。
我々のチビ車かろうじて登りきることができた・・・。

Pont de Normandie
下からの眺めは、なかなかコンテンポラリーアートしている。


その後、ノルマンディー・モーターウェイこと、A13に乗り換えて、Caen方面に向かって快走。

Sky
その頃には天候も回復・・・なのだけれど、妙にアーティーで造形的な雲がメキメキ。


Caenの環状道路を通って、11番出口からはD962・D962のカントリーレーンへ。
といっても、ここはまだ幹線道路なので、2レーンの部分もあり、整備されていて走りやすい。
そのまま、Flersの町で一旦停車、食品買出しをしてシャトーへ無事到着。


Driving Normandy countryside
これはシャトー近辺の田舎道をドライブしていたイメージ。
なにしろ、手振れしているので、レイヤーコラージュでごまかす。

Driving Normandy countryside

Driving Normandy countryside

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帰りは、前回のHonfleurを3時過ぎに出発。
ノルマンディー橋を越えれば、Le Havreのフェリーポートまで、40分ぐらいで着いてしまった。

Channel Ferry
帰りのフェリーは5時間かかる大型船。
なので、大型貨物トラックも、次々乗り込んでくる。

Le Havre
今回は遅れずに、時間通りの出港。

Le Havre
フェリーや貨物線が行き来して、横がコンビナートのLe Havre港の東側で、即海水浴・・・
ってのも、いかがなものかね、と思うのだが・・・。
まぁ、みなさんあまり水は、飲みこまないように気をつけてね。

Au revoir Normandie... till next time
また来るときまで、さようなら、ノルマンディー。

Heading back to England
イングランドに近づくにつれて、ドリズル(小ぬか雨)が、お出迎え。

Wash
海峡に沈む夕日・・・なんて撮りたかったのだが、再びあいにくの悪天候。
やむなく、波を撮ったりして遊んでいた。


長時間の乗り物が大嫌いな私なのだが、船内をうろついたり、ダイナーで夕食を食べたり、夕寝したりしていたら、すぐに時間は過ぎて、Portsmouthに到着。ドリズルにめげて、残念ながらPortsmouthの夕景色は撮らずじまい。

Portsmouthでは下船後、ちゃんと簡単だがU.K.には入国審査。
ブリティッシュの私は、U.K.パスポートのみでO.K.なのだが、日本人のDanaさんは、フェリー船内で入国審査票をもらって記入する必要があった。
知らなくて、審査票書いてなくても、その場で係員が記入してよしとしてくれるような、親切な入国審査だったけど・・・。

このあとも、順調にA3をひた走って、再び我が家に到着。
Danaさんはまた、一泊して、翌日車を返却。
無事、我々の楽しいノルマンディードライヴ終了。Danaさんお疲れ様でした^^。












ノルマンディーの町や村 - Honfleur(オンフルール)-2-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-21 Mon 10:00:00
  • 場所
ノルマンディーの港町、 Honfleur(オンフルール)のイメージの続編で、今回は裏通り。

なのだけれど、その前にちょっとお知らせ。
右コラム下のメール・フォームが、もしかすると時々ちゃんと機能していないかも・・・。
送ってもらったメールが、実は届いていなかったケースが、いくつか判明。
明らかにスパム(迷惑メール)でない限り、返事出してますが、もし「メールしたのにスルーされた!?」という方がいらしたら、kotorich@googlemail.comまで、よかったらまたメールください、ヨロシク^^。

さて、本編。
表通りもステキぶりが発揮されているのだが、この町の裏通りにも古い町並みが保存されていて、それがまた魅力の一つ。
また、15世紀後半に建造がさかのぼる、Saint-Catherine's Church(サン・カトリーヌ教会)が町の中心に建っている。
まずは、この教会のイメージから。


Église Sainte-Catherine building
教会の前に立つベル・タワー(鐘楼)。

Église Sainte-Catherine
ベルタワーと教会。

Église Sainte-Catherine
教会のドアは古い木製で、15-16世紀のルネッサンス様式のパターン。

Église Sainte-Catherine
中は暗く保たれている。木造建築の教会を見ることは、あまりない。

Merci...
側翼の壁を埋めつくす「ありがとう」メッセージ。
サン・テレーズ聖人に願をかけたら、かなったということ・・・だろうか?

Église Sainte-Catherine
その側翼の聖人様たち。
「ありがとうパネル」の数でその実力がフィードバッツクされている?(笑)。

Église Sainte-Catherine
ステンドグラスとシャンデリア。

Église Sainte-Catherine
香油壷を持つ、マグダラのマリア・・・かな?

Église Sainte-Catherine
木彫パネルはいかにも、16世紀な感じ。



教会を出て、町の裏通りを散策に向かう。

Honfleur town
ホテルやギャラリー、ブロカンテの店が並ぶ、

Honfleur town
石畳の坂道を上っていくと、

Honfleur town
タイムスリップしたような町並み。

Honfleur - La rue de la Bavole, painted by Monet
このrue de la Bavole(バヴォール通り)は、印象派のモネも描いている。

Honfleur town
古いドーマー窓。

Honfleur town
ちょっとした路地もすべて昔風・・・。

Honfleur town

Honfleur town
アイビーが色づき始めている。

Honfleur town
十字路を見下ろすマリア様。

Honfleur town
古い家、

Honfleur town
古い空き家の窓、

Honfleur town
ノスタルジックにゆれるカーテン。

Honfleur town
郵便受け。

Honfleur town
これは昔のポンプ。通りで共同で使われていたのだろう。

Honfleur town
歩き回って・・・、また表通りに。


もっと散策してみたかったのだが、なにしろ午後の帰りのフェリーの時間が、迫ってきている。
名残惜しいけれど、車に乗り込んで出発。
また次回ノルマンディーに来るときには、今度こそゆっくり滞在したいもの・・・。






ノルマンディーの町や村 - Honfleur(オンフルール)-1-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-18 Fri 10:00:00
  • 場所
ノルマンディーに同行してくれたDanaさんは、かつてノルマンディーを自転車旅行した経験あり。
Honfleurは、彼女の一押しお勧めの町で、「ここ抜きのノルマンディー旅行はありえない!!」と断言。
今回はフェリーのタイムテーブルやら、我々のスケジュールやら(予算やら)を、すり合わせてみたら、Portsmouthハーバー朝出立、LDラインフェリーでLe Havreに昼過ぎ着、というスケジュールになった。
Le HavreからHofleurは、セーヌ河口湿地帯を越えるノルマンディー橋を超えれば、ほんの向かい側。フェリー便の行きと帰りに、立ち寄る予定にしていた。
残念ながら「行き」に立ち寄る案は、フェリーが予定より1時間半遅れてLe Havreに到着。まだノルマンディードライヴにも慣れていなくて、距離感、時間間隔がつかめない上に、超ローカルな村道を探し当てていくシャトーへの最終アプローチは、断然日の明るいうちにこなしたい。 なので、帰りによるというスケジュールに、急遽変更。
そんなわけで、帰りのHonfleurには、いやがおうにも盛り上がる期待感・・・(笑)。


Honfleur town
絵葉書のようなハーバー風景、そしてその前には、レストランが並ぶ。
いやぁ、お見事です・・・。


ここはよほど人気の町なのか、大きな駐車場が2ヶ所、海岸側と、モーターウェイからのアプローチ地区にあり。
駐車スペース争奪戦が、相当トラウマになっている我々でも、余裕のパーキング。
そもそも、この日は朝早くにDeauville(ドーヴィル)のホテルを出発していたので、ローカル海岸ルートを走ってきても、10時前にはHonfleur到着。 なので、余裕の駐車スペースだったのかも。


Honfleur town
レストラン風景。

Honfleur town
町並み。

Honfleur town

Honfleur town
どこもかしこも、ステキ満載で演出されていて、
まずはカフェ・レストランに入るしかない・・・と思わせるようにできている。

Honfleur town
フレンチ雑誌から抜け出してきたかのような、おねえさん。

Honfleur town
もうこうなったら、ハーヴァー前の一番「いかにも絵になる」カフェに座ってみよう。

Bouillabaisse
お茶をしているうちにランチタイムになり、そのままランチをここで。
海辺に来ると、パブロフの犬的条件反射で、シーフードを食べたくなる私は、ブイヤベース。

: )
そして、なし崩し的にシャーベットがデザート。
観光地にもかかわらず、Deauvilleほど法外バブルな値段を吹っかけられることもなく、
ロンドン人には快適な価格帯。

Honfleur town
看板までかわいい・・・。

Honfleur town
裏通りにも、レトロなカフェ在り。次回はここでお茶しよう。

Shop window
シーフードがやはり名産で、このシーフード・パテ、買って帰ったら、美味しくてやみつきになりそう。

Shop window
同じメーカーの、レトロなパッケージ。
フランス海岸地域に卸しているメーカーのもので、「ここ」で作っているわけではないのだけれども・・・。

Shop window
こちらは、ノルマンディー名物のサイダー(りんご酒)。
アルコール・アレルギーなのが残念・・・。

Shop window
食料品店のウィンドウもレトロ感漂う・・・。

Shop window
同じお店にて。

Puppy we met : )
ハーバーのそばで出会ったかわいい「いぬき」。

Honfleur town
ポッシュなホテル。
本当はこの町に泊まりたかったのだけれど、一ヵ月半前という微妙なタイミングでブッキングしようとしたら、
我々の予算に合うような宿は全くなかった・・・。
ゆえに、Deauvilleのプロモーション中のホテルに泊まることに・・・。

Honfleur town
裏路地から覗いてみる・・・。


いかにも「観光地!!ホリデー!!」という表通りのイメージを並べてみたが、次回は続編で、古い教会と裏通りの古い町並みを中心に。







ノルマンディーの町や村 -Trouville(トルーヴィル)とDeauville (ドゥーヴィル)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-15 Tue 21:21:38
  • 場所
話は再び、ノルマンディー旅行に戻って、今回は海岸の町Trouville(トルーヴィル)とDeauville (ドゥーヴィル)のイメージ。

この2つの町はTouques(トゥーク)川を挟んで向かいあわせ、どちらも海岸に面している。
パリからの鉄道がドゥーヴィルまで来ているので、19世紀からパリジャンのリゾート地として人気があったらしい。
イギリスで言えばさしずめ、Brightonといった感じだろうか。
ドゥーヴィルは、現在ではカンヌ的なる映画祭が催されたりしているようで、ハリウッド高級系の(悪く言えばなり上がり的なる・・・)ちょっと「ギトギト」した感じが漂っているような・・・。
一方お向かいのトルーヴィルはここは、もう・・・のどかな海水浴リゾート。ちょっとひなびた町の感じも、どことなく懐かしい。アンティーク・ブロカンテ屋さんが多いのも、我々には好もしい。
Netでドゥーヴィルのハーヴァー近くに、上手く安くでホテルを見つけたので、滞在はドゥーヴィル側。 しかし、先にトルーヴィル側に車を停めて、海水浴・・・はしなかったが、海岸を散策してみることに。
この「車を停めて」と簡単に言うのだが、これが再び大問題。 この日は海水浴日和のいいお天気で、バイユーからここまでたどり着いたときにはもう、午後。海水浴客で駐車場満杯・・・しばらくグルグル回って、一つ車の出た後に、かろうじてパーキングすることができた。


Trouville beach
海だっ!!

Trouville beach
なんだけれど・・・超遠浅。泳ぐというよりか・・・これでは潮干狩り。

Trouville beach
カラフルなビーチテントはフランス的。
イギリスだと、ビーチ・ハット(小屋)といって、やはりカラフルなのだけれど、物置小屋のようなものが立ち並ぶ。

Trouville beach
子供向けの娯楽「ロバ乗り」のロバ君。
そんなにつらい仕事ではないのだが、いつでも少し哀しそう。

Trouville town
こういう屋根の傾斜の強い、木造の構造の建物がノルマンディーの特徴のよう。

Trouville town
海岸に面した通りは軒並み、典型的なノルマンディースタイルの建物のホテルが立ち並ぶ。

Trouville - town
リゾート・モードのカフェ。

Trouville - town
ちょっとひなびたハイストリート。

Trouville - town
古い窓。カラーモザイク状のガラスがかわいい。

Trouville - town
ブロカンテ屋さんのウィンドウも、海モード。

Trouville - town
裏通りの住宅街にあったヴィンテージやさん。

Trouville - town
静かなカフェにたたずむ粋なおじ様・・・と思って撮ったのだけれど、
仏人にあるまじき・・・テキストしていた。
海峡を挟んで、イギリスからも近いリゾート地なので、無粋な英人かも・・・(笑)。

Trouville - town
裏路地を覗き込む傾向あり・・・の我々。

Église Bon-Secours, Trouville
町の真ん中に教会あり。

Église Bon-Secours, Trouville
もちろんここも開いているので、少し拝見。

Église Bon-Secours, Trouville
私好みの彫像。

Église Bon-Secours, Trouville
教会を出て、また町を散策に向かう。

Trouville - town
店のショーウインドウに写りこむ町並み。

Deauville town
一方こちらは、ドゥーヴィル側。
整備された道路の真ん中に噴水、で、なぜだか星条旗が立ち並ぶ。
「ハリウッド御一行様歓迎」・・・なのかな?

Deauville town
晩ごはんはホテルのあるドゥーヴィルで、と予定していたら、田舎町なのに、ロンドン以上のレストラン食価格に挫折。
晩ごはんぬき・・・になりかけたが、やっと手ごろなパスタ・ピザ屋を見つけて、晩ごはんにありつく。
しかし、そこのメニューの一番上に「キャビア・パスタ 70ユーロ」
「キャビア・ピザ 70ユーロ」というのを見つけて、悪趣味にのけぞる。
う~ん、この町はあまり好きになれそうにないな・・・。

Deauville town
それでも海岸通の夕暮れはステキで・・・、

Deauville town - view from our hotel window
ホテルの部屋からの、ハーバーの眺めには満足^^。

翌朝は、この町を発って、ノルマンディーでも1-2を競う・・・チャーミングな町Honfleur(オンフルール)に向かう。
この話は、また次回に・・・。




Blurb本 -Peter Gabriëlse写真集 

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-12 Sat 10:00:00
  • 写真
London食い倒れ撮影仕事も完成して、仕事の方はちょっと一段落。

一方、先月制作していた、ペーターおじさんの写真集も完成して、私の手元に1冊、おじさんの展覧室に12冊、オランダのディーラーのもとに12冊届けられている。
そしてすでにもう、Blurbブックストアで公開・販売中。<このページ
今回は、このBlurb本作りの顛末。
自分の「覚書」でテクニカルなことをかなり書いているので・・・興味のない方はスルーして写真だけどうぞ^^。


Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"


これがその本で、表紙カヴァーと裏カヴァーはテクスチャーをバックグラウンドに使って、写真とタイトル等を入れたかったので、Photoshopで構成したものを、写真全面使いのレイアウトに落とし込んだ。

これまでも何度かこの標本箱ブログで、Blurb本作りの話を書いているが<これらのページ>、今回の新しい「課題」は、プリントする前に複数の関係者が、内容を確認して共同で編集すること。
つまり、今回の場合、私の作った「ドラフト版」をおじさんに見てもらって、入れたい写真、省きたい写真、写真にキャプションを付けたいなら、その内容等を指示出ししてもらうということ。

もし、お互いにPC上の作業に慣れている人たちなら、それぞれがBlurbの本作りソフトBookSmart®をPCにダウンロードして、ドラフト版で仮制作された内容を、Book smartのページ上のFile>Export>Export Book Projectをクリックして、bookexport extension Fileを作り、CD・DVDかUSBドライブに落とし込んで、あるいはファイル転送方式で先方に渡す。
先方はまた、そのファイルを自分のPC上のBookSmart®で開いて、編集を続ける・・・というやり方がある。
(私自身はやったことはないが、詳しいやり方は英文だけれど、Blurbの<このページ>に)

私達の場合、私が重いファイルを転送するシステムを使っていないこと(画像だけならば、Picasa Web Albumで送りあっているが・・・)、お互いに遠隔地に住んでいるので、CD/DVDを郵送するだけで1週間かかること、そしてそもそも、ご年配のおじさんは近頃やっとE-mailテクノロジー開化したばかりで、複雑なシステムにはとても着いていけない(私とてあまり得意ではない)・・・という事情がある。
まあ、世間の圧倒的多数の人は、PCやMac上での編集作業に慣れているとは思えない。
なので、最初は私が2冊ドラフト版を印刷し、1冊をおじさんに届け、それを見ながら変更指示出しをしてもらう。それを再び校正版としてアップロードして、最終版とする予定だった。
(ひとたびBlurbにアップロードした内容の変更はきかない。PCで内容を変更した改訂版を、改めて別本として、アップロードする必要がある。アップロードした本はオーダーしなくても、2週間サイト上に乗っかっている。それ以上たつと、オーダーしない限り、サイト上からは消えてしまう。)

のんびり構えていたわけだが、ここでおじさんの野望のスイッチが入る・・・カチッ(笑)。
現在11日からベルギーで開催されている、ベルギー・オランダ最大のアンティークフェアAnticaに、オランダのディーラーVan Schagen Antiquesが、彼の作品を10点以上持ち込むので、ここに、なんとかこの本を並べたい!!
なので、彼らが会場準備に出立する、10月末までに先方に届けることはできないか・・・というご無体な要望(この段階で、10月2週目)。

「あ・・・あのー、私が写真を撮って帰ったのは、9月のはじめでぇー、数百枚のポストプロセスを猛スピードでこなして、London、Baterseaのフェアに間に合わせてWeb立ち上げたのが、9月の終わりですぜ・・・師匠・・・。」
と泣き言を言っていたら、
「あのね、このフェアはオランダ・ベルギーはじめ北ヨーロッパでの最大規模のフェアでね、ここに並ぶということには、大いに意義があるんだよ・・・。」と、うまいこと丸め込まれて(笑)・・・「は・・・はい、やれるだけやってみましょう。」ということに。

まず、ドラフト版を作って、即アップロード。
この段階ではまだ未完成なので、パブリッシュ(公開)にはしていない。
それでもBook show(プリ・ヴュー)を、All Page(全頁)Turn on(オン)にすることができる。
そしてこのプリヴューのページの下左端にあるShareをクリックすると、E-mailの「展覧許可」を送ることができる。
(このプリヴューページのアドレスを、自分でメールに貼っても機能しない。このプリヴューページのShareボタンからメールを送る必要がある。)
これを見て、先方のおじさんは「この写真はO.K.、これはFlickrページの何番の写真に換えて・・・。」
と指示だししてくれる。
その通りに直して、再度アップ・ロードまたブック・プリヴューをかけて、そのリンクを送る・・・という作業を繰り返す。
最初は「文字が小さくて・・・こんなもの読めなーい・・・」と言っていたおじさんも、下右端にある「フルスクリーン・ボタン」が解って・・・、ちゃんとキャプションの文章チェックもできるようになった。(おじさんもテクノロジーについてきている!!)
1週間のすったもんだだったが、5版目にしておじさんも大満足。「これでもう12冊ずつオーダーかけてくれ!!」
う~ん、それでも通常は一度印刷にかけて仕上がりをチェックしてから、複数部数オーダーすることをお勧めしますけどね・・・。

ともあれ、仕上がりもうまくいって、10月の4週目にはそれぞれの手元に、本が見事に記録的スピードで到着した次第。


Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
タイトルページもテクスチャーを、バックグラウンドにして、Photoshopでイメージを作成。
紙はお気に入りの「Proline Uncoated (プロ仕様コートなし紙)」。
作品のマットでダスティーなテクスチャーには、この艶なしの紙質がぴったり。
おじさんもこの厚手の高級な質感の紙が、大気に入り。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
冒頭にまず、ペーターおじさんのプロフィールを持ってきた。
最初は何も考えずに、バックグラウンドはすべて黒にしていた。
「黒だときつすぎる」といわれて、かすかにグリーンがかった、ダークグレイに設定したら、これが大正解。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
そして、作品に入る。
この写真は、表紙カヴァーの作品の全体像。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
基本的に、左ページに作品の全体像、右ページにディティール、という構成。
全体像だと作品の魅力が伝わらない、デティールだとスケール感が解らない・・・
という、おじさんの作品の「難しさ」をなんとか、ダブルページ構成で伝えようとした試み。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
作品自体は19点を取り上げて、ダブルページ構成で見せている。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
おじさんの「作品」は、箱彫刻だけでは終わらない。
「大きい方の箱作品」こと、Le Châteauが後半に、フィーチャーされる。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
まずは全景。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
リヴィングルームが続く。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
おじさんお気に入りのディティールを、いくつか選んでもらった。
私は貧乏性なのか(笑)、構成にてんこ盛りで画像を入れがち。
「そんなに画像を詰め込んだら、息が詰まる・・・。」という、おおようなおじさんのご意見で、
見開き片ページは、キャプションのみ。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
その後に、展覧室のイメージ。
見る人に、作品のおよそのスケール感をつかんでもらうのに、この展示室のイメージは重要。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
そして、スタジオのイメージが続く。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
このスタジオイメージは、おじさんの作品のコレクターの人たちには興味津々のはず。

Blurb book "Peter Gabriëlse - box sculptor"
最後に、私もフォトグラファーで登場。


こんな構成です。
プリヴューはこちら:



Blurb book storeで販売中<このページ
プロ仕様マット紙、20x25cmサイズ、フルカラー80ページ、41.03ポンド+税(U.K.以外のデリバリーの場合)+送料









ノルマンディーの町や村 -Bayeux (バイユー)大聖堂 -2-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-11-09 Wed 17:06:52
  • 場所
某日本旅行雑誌の取材撮影は無事終了。後は、コツコツ後処理を仕上げる作業が残っている「だけ」。
この「だけ」の部分が、仕事量の約半分ぐらいを占めているので、「だけ」ともいえないのだけれど・・・。
今回は、アフタヌーンティーめぐりやら、パブめぐりやら、いろいろ楽しかった(美味しかった)。
しかし、スペア・バッテリーのように「スペア胃袋」を持って来れない悲しさ・・・大半は試食程度にしか食べられない。
ああぁ・・・もったいない・・・。

話はまたもやノルマンディーに戻って、Bayeux(バイユー)大聖堂のイメージの続き。


Cathedral Bayeux
そう、この日はいいお天気で、日差しで大聖堂のディティールが見事に浮き上がっている・・・
と、いうところからの続き。

Cathedral Bayeux
なので、ステンドグラスも美しく浮かび上がる。
ステンドグラスは、石彫のように丈夫なものではないので、中世からのものが現存している例はまれ。
各時代で修復されたものが、混在している。
19世紀半ば以降、ゴシックリヴァイヴァルの様式が現れて、
「中世風」に壁画やステンドグラスが修復される。
これを見分けるのは、(私には)かなり難しい。
(いや、別に見分けられたからどうだってことはないのだけれど・・・笑)

Cathedral Bayeux
このステンドグラスは、古そう。13-14世紀に思われる(ウラはとってませんよ・・・)

Cathedral Bayeux
これは、19世紀の「中世風」。
人物の描き方は、中世のステンドグラスや写本に倣っているのだけれど、
ガラスの色味がまず鮮やか過ぎる、そして、状態がよすぎる。
それでも「中世風」の素朴な描き方は、充分にチャーミング。

Cathedral Bayeux
これも同じ19世紀のステンドグラスのシリーズ。
中世の人は解剖学を知らないので、こんな風に鎖骨を描くことはありえない(笑)。
これは、クローヴィスか誰か王様が、洗礼を受けているシーン、の様。

Cathedral Bayeux
まぁ、ステンドグラスの美しさの前には、つまらない時代考証など、
何の意味も持たないか・・・。

Cathedral Bayeux
万華鏡状態の、ステンドグラス美・・・。

Cathedral Bayeux
18世紀風おばちゃまっぽい天使が、ステンドグラス越しの光に浮かび上がる。

Cathedral Bayeux
石の床にもステンドグラスが、色彩をちりばめていく。

Cathedral Bayeux
この小さな挿絵のような壁画は、13世紀の壁画を修復したもの。
歴代のバイユー大聖堂大司教が描かれている中、これは6代聖堂大司教・聖コンテス。

Cathedral Bayeux
高い天井に描かれた天使たちが、とても愛らしい^^。

Cathedral Bayeux
壁画は、石彫ほどではないけれど、ステンドグラスよりは丈夫。
なので、13-14世紀のものが現存している例も以外と多い。
これは、13世紀に描かれた「受胎告知」の壁画。

Cathedral Bayeux
これも13世紀のキリスト磔刑のシーンの一部で、福音記者ヨハネを描いたもの。
なんともデリケートな、肌や髪の表現・・・。

Cathedral Bayeux
同じ一角にある13世紀の壁画の一部で、聖ニコラスの生涯を描いた壁画の一部。
嵐にあって難破しかかった船に乗り合わせた彼が、嵐を鎮める・・・のよう。
静的な描写の中世絵画で、この怒涛の波しぶきの表現が、とても新鮮。

Cathedral Bayeux
これも13世紀の壁画で、鍛冶屋の聖人さん(誰だろう?)
銀細工(?)を作っているところに、蹄鉄を替えに馬をひいたお客さんがやってきた。

Cathedral Bayeux
「栄光のキリスト」を描いた19世紀絵画。
これもゴシックリヴァイヴァルで、中世風に描かれているのだけれど、
もっとこぎれいで、きちんと描かれていて、デッサンが上手くて・・・
そもそも保蔵状態がとてもよければ・・・たいてい19世紀のもの。

Cathedral Bayeux
地下のクリプトにも、柱の上のアーチ部分に壁画が描かれている。
柱頭部の石彫は、ロマネスク、11-12世紀のものだが、壁画は15世紀のもの。

Cathedral Bayeux
近くによって見ると、天使達。

Cathedral Bayeux
ひざまずいて祈っていたり、楽器を演奏している。
全部パターンが違うので、それぞれ見てまわると面白い。

Cathedral Bayeux
最後に、古びのレイヤーをかけた、ゴシックの外観のイメージをもう一度・・・。

見どころの多い内容充実の大聖堂、バイユーに行ったら覗いてみる価値あり。

Notre-Dame de Bayeux
Rue des Cuisiniers, 14400 Bayeux, France

グーグル地図はこちら:


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