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2011年12月 Archive

ジュエリーやら、クリスマスやら・・・プチ修羅場は続く。

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-12-28 Wed 10:00:00
  • 日記
日本は今頃年の暮れで「クリスマスどころでないわいっ!!」という・・・、どたばたしたシーズンだったことをちょっと思い出した。
私の方、今年はLondonでありながら、勤務中、製作中。(愚痴交じりのいきさつは、前回書いたとおり。)
勤労の甲斐あって、なんとかペンダントヘッドは、新シーズンの立ち上げ分出来上がった。記録破りのスピード。
ちょっと嬉しくなって、ペンダントヘッドだけの、プレヴュー。


Spring items pendant heads are ready
クリスマス前には、ブローチにしていた花型のデザインを、春ものではネックレスに。

今回初めて、Bezel setting(ベゼル・セッティング)風の石留めにしてみた。
(日本語で確か「フクリン留め」と呼んだように思うのだけれど・・・?漢字が思い出せない)


Detail - Gold body chain, Roman
大英博物館所蔵、ローマン・ジュエリー 4世紀

ローマ時代のジュエリーやら・・・、

Hungarian 18th century jewellery
@ Hungarian National Museum - Budapest所蔵、18世紀のジュエリー

ブダペストでさんざん見てきた、ハンガリアン・ジュエリーの影響・・・かな?


Spring items pendant heads are ready
慣れるまで、ちょっと手の練習を要したけれど、仕上がりは、新しいイメージで気に入っている。


Spring items pendant heads are ready
とはいうものの・・・、「あのギザギザの方がいい」なんて取引先が言い出すかもしれないので、
爪止め風の方も、少し作っておいた。
今回はローズクオーツの石が、まとまって手に入ったので、ピンク系の色合いのものが多い。
私にしては珍しいのだけれど。

Spring items pendant heads are ready
パステルカラーを、さし色に、中心になるのは、いつでも人気のニュートラルカラーのクオーツ。



いやいや、ペンダントヘッドはまだ、製作の前半。
今はちょうど、チェーンやビーズ部分のサンプル組みの真っ只中。
デザインだけなら、何も難しいことではないのだけれど、新シーズン用に用意しておいたチェーンやらビーズの材料を、それぞれのデザインに振り分けて使うのが、まるでパズルのようで脳をかなり使う・・・。
時間が押していると、追加オーダーをかけて、それが届くのを待っていられない。
なので、手持ちの材料を組み合わせて、足りなくならないようにしながら、それでもって、ベストのデザインに持ち込む。
この部分の仕事は、その昔、アクササリー工場の契約デザイナーをしていた頃と、ほとんど同じ・・・。




さすがに、クリスマス当日だけはちょっと休憩。 例年通り、配偶者氏と私だけの静かなクリスマス。


Christmas 2011
ツリーの飾りつけは、配偶者氏担当。
毎年、根っこの付いた小さなもみの木を買ってきて、本物のキャンドルに火をともす。
ちょっと危ない感じがするのだけれど、半世紀以上毎年やってきている配偶者氏は慣れたもの。
問題は・・・クリスマスの後のツリー。
毎年心優しき配偶者氏は、生きているツリーを捨てられなくて、
庭がやたら長いのをいいことに、庭の奥に植えている。
おかげで庭の奥は、日もささない森になってきている・・・(汗)。


Christmas 2011
キャンドルに火をともし、

Christmas 2011
暖炉に火が入る。


Christmas 2011
また今年もこれ・・・チキンの脚。毎年のクリスマス定番料理。
ええ、ターキーでも、チキンの丸焼きでもなく、「脚」。
こんがり焼いてから、ル・クルーゼ鍋で煮込む。
普段は年金生活者の配偶者氏が、家事全般を担当しているのだが、
クリスマス・ディナーだけは、年に一度の私の担当。


Christmas 2011
クリスマスケーキは、Patisserie Valerie(パティセリー・ヴァレリー)で、氏がオーダー。
と・・・父さん(配偶者氏のこと)・・・なんだか、誕生日ケーキと混同してませんかね?


Christmas 2011
で、プレゼントをあける。 
これはDanaさんからのプレゼント。どうもありがとうね^^。


Gulls
その後、暗くなる(3時半)前に、テムズ川沿いに散歩。
今年は、鳥用に買い込んでおいたパン持参で、カモメのアクロバット飛行・ダイブを楽しむ。


そして・・・昨日からまた仕事開始、Phew。
そんなこんなで、1月はじめまで、ちょっと更新不定期だけれど、よいお年を!!











Merry Christmas

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-12-22 Thu 10:00:00
  • 日記

皆さん楽しいクリスマスをお過ごしください。


Have a lovely holiday season : )



うちは・・・今年はクリスマスも、新年もジュエリー制作真っ只中。なんてこったい・・・と思うのだけれど、どうやら今年最後の星のめぐりが悪い(笑)。
来年のChinese New Yearが例年より1ヶ月以上早くて、うちのジュエリーのシーズン立ち上げをいつも手伝ってくれるFrancisが、1月15日にシンガポール帰省、家庭の事情でなんと帰ってくるのが4月。
なので、年内に春夏物のペンダントヘッドを仕上げて、15日までに加工を済ませるという荒業真っ只中。苦行スイッチ入ってるかも。というわけで、しばらくブログもお休みモード。

来年こそはこんな目に合いませんように・・・。
ここでついでに「よいお年を!!」


写真コラージュ

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-12-19 Mon 10:00:00
  • 写真
前回に引き続いて、またまた写真の標本箱。今回はテクニカルな話は抜き(の、はず)。

いろいろ撮影の仕事が入ってくるのは、ありがたいことで、楽しくもあるのだけれど、カメラマンとしての「よりわかりやすい写真」ばかり仕上げていると、「よりわかりにくい」私の中のひねくれた美意識(?)が欲求不満に陥り気味。
なので、趣味の写真の方は、ポストプロセスでレイヤーをかけたり、ブラーをかけたり、どんどん解体していってしまう。
そういった加工写真をひとまとめにして「コラージュ」と呼んでいるのだけれど、今回はそんな写真を並べてみよう。


Collage
彫像はたしか・・・V&Aだったかな。
ノルマンディーの町のブロカンテ屋のウィンドーにあった、シャンデリアのイメージとレイヤーにした。


Collage
同じシャンデリアのイメージと、私の仕事机の前の窓のイメージをレイヤー加工。
私の場合、ただレイヤーするだけではなくて、イレーザーで上のイメージから、
下のイメージを部分的に「けずり出したり」などなど、ちょうど絵を描いているような加工のやり方。


Le Chateau - collage
ペーターおじさんのル・シャトーのイメージコラージュ。
いわゆる「フォトショップの使い方」にあるような「切りぬき」はあまりしない。
どちらかといえば、レイヤーでなじまして、ぼかしこんでいくやり方。(あ?これテクニカルな話かな?)


Shinaru's woderland hair salon
いつでも髪の毛をやってもらっていた、グリーンフラワーのしなる君。
私的にはちょっと残念なのだけど、期限を早めて、
東京に新サロンをオープンするべく、先月日本に帰国。
これが最後のフォトセッションになった。ご活躍を祈ります^^。


collage
ノルマンディー、Honfleurの写真をコラージュ。


Collage
彫像はV&Aのカースト・コートのもの。
上にかけたレイヤーは、自然史博物館のミネラル・ジェム室の、フローライト原石のイメージ。


Photo layer
Kentwell Hallのリ・エンアクターの女性の後姿に、テムズを渡る白鳥のイメージをレイヤー。


Photo layer - Thames
同じ白鳥のイメージと、別のときに撮ったテムズ川の風景をレイヤー。


Photo layer - antique dolls
うちにいるアンティーク人形と、フレンチウィンドウのイメージをレイヤー。
ちょっと不気味可愛い^^。


Photo layer - back street
ブダペスト郊外のSzentendreの町の裏通りと、窓のイメージをレイヤー。


Photo layer - shadow
ゼラニウムの花の陰のイメージ2枚と、ヴィンテージ風石鹸皿のイメージをレイヤー。
単独の写真では物足りなくて、面白みに欠けるイメージも、
レイヤーにすると意外と使える場合が多い。
などと考えると、「失敗かも」写真も何か使える?という煩悩で
なかなかディリートできなくなるのだけれど・・・。


Collage - Trafalgar Sq. Christmas tree
トラファルガースクエアのライトアップと、クリスマスツリーに・・・
何かわからない・・・間違ったカメラのボタンをおしてブレブーレになったイメージを重ねた。
あ、まだコンパクトカメラの方のS95に慣れてないのですよ(笑)。
でも意外と面白いかもなどと・・・。


Collage - pub
と、いうので、またおなじブラーイメージを角度を変えて、反転して、パブのイメージに載せてみた。
フイルム写真の感光に失敗したとき・・・が意外と美しかったりする、あの効果をねらってる。


Collage
テンプル・チャーチの前にあった白い花のリースと、シャンデリアと、羽。
「ご結婚おめでとう」カードの様になってしまった(笑)。


Collage - Middle Temple Lane Gate
Middle Temple Laneのゲートを中から撮ったものと、外から撮ったものをレイヤー。


Collage - Middle Temple Lane Gate
そのゲートの上のエンジェルたち。
エンジェル自体でサイズ・トリートを変えて、2 レイヤー、その間に淡く羽のイメージを挟みこんでいる。


Collage - Temple
テンプルの小路、ゲートのイメージと、文字のイメージをレイヤー。


Collage - Temple
これも別の角度から撮った同じテンプルの小路と、アンティーク葉書の手書き文字をレイヤー。



ちなみに、尋ねられる前に書いておくと・・・、私が使っている写真処理ソフトはPhotoshop CS5。
色味を出すのに、Saturationより自然な深みが出て、エグみのでないVibranceの調整機能がついたこと(CS4以降)が、最大のメリット。 コラージュ・イメージでも、発色や色味でいろいろ遊びやすくなった。
また、コラージュ写真がたまってきたら、標本箱に詰め込みます^^。











近頃増えたカメラ機材

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-12-16 Fri 10:00:00
  • 写真
去年のブログに「使っているカメラ」の話と「使っているレンズ」の話を書いたことがある。(右コラムにも貼り付けているけれど)
あれから1年たち、うちのカメラ一族も徐々に増加してきている。なので、今日はカメラ関係の話を少し。

今年(2011年)の年初、思い切ってPhotoshopCS5を導入した。以前は、友人にもらった、大きな声で言えない・・・
超優良海賊版のCS2を使っていた。
CS5はけっこうなお値段なので、趣味には無駄かも・・・とは思ったのだけれど、運命の不思議で、CS5を使うようになったら、プロ仕事が突然入り始めた。
最初は、ジュエリーのクライアントのお店の撮影やら、Web用の物撮り、知人の住宅撮り。そうしたら、ファッションデザイナーの真知子さん関連の撮影、日本のライターの友人由美さんと組んでの雑誌の仕事などなど、ありがたいことにすべてコネだけれども、何かれと撮影仕事が入ってくるようになった。
最初はカメラとレンズ2本、状況によってはレフ版と3脚、以上がすべての装備という、超お気軽フォトグラファーだった。
ポストプロセスで処理できる、デジタルになったからこそのお気楽さ。
ところが・・・、仕事になればなるほど、失敗は避けたい。「ホームランはいらないけど、確実にすべてをヒットに持ち込む」の原則が適用されることになる。
そして、納期のある仕事の写真では、一枚一枚にそんなに時間はかけられない場合もある。つまり、オリジナルの段階でできるだけ完成度をあげて、ポストプロセスはできれば最小限に抑えたい。 という、「趣味」ヴィジョンから「仕事」ヴィジョンへのリープが起きる。
そうなると、機材へのある程度の「再投資」が必要となる、という図式。


My new camera family - Sigma 10-20mm
Sigma 10-20mm レンズ。


俗に「スーパー・ワイド」と呼ばれるレンズ。
普段使っているCanon EF-S 18-200mm で60%のものはカヴァーしてしまう、あとの30%はCanon EF 50mm f/1.4 、特にポートレートはf/1.4レンズがMustで、誰でも断然きれいに写る(笑)。物撮りもたいていこのf/1.4。
そしてこの新入りSigma 10-20mmの出番は、実は10%程度。何かというと、私の場合インテリア撮り。
最初のCanon EF-S 18-200mmでもかなりワイドまでいくので、これでもいいわけだけれど、最後の一押しはやっぱり10mm。
この18mmと10mmの差で、断然迫力UP。 前回も載せた澤山さんのインテリアの写真だけれど、以下は10mmで撮っている。


Noriko Sawayama - eclectic styling
広い空間は、より迫力で・・・、

Bedroom3
小さな空間は、10mmの本領発揮。これは10mmでないとおさまらない。

Natural History Museum
これは自然史博物館で試し撮りしたもの。迫力あり。


欠点もないことはない。明らかに周辺部のパースペクティヴが狂うので、ちょっとシュールな感じになる。
説明的なショットや、力強いイメージに向いている男性的なレンズだけれども、繊細でフェミニンな雰囲気出しには、ぜんぜん向いていない。
なので、クライアントさんの求めるイメージによっては、使わない方がいいこともある。これはケース・バイ・ケース。

Sigmaを選んだのは・・・、単にCanon EF-S 10-22mmが予算に合わなかっただけ(笑)。Tamron 10-24mmと迷ったけど、Sigmaのシャープさが、スーパーワイドを使う状況に適していると判断して、Sigma。
今回も「ケチ」な私は、相変わらずE-bayで中古を落としたのだけれど、ちょうど運よくSigmaが出てきていた・・・ということもある。310ポンド程度で入手。




Confession... I have bought a new camera !! 17/10/09


前も使った画像だけど・・・、愛用のCanon500D。ボディのみで、もう一台入手。

フル・フレームのCanon 5D Mark IIを持っている知人にカメラを触らせてもらって解った・・・。私には、フル・フレームカメラを使いこなす腕と手首の力がない!! (もちろん財力もないのは、いうまでもない。)
この段階で、フル・フレーム一眼レフに対する煩悩は全く解消。ええ、クロップド・カメラでいい写真を撮って見せようではありませんか。私の写真の師匠Adorian氏だって、クロップドのCanonなんだ、要は「美意識」。あ、そして、どちらかといえばレンズ(笑)。

その、Adrian師匠と夏に会ったときに、ホラーストーリーを聞いた。
Richmond Parkで鹿を撮影していて、だんだん鹿に近づいて・・・近づいて・・・、鹿も興味を持って近づいてきて・・・、「これは、最高のショット!!」というところで・・・カメラのシャッターが「死んだ」。
そのときまで、私はカメラシャッターがおよそ100,000ショットで「死ぬ」ことなど知らなかった。これはあくまでも平均の様で、それ以上でも、以下でもありえる、いつかは「死ぬ」。
リペア専用業者もレコメンドしてもらったけれど<LondonでCanon一眼レフを修理するならここ>、プロのフォトグラファーが、なぜ最低でも2台カメラを持っているのが、初めてわかった。
まあ、シャッターが死ななくても、カメラを3脚ごとひっくり返したり・・・などなど予想外のトラブルはつきもの。
そんなわけで、使い慣れた500Dのボディを・・・、これまたE-bayから中古を300ポンド以下で入手。
今は、それぞれに出番の多い18-200mm と50mm f/1.4を着けている。なので、レンズ交換の頻度が下がる > レンズとボディのジョイント(ここが一番痛みやすいとか)を痛める確率が下がる、というメリットもある。




My new camera family - Canon 430EX II speedlite
Canon 430EX II speedlite


もう一つのお買い物。スピードライト、外付けフラッシュ・・・というのかな?
これは、U.K.が冬時間になって暗くなってきたため、念のために装備。
基本的に私はフラッシュを使わない。フラッシュを使うと、突然すべてが、チープなタブロイド紙の写真のように見えてしまう。
なので、高ISO設定やら、ポスト・プロセスを駆使して、フラッシュを使うシチュエーションを避けてきたのだけれど・・・、いかんせん、そうすると今度は画像のテクスチャーが荒れる。
妥協点を見出したのが、このスピードライト。


My new camera family - Canon 430EX II speedlite


こんな風にいろいろ角度を変えることができる。
なので、対象(主に人物)に向かってフラッシュをたくのではなくて、天井に向けてフラッシュをたく。その、反射光で撮るという方法。これだとかろうじて・・・自然な感じに写る、はず。
はず、というのは、幸か不幸かまだ使うシチュエーションに陥っていないので、実践経験なし。


Prince V.


V殿下で試し撮り。V殿下の薄暗い居住スペースで、夜に部屋のライト(これだけだと暗すぎて、普通はISO3200設定まで上げないと、手持ちでは撮れない)スピードライトを天井にバウンスドさせて、ISO400設定で撮っている。
部屋のライトの影響でオレンジっぽくなってるけれど、画面は荒れていない、殿下お肌スベスベ^^。

ちなみに、これまたE-bayから中古を落として、160ポンド程度で入手。




My new camera family - Canon S95
Canon S95


これはあんまり仕事とは関係ないけれど、コンパクトカメラを7年ぶりに買い換えた。
これまた、先述のAdrian師匠のおすすめ機種。
AV設定(絞り優先設定)、TV(シャッタースピード優先設定)など、一眼レフに「近い」設定モードがあって、よりイメージをコントロールできるということ。Rawモードが撮れること。センサーが1/1.7なので通常のコンパクトカメラ(1/2.5)の倍ぐらい大きい、つまり画像が荒れにくい。(ちなみにクロップド一眼レフのセンサーは1/1.6相当だそうなので、それより少し小さい程度)
と、いうのがポイントだそう。
画像自体は約10メガPixなので、もっと大きな画像を撮れるコンパクトカメラは他にもあるけれど、それ以上のメリット・・・とか(全部師匠の受け売り)。


Comparison imageOriginal image

比較イメージ:左Canon S95 VS 右Canon 500D+50mm f/1.4

一眼レフと比べたらちょっと気の毒だけど、発色はCanon S95の方がいい、というか、ちょっとヴィヴィッドすぎるような・・・。
あと、ズームが3.7倍までなので、18-200mmズームレンズに慣れていると、少し使いづらい。
それでも、まぁ、このミニミニ・サイズでよくがんばっている。
まだ、ちゃんと使いこなせてなくて、コツが飲み込めてないのだけれど、日常持ち歩きカメラには最適。
これは評判のいいNetカメラ・ショップWexで、半額セールのものをGet(値段の話をつい書いてしまうのは、私が大阪出身だからだろうか?笑)。




my camera bag
仕事用カメラバッグ。


機材が増えると、体力のない私には持ち歩くのが難しい。
そこで、軽量のSub Zero G トロリー・スーツケースの一番小さい41cmを買って、これまたE-bayの業者から衝撃吸収材のネオプライン地(潜水用ウエット・スーツなどに使われる素材)の分厚いものを買って、カメラ用のコンパートメントを作った。
さすがに三脚は入らないけれど、折りたたみ式のレフ版も収まる。そしてまだ余裕の収納スペース。
とはいうものの・・・これ以上機材は増やしたいとは思わないけどな・・・(笑)。

そんなわけで、フォトグラファー仕事のお問い合わせも、右コラム下の「コンタクト・お問い合わせ」のリンクからどうぞ^^。









インテリア・デザイナー、澤山乃莉子さんのショウルーム撮影

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2011-12-13 Tue 10:00:00
  • 写真
ロンドンと日本を繋いで活躍中の、インテリア・デザイナー澤山乃莉子さん (Noriko Sawayama Design & Associates Ltd.)から、先日、自宅ショウルーム撮影の依頼があった。
今回は、その時の写真からのセレクション。

澤山さんの得意とするスタイルはひとことで言えば「eclectic」エクレクティック(折衷様式)ということになる。
などと、知ってる風に書いているが、この言葉は実際のところ、彼女のブログで初めて知った言葉。
たしかに、20世紀までにさまざまなデザイン・様式も出きってしまって、21世紀に何かできるとしたら、今までにあったものを、いかに組み合わせてエンハンスするか、より効果的に見せるか・・・ということしかないのではないかな、と、私自身感じていたので、彼女のコンセプトにもとても共感できる。
撮影にお邪魔した自宅ショウルームが、光に満ちた美しくて、そして和める空間なので、コンセプトよりも何よりも説得力あり。


Noriko Sawayama - eclectic styling
大きな窓から、日が注ぎ込む、リヴィングダイニング・ルーム。


この天井の高い、見事なロフト空間は、このアパートメントが、もともとは学校の建物だったため。
Conversion(コンヴァーション=転用)と呼ばれるタイプの住居で、ここのように学校や、倉庫、オフィス、教会、使われなくなった駅舎などなど・・・U.K.ではありとあらゆる建物が、転用・改造されて住居として販売される。
なにしろ古物好きの英人達なので、建物の外観は昔風、そして内部は暮らしやすいモダン・スタンダードに作りかえられたこのようなコンヴァーション住宅は、いつでも人気がある。
以前はXXだった、昔はXXとして使われていた、というような建物は、一段と英人の「人とは違った、私達だけのパーソナルな家」という、ソフトポイントをとてもくすぐる。
なので、学校だった建物をコンヴァーションしたフラット、というだけでまず「あー、いいなぁー」という目になることうけあい^^。


Noriko Sawayama - eclectic styling
ダイナミックな15feet(4.5m)の天井高を生かして、ベッドルームはロフト部分に設定されている。
リヴィングダイニングのスペースは、この吹き抜け部の部屋に。
アーティスティックなシャンデリアが映えるも、このスペースならでは。
家具は大半が、澤山さんのデザイン。
右奥がオープン・スタイルのキッチン。

Noriko Sawayama - eclectic styling
ロフトの バルコニー部分から見たところ。
日本の場合、部屋が狭いので、ソファはとにかく壁際に・・・というレイアウトになりがちだけれど、
部屋が広い場合、こんな風にソファで区間を区切り、コーナー作りをする。
なので、ソファの後姿というのも、重要なポイント。

Noriko Sawayama - eclectic styling
キッチン側からリヴィング・コーナーを見たところ。
両側の壁に窓があるので、明るい!!

Noriko Sawayama - eclectic styling
和風のものとコンテンポラリーデザインが、引き立てあう、
エクレクティック・スタイルのエッセンス。

Noriko Sawayama - eclectic styling
モノトーンと、メタリックなテクスチャーをテーマ付けたディスプレイ。

Noriko Sawayama - eclectic styling
ディティールに興味津々。

Bedroom1
ロフト2階部のメインベッドルームは、フレンチ・スタイルで統一。
ショールームとして、部屋ごとにテーマを変えた、インテリア・コーディネーションが展開されている。

Bedroom1
左右対称にスタンドライトで高さを出し、フォトフレームなどの小物を重ねていくつも置くことで、
アレンジメントに奥行きを出す、というインテリア・デコレーションのお手本のような、ステキなディスプレイ。

Bedroom1
深みのあるディスプレイ額の中には、昔のピアノの楽譜が丸めて納まっている。
思い出の詰まった、アート作品。

Bedroom2
ベッドルーム2はお嬢さんの部屋。
この部屋は、ヴィンテージ・スタイルを基本に、ファブリックでカントリーの要素、
リズム感のある額のディスプレイで、ポップな要素を付け加えて。

Bedroom2
壁際の小さな空間も、身の回りのものをアレンジするだけで、かわいいディスプレイ・コーナーに。

Bedroom2
この部屋を、最も性格づけるこのチェスト。
フランスのアンティークなのだけれど、もともとは食料品店で豆を販売するためのものなのだとか。
正面のガラス張りの部分に、豆のサンプルを入れておくそうだ。
ドライフラワーや落ち葉を入れて、ナチュラルに。

Corridor
吹き抜けのリヴィング・ダイニングを見下ろす、ロフトのバルコニー部分。

Corridor
その横の廊下部分にも、アート作品と、日本の古典文様が共存。

Bedroom3
バルコニー部の奥にある、ベッドルーム3は、ゲスト・ルームで、
レトロ・ヴィンテージ・スタイルのコーディネーション。
コージーな落ち着いた部屋。

Noriko Sawayama - eclectic styling
撮影とお喋りがつきなくて、気がつけば黄昏時。
ライティングが灯ったところもまた印象的。


澤山さん今回はどうもありがとう!! また、おじゃましますね^^。






Kotomiジュリー 近況

博物館ジュエリーはさておき・・・うちのジュエリー。
年最大の書き入れ時、クリスマス前は、例年追加オーダーやら、別注がかたまって入ってくる。
今年は不景気のせいか、ちょっと出足が遅いなーと、思っていたが、11月後半に一気に来た。
カツカツ仕上げて、納品準備まできて・・・、もう入ってこないでねと、ちょっとだけ思っている(笑)。
なので、今回の追加アイテムは、ほぼすべて行き先がきまっているのだけれど、クリスタル石のものは、また、追加制作もできるので、もしご興味の方は問い合わせください。日本からのPaypal支払いも受け付けていますよ。
あー、今からだと、発送はクリスマス後になりますが・・・。


BR-294-5,BR-296-8, BR-299-301
クリスタル・ガラス石のブローチ。
BR-294-5,BR-296-8, BR-299-301 すべて約5センチサイズ、£45~48

おととし頃から、クリスマス時期に、どこの取引先でも、ブローチがよく売れる。
ヴィンテージ・スタイルが復活してきているので、50’s風のコートやジャケットの襟につけるのだろうな。
10月にいくつか作ってあったもの、すべて売り切れているところにオーダーが入って、追加制作。


BR-302, BR-303
クリスタル・ガラス石のブローチ。 BR-302, BR-303 すべて約5センチサイズ、£44

人気の花モチーフのブローチ。
ここでは、写していないのだけれど、クリアー・カラーの花びらに、白いパールのセンターのものもあり。


BR-304-5, BR-306-7, BR-308-9
クリスタル・ガラス石のブローチ。 BR-304-5, BR-306-7, BR-308-9 すべて約4センチサイズ、£40

少し小ぶりの方の、花モチーフ。
クリスタル・ガラス石をずいぶん買ったので、
来年の春物で、このデザインのネックレスも作ろうかな・・・と考え中。
私のU.K.の取引先には、ちょっと可愛いすぎるかな?


P-3339-41, P-3342-44, P-3345-48
クリスタル・ガラス石のドロップ・イヤリング。P-3339-41, P-3342-44, P-3345-48
角石(P-3339-41, P-3342-44)、サイズ10x8mm £19
しずく型石(P-3345-48)、サイズ20x12mm £20

普段はあまり作らない、カット石のドロップ・イヤリング。
評判がよかったので、今後定番になる・・・かも。


N-2335 Customer order
N-2335 スモーキークオーツ・ペンダント £85

これは、お客様からの別注。
以前お買い上げいただいたネックレスを、妹さんがいつも羨ましがっているので、
似たデザインのものをクリスマスプレゼントに・・・なのだそう。


N-2332
N-2332 クオーツ・ペンダント £87

これはフランスからのオーダーで、このタイプのカラーで、ドロップ付きのペンダントというご指定。


N-2333
N-2333 クオーツ・ペンダント £84

上のペンダントと同じお客様。


N-2334
N-2334 クオーツ・ペンダント £86

これも同じくフランスへ向かった。


N-2299
N-2299 クオーツ・ペンダント £86

N-2301
N-2301 クオーツ・ペンダント £85

これらもよく似たデザイン。
秋物だっていうのに、なぜだか、こういった春物っぽいカラーの、特にドロップつきのものがよく動く。
作っておいたらいつの間にか売り切れていて、また作り足すことになる。


BL-1670-75
ブレスレット BL-1670-75 £18~20

普段はこれもあまり作らないブレスレット。
不景気の折から、コストを抑えたプレゼントには最適なので、
取引先から「ブレスレットの在庫はないの?」と、よくたずねられる。
なので、折をみて作り溜めておく。
すべて、ネックレスを製作した残りのビーズを、組み合わせて作っている、一点物ばかり。


BL-1676-81
ブレスレット BL-1676-81 £18~20

BL-1682-87
ブレスレット BL-1682-87 £18~20

BL-1664-69
ブレスレット BL-1664-69 £18~20




追加・別注をこなしながら、もう春物の準備に入ってきている。
例年は、新年明けてからのことが多いのだけれど、いつもシーズン立ち上げ分の、量のまとまった糸通しや組加工を手伝ってくれている、下請け業者のフランシスが、来年は2月からシンガポールの家族のもとに向かう。
なので、1月中に加工を持ち込むことになる・・・ということは、12月中にはペンダントヘッドを仕上げる・・・ということで・・・、恐ろしいのであまり考えないようにしている(笑)。


Preparation for spring
そんな事情で、前倒しで仕上げているペンダントヘッド。


まぁ、基本は「なるようになる」なので、諸事情にあわせて、フレキシブルに(適当にとも訳せる)仕事できるのが、個人商店のいいところ。

そうなんです、ジュエリー作りながら、写真の仕事も入ってきています。
次回は、その写真の方の仕事の話。
ロンドンと日本の伝統工芸を繋いで活躍中の、インテリア・デザイナー澤山乃莉子さんの、自宅ショウルームのイメージ。





British Museum (大英博物館)のジュエリー -4-

今回は、前回のカメオの標本箱に入れるつもりが・・・、ちょっと時間切れで入れられなかった、インタリオのジュエリーなど。
カメオの一部としてとらえられることもあれば、インタリオとして、カメオとは別扱いにされることもある。
ようは、カメオとは反対に、へっこんだ様に彫る表現のレリーフ。
そもそも、印章として作られたのが起源で、つまり、陰彫りに紋章を粘土板に押すと、レリーフ模様が浮き上がる・・・ということ。
こんな風に・・・
なので、紀元前3世紀のギリシャに端を発するカメオより、歴史的起源はずっと古くて、紀元前14世紀頃のインダス文明や、メソポタミア文明にまでさかのぼってしまう。
ローマ時代以降は、「粘土板」を記録に使うということは、もはやないのだが、今度は封蝋に押す印として使われるようになる。
こういった、「実用」のためのインタリオの他に、もちろん純粋に「装飾」として使われるものの方が大半なのだけれど・・・。


Emma, Lady hamilton - cast glass intagrio, after a gem by Rega, English, late-18c
イギリス製、18世後半、キャスト・ガラス・インタリオ。
これは、型流しガラスのものなので、けして高価なものではないのだが、
当時人気のあった、エマ・ハミルトンの肖像を描いたものなので、多分、量産されたものなのだと思う。
レディ・ハミルトンこと、エマ・ハミルトンは、トラファルガー海戦でナポレオン艦隊を撃退した、
イギリスのヒーロー、ネルソン提督の愛人として、有名だった女性。
イタリアのメダル製作者Filippo Regaの描いたプローファイルから採られたイメージ。
英文データベースはこのページ

Intaglio seal
イギリス製、1771-1780頃のカーネリアン・インタリオ。
フォブ・セッティングは19-20世紀のもの。
フォブ(Fob)というのは、懐中時計のチェーンの先につけた飾り(チェーン自体をさすこともある)。
モチーフはヘラクレスと死にゆくヒッポリュテー。
(アマゾン族の女王で、ヘラクレスとの戦いに敗れた)
英文データベースはこのページ


Intaglio-set jewels, Italian, about 1870
おそらくイタリア製、1860-1870年ごろのジャスパー・インタリオ。
ジュエリーセッティングは、イギリス製。
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Seated Hercules - citrine intaglio, befor 1771
イギリス製、1771年以前。ジュエリーセッティングは19~20世紀。
モチーフは、座るヘラクレス。
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Necklace
おそらくイタリア製、18世紀後半のカメオとインタリオ。
ジュエリーセッティングはおそらくイギリス製で、1905年ごろ。
サードニックス、ジャスパーやカーネリアン。
これまた、古い荒れた画像で失礼・・・(小さくしてしまった)。
センターピースのみがカメオで、後の6つはインタリオ。
たぶん・・・このデータベース画像の方がましかも・・?<このページ
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Jewels set with 'sulphides' - Medusa-, English, mid-19c
イギリス製 1840年ごろ。ガラス・サルファイド(Sulphides)・カメオ。

これは、一見したところ、ガラスの裏から彫りこんであるように見えるが、そうではなくてサルファイドと呼ばれる技法。
彫り込む代わりに、微粒白陶土と炭酸カリウムケイ酸塩を混ぜて作られた、
小さなレリーフを、ガラス成型の段階で、ガラスの裏に挿入する。
クリスタロ・セラミ(crystallo ceramie)とも呼ばれる。
18世紀にボヘミアで発明された技法だが、フランスに伝わり、1819年にロンドンのガラス製造業者
Apsley Pellatt(アプスレー・ぺラート)が、パテントをと取ってから、イギリスで普及するようになった。
フランスでは、同様の技法をバカラ(Baccarat)が取り入れている。

このモチーフはメデューサ。ガラス裏からパープルのシルク生地が貼り付けられている。
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Jewels set with 'sulphides', English, mid-19c
イギリス製、1840年ごろ。ガラス・サルファイド・カメオ。
これも前述と同じ、サルファイド。
モチーフはキューピッドと蝶(プシケー)を教えるアポロだそうで、18世紀のインタリオから採られている。
このように、サルファイドは「廉価版」インタリオだったのではないかな・・・と思うのだが。
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Jewels set with 'sulphides', English, mid-19c
イギリス製、19世紀中頃、ガラス・サルファイド・カメオ。
これもサルファイド。データベース上に出てこなかったので、
モチーフなどのディティールは、よくわからないのだけれど・・・。
18世紀風のコスチュームの男性が、紋章を示している・・・ように見える。


すべて、British Museum (大英博物館)Room 47 収蔵。

British Museumのジュエリーの話は、まだまだあるのだけれど、また、折をみて・・・ということで、次回はKotomiジュエリー最近の作品のご紹介・・・というか、12月1週~2週目までに納品!!という、取引先の皆様の激しいご要望を、なんとか達成した成果の数々、Phew...。


British Museum (大英博物館)のジュエリー -3-

あぁ、そういえばクリスマスも近いんだ・・・というのは、普段は納期は適当な取引先から、「12月の最悪でも、2週目までに、XXXとXXX納品して欲しい!!」という、デッドライン付きオーダーが複数入り始めることで気づく。
たいていは、よりによって手元にストックのないものが、ご希望のアイテム。解りました、即作れってーことなんですよね・・・というので、毎年ちょっとパニクる。
しかし、これだけは全く予想できないので、改善の仕様がない。なので、更新遅れてます・・・という、実はいいわけでした(笑)。

標本箱の方は、引き続きBritish Museum(大英博物館)のRoom47より、今回はカメオのジュエリー。


Helmeted warrior, Onyx cameo brooch, Rome about 1860
おそらくイタリア製、1826-1875年。オニキスに彫りを施したストーン・カメオ。
クレストの羽や、髪の毛のデリケートな表現と、立体的な彫りのコントラストが美しい。
19世紀カメオで最も評価の高いのは、下記のサウリーニ親子の作品なのだが、
私的には、流麗で装飾的なこの作品が、ここのカメオコレクションの中でも、一番のお気に入り。
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Cameo
イタリア、ローマ、Tommaso Saulini(トマソ・サウリーニ)工房、1860年ごろ製作と考えれれるシェル・カメオ。
ジュエリーセッティングは、ロンドン製で、1862年。
トマソ(父)、ルイジ(Luigi、息子)サウリーニ製作のカメオは、格調高いネオクラシック様式で高い評価を受けている。
ローマを、ミネルヴァ女神の姿になぞらえた、モチーフ。
正面に見える、ヘルメットの側面に、伝説のローマ創設者ロムルスとレムスが、
雌狼に養われるシーンが描かれている。
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Head of Antinous Vertumnus, onyx, about 1850
19世紀、イタリア、ジロメティ工房製作と思われる、オニキス・カメオ。
モチーフは、ハドリアヌス帝の愛人アントニウーを、バッカスになぞらえたもの。
1735年に、ローマ郊外のハドリアヌス帝のヴィラより出土した、レリーフから採られている。
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Head of Hercules, onyx cameo, Italian, late 18- early 19th
イタリア、Giuseppe Girometti(ジュゼッペ・ギロメティ)1780-1850年ごろ製作の、オニキス・カメオ。
ジュエリーセッティングは、イギリス製、1864年。
モチーフはヘラクレスのプロフィール。
カメオとパールのコンビネーションでも、甘さのない、かっちりしたネオクラシカル様式。
<英文データベースはこのページ>

Bust of a Red Indian girl with a diamond-set feather and necklace, onyx cameo encrusted with gems, Rome, about 1870
フランス製、1850年ごろ製作、オニキスカメオ。
通常のカメオとは逆に、黒い部分で、アメリカンインディアンの少女を描いている。
habillé(ハビエ: 仏語で「着ける、着せる」の意)と呼ばれる技法で、
少女の上に、ダイヤモンドの羽飾りと、ネックレスが装着されている。
<英文データベースはこのページ>


Onyx cameo, bust of Dante, about 1865, Italy
イタリア、ローマ、サウリーニ工房、1865年ごろ製作。
モチーフは、「神曲」を書いたダンテ・アリギエーリ。
1865年の、ダンテ生誕600年記念にあわせて作られたものと考えられている。
当時イタリアで著名なジュエリー・メーカー、カスティリアーニも、
国家統一に苦闘する祖国イタリアを、苦悩するダンテになぞらえて描いている。
<英文データベースはこのページ>

Cameo bracelet, Medusa, signed by T.Saulini, with Venus and Cupid, Rome, about 1860
イタリア、ローマ、トマソ・サウリーニ製作、1850年ごろ。オニキスカメオのブレスレット。
中央に描かれているのはメデューサ、左はヴィーナスで、右はハイメン。
このような古代遺跡の発掘物をイメージしたジュエリーのデザインは、
archaeological style(考古学的スタイル)とも呼ばれる。
19世紀頃から、本格的に古代ローマ、エジプト、ペルシャ等の発掘が進展し、
さまざまな古代のジュエリーがヨーロッパに紹介される。
ジュエリー・メーカー達もこの影響をうけて、「古代風」のデザインを製作し始めたのだ。
<英文データベースはこのページ>

Set of gold labradorite cameo jewellery, London, 1869-79
イギリス、ロンドン、Borgen & Co製作、1869-1879年ごろ。ラブラドライト石のカメオ。
これも上と同様の、アーキオロジカル・スタイルのジュエリーで、このスタイルに特化していたBorgen & Coの製作。
このメーカーはもともと、コペンハーゲンのメーカーなのだが、
デンマーク出身のアレクサンドラ皇太子妃のバックアップで、ロンドン、ボンドストリートに進出していた。
ラブラドライトのカメオというのはとても珍しい例で、オパール・カメオなどの珍しい石のカメオ加工で知られている、
ドイツ出身でロンドンで活動していた、Wilhelm Schmidtの作に記されている。
<英文データベースはこのページ>

Part of six cameo heads, Diana, Bacchus, Pollux
イタリア、19世紀製作の、シェルカメオ。
全体では6つ(正面に5つ、後ろのクラスプに1つ)のカメオが使われているネックレスの、正面3つ。
左から、ダイアナ、バッカス、ポルックス
(ゼウスが白鳥に化けて誘惑したレダから生まれた双子の片方、
双子の兄弟はカストルで、双子座はこの二人を徴している。)
<英文データベースはこのページ>

Detail - Festoon necklace with Wedgwood or Meissen  cameo, German, early mid 19th
ドイツ、または、スエーデン、または、フランス製、19世紀。
カメオ・・・というか、カメオ風のウエッジウッド陶器は著名なことと。
これは、そのまたコピーで、ウエッジウッド「風」セラミック・カメオを使ったジュエリー。
天使達が目隠しごっこをして遊んでいる。
<英文データベースはこのページ>

Festoon necklace with Wedgwood or Meissen  cameo, German, early mid 19th
その全体イメージ。

Part of Iron and steel necklace, German or French, 1820-30
おそらくフランス製、1820年ごろ。
これもまた「もどき」カメオで、鉄鋳物製。周りの繊細な唐草模様はスティール製。
19世紀初期に、工業生産品の一環として、鋳鉄に黒塗装加工したジュエリーが流行した時期がある。
ドイツのベルリンが中心だったため、Berlin Iron Jewellery(ベルリン・アイアン・ジュエリー)と呼ばれる。
これは、このカメオ風センターピースにそっくりなものが、
フランスのVeverの19世紀ジュエリー・リストに記載されているため、フランス製と製と考えられている。
<英文データベースはこのページ>

Iron and steel necklace, German or French, 1820-30
その全体イメージ。


次回は・・・今回一緒に入れてしまおうと思ったけれど、手に負えなくなってしまった、インタリオのジュエリー。
つまり、カメオが出っ張りレリーフだとしたら、へっこみレリーフ、のもの。




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