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2013年02月 Archive

Snowdrops(スノードロップ)の花

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-27 Wed 10:00:00
  • 日記
さむーい、さむーいアムステルダムの写真は、今回ちょっとお休みで、季節の花スノードロップのイメージ。
スノードロップが咲くと、そろそろ冬も終わりかけ、春に差し掛かる直前、という感じ。
例年この頃(2月中旬)は、春夏物の仕込みで、ほとんど出歩くこともなく・・・、ゆえにスノードロップの花を「ライヴ」で見たことがなかった。昨年から、仕込みのスケジュールが前倒しになって、2月はけっこうのんびりしている。近頃の「マイ・ブーム」19世紀墓場写真(これはまた、後日あらためてご紹介・・・笑)で、日が差すと「ゴス」な墓場に出かけている。先日その中のひとつNunhead Cemetery(ナンヘッド墓地)で、スノードロップの群生発見(といっても、自然に、ではなくて植えられているのだけど・・・)。 

Snowdrops
花の茎がホントにほっそりしていて、愛らしい。

Snowdrops
3分~5分咲き。

Snowdrops

Snowdrops

Snowdrops

Snowdrops

Snowdrops
この子達は日陰気味のところだったので、まだつぼみ。
文字通り、まだ「ドロップ」の状態。

Snowdrops
群生しているところをヒキで見たところ。

Snowdrops
この子達は八重咲種。
うつむいて咲くので、いまひとつ八重咲のありがたみがないんだけどな・・・(笑)。

Snowdrops
チビカメラだったら、花の下から撮れたかも。
しかし、スカートの下から覗き込んでいるみたいだな、それじゃ。

Snowdrops
八重咲、ヒキで見たところ。

Snowdrops
こんな状態で、墓場に咲いている。

Primrose
プリムラも咲き始めた。

Crocus
クロッカスも。

Abney Park Cemetery
これは、その前のAbney Park Cemetery
(アブニー・パーク墓地)で見かけた、クロッカス。

Abney Park Cemetery
全然余談で、アブニー・パーク墓地で「ガン」を飛ばしあったスクイロウ。


余談続きで・・・、ロンドンにはMagnificent Seven(大いなる七つの・・・=邦題「荒野の七人」の映画にかけて、そう呼ばれるとか)と呼びならわされる19世紀建造の、七大墓地がある。
なかなか「ゴス」系フォトジェニックなので、いまちょっとはまっていて、現在4墓地撮影済み。
この話はまた、後日に・・・で、次回はアムスに話は戻ります。



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Museum Willet-Holthuysen(ウィレット・ホルトハイセン博物館)

アムステルダムから引き続き、お屋敷博物館のイメージ。
今回はMuseum Willet-Holthuysen(ウィレット・ホルトハイセン博物館)。
また、オランダ語に文句言うようだが・・・Pおじの発音は私の耳には「ヴィレット・ホルスティースン」としか聞こえないのだ・・・。ググると、「ウィレット・ホルトハイセン」のカナ表記になっているので、この表記に準じることに。(英語だと、ウィレット・ホルズィセン的に読むわな・・・カナ表記キライ。)

前回のVan Loon Museum(ファン・ローン博物館)から500mほど離れたところにあるこのお屋敷も、アムステルダムでもほぼ同じエリアで、ここが18-19世紀の富裕層のお屋敷街だったことが想像できる。
この建物自体は1685年頃に、アムステルダム市長 Jacob Hopのために建造されたもので、1739年に当時ファッショナブルであった、現在のルイ14世様式のファサードに改修されたそう。
ここの最後の個人オーナー、ルイザ・ウィレット・ホルトハイセン夫人が1895年に亡くなった時にここを、博物館としてアムステルダム市に寄贈したため、この名でよばれていて、それ以降博物館となっている。

ここの博物館は、夫、Abraham Willet (アブラハム・ウィレット)とルイザ夫人が暮らした19世紀の富裕ディレッタント(趣味人)の生活ぶりを再現している。
Abraham は裕福な趣味人の医者の子息で、法学を学ぶが、結果的には遺産で、アート・コレクターとして暮らしている。ウィレット・ホルトハイセン夫人こと、Louisa Holthuysen(ルイザ・ホルトハイセン)も裕福な石炭・ガラス業者の一人娘として、やはり、文化的な環境で育つ。1855年に彼女の父親がこの屋敷を購入して、その後両親が亡くなるので、彼女がここを相続し、アブラハムと結婚する。
夫妻は、屋敷を流行のフランス様式に改装し、アートやアンティークの収集、旅行、観劇やオペラ等々、当時の「Good life」を満喫している。
実際には、ここの内装は20世紀後半の博物館時代に、その当時の「モダンな展示」な概念に沿って全面的にシンプルに改装されてしまっていた。なので、完璧には夫妻の暮らした状態が保存されているのではないそう。現在は、より本来あった状態に戻すべく、調査・改修が続けられているのだとか。

Museum Willet-Holthuysen
Men's Parlour(紳士方の応接室)と呼ばれる部屋。
Parlour(パーラー)というのは、正式にお客さんを迎える部屋。
前回の標本箱で出てきたDrawing room(ドローイングルーム)は、
もっとくだけた「居間」という感じ。

Museum Willet-Holthuysen
ここで、アブラハムがコレクター仲間にレクチャーを催したり、
新たにコレクションに加えられた作品を展覧する部屋として使われていた。
現在展示の絵画の一部は、実際に夫妻のコレクションだったものだが、
インテリアは当時のイメージで仮に、コーディネートされたものなのだとか。
当時、この部屋はグリーンに彩られていたことが記録されており、
調査を待って、その状態に順次再び修復される予定。

Museum Willet-Holthuysen
ここの絵画コレクションには犬・猫のペットを描いたものも多い。
ルイザ夫人が一人っ子だったため、幼いときから犬が友達だったそうで、
旅行の際にも犬達も同伴だった。


この部屋の余談を少し。
この博物館、夫妻がアートコレクターだった背景を踏襲して、現在でも現代アーティストの作品を折々コレクションに加えていっているそう。件のPおじさんにも、90年代にこの博物館から、この屋敷の一部屋をテーマにして、箱アートを制作する依頼が入った。
当時、もっとシンプルな18世紀風パネリングで覆われていたこの部屋をモデルにして制作に取り掛かったら、この部屋自体が重い19世紀様式の青壁紙と金フレームの部屋に改装されてしまった。
このコテコテ19世紀様式は、Pおじの美意識にとても反する(私は19世紀コテコテ好きだけど・・・笑)、で、どうしても製作中の箱を改装に合わせて変更する気になれない。
そこで、ひりだしたPおじらしいひねくれた解決策が、作品の部屋のシンプルなパネリングの角が一部はがされて、この濃い青の壁紙が下から見えている、そこに、ミニチュアのスカフォルディング(足場)も付け足されて、「ウィレット・ホルトハイセン博物館の改装中の部屋」ということにしたのだとか。
現在もこの博物館のどこかに、Pおじの作品も保管されいて、なにかテーマが合えば、展示されている可能性もアリ、なのだとか。
この部屋自体、上にも書いたように、夫妻の生活していた時には「緑の部屋」だったという記録が出てきたようで、この部屋も再び改装を待っている状態。
それにしても・・・オランダの博物館(ここは現在アムステルダム博物館の傘下に併合されたとか)予算持ってるのだなぁ・・・と、ちょっと感心。


Museum Willet-Holthuysen
ダイニング・ルームは小物が多いので、中には入れず、ガラス越しに拝見。
この部屋、他の部屋に比べて天井が低いのだが、それは、
この部屋の天井と上階の間に倉庫スペースが採られていて、
余分のダイニングセットや、陶磁器のコレクションが収納されていたからだそう。


24人用全275ピースのマイセン焼テーブルセットから、
6人用のセッティングで展示されている。

Museum Willet-Holthuysen
壁際のディティール。

Museum Willet-Holthuysen
話は、下階に飛んで、そのダイニングルームを支えるキッチンの様子。
これはキャビネットの中で、使用人チーム用(?)をイメージした、
カジュアルなカントリー・スタイルのセットが収められている。
この日スーパーワイド・レンズを持ってなくて、キッチン撮りそこなった。
なので、以下の全体像は博物館のサイトから借り物。


photo by Museum Willet-Holthuysen
キッチンは使用人チームの仕事場であり、生活の場。
この屋敷に、結婚するまで同居していたルイザ夫人の友人女性の他に、
夫人付きメイド、その他全般用メイド、コック(彼はとりわけ地位・給与が高い)、
フットマン(従僕)、コーチマン(車夫)など、
少なくとも5-6人のチームで、夫妻の華やかな生活を支えていた。

Beeld Museum Willet-Holthuysen
photo by Museum Willet-Holthuysen @Flickr
現在のキッチンは、18世紀後半の他のアムステルダムの屋敷から移築されたもの。
この屋敷のオリジナルの部分は、タイルのみだそう。
夫妻の時代には、前回のファン・ローンにあったような、
当時ハイテクの多機能大型オーヴンが導入されていたはず。

Museum Willet-Holthuysen
壁のタイルの鳥かごが可愛い^^。

Museum Willet-Holthuysen
キッチンから庭に出る廊下部に掛けられた、夫妻のポートレート。

美しいフランス式庭園の庭にも出れるはずなんだけれど、雪と寒さで断念。
再び借り物写真。

WH 9327
photo by Museum Willet-Holthuysen @Flickr

Museum Willet-Holthuysen
その庭を見渡すガーデン・ルーム。
この部屋も後年の安易なメンテナンスで白っぽく塗りつぶされてしまっているけれども、
オリジナルの淡いグリーンのフレームワークに、空を描いたトロンプイユ天井画が修復予定。
椅子やカーテンも、オリジナルに近い花と鳥のモチーフに置き換えられる。

Museum Willet-Holthuysen
椅子のディティール。

Museum Willet-Holthuysen
ガーデンルームから廊下側を見たところ。
この廊下も真っ白に塗りこめられていたところから、壁画が修復されていった。

Museum Willet-Holthuysen
Women's Salon(ご婦人方のサロン)と呼ばれるこの部屋は、ホールを隔てて、
最初の青いMen's Parlour(紳士方の応接室)の反対側。
ここはルイザ夫人の応接室的なる部屋。
ファブリックを保護するために遮光されているところに、
冬の曇り日だったので、この部屋とにかく暗い。
手持ち撮影が難しくて(夜景より難しいって・・・どうよ)また借りてきた。


photo by Museum Willet-Holthuysen
夫のアブラハム同様、もしかしたら、それ以上の資産を自由に使える立場のルイザ夫人。
夫と全く対等の関係なのが、彼女自身の応接室を持っていることから推測できる。
これ、女性の理想ですね(笑)。


photo by viewonretail.blogspot.com
ここも、全面的に大修復予定中だそう。

Museum Willet-Holthuysen
ボールルームのディティール。
1865年に夫妻によって、二部屋続きの大社交室に改装された。


photo by Museum Willet-Holthuysen
実はこの2室でコンテンポラリー・アート(と、思われる)
椅子を使ったインスタレーションが展示中だった。
部屋の写真を撮りたいのに、超迷惑(コンテ大嫌い・・・笑)。

Museum Willet-Holthuysen
夫妻の寝室。
これももともとは現在コレクション展示室になっている、
隣の部屋にあって、この部屋自体は図書室だった。

Museum Willet-Holthuysen
ルイ16世様式のベッドも「このようなものだったはず」として、導入されたもの。
4ポスター(4柱式)ベッド・・・、に見えるけれど、実際は6ポスターで、
ベッドはダブルではなく、ツイン。

Museum Willet-Holthuysen
コレクションルームは、当時は「アンティーク(骨董)室」と呼ばれていて、
アブラハムが、親しいコレクター・鑑定家仲間に、
小型で高価なコレクション類を展覧するための部屋。

Museum Willet-Holthuysen
この部屋は他の部屋とは全く趣を変えて、
オランダ・ルネッサンス様式にデザインされている。
2012年の秋に修復改装を完成させたばかり。
カーペットと、壁や椅子のファブリックが、19世紀の頃に忠実な物に復旧された。

Museum Willet-Holthuysen
ステンドグラスと、雪の庭。

Museum Willet-Holthuysen
この階の階段ランディングの彫像。

Museum Willet-Holthuysen
博物館コレクションの展示室から、19世紀にKaspar Karsenの描いた、この屋敷の外観。

The studio in the Willet-Holthuysen's villa at Le Vesinet - Coen Metzelaar(1845-1887), 1880
Le Vesinetの別荘・コレクション室のウィレット氏
Coen Metzelaar 1880年

Cabinet of Curiosities - Johan Georg Hainz (1630-1688) c.1666
Cabinet of Curiosities(キャビネット・オブ・キュリオシティーズ)
Johan Georg Hainz 1666年頃。

Interior with cats - Louise-Eugeen Lambert(1825-1900), third quarter 19th century
猫のいる室内 Louise-Eugeen Lambert 19世紀後半。
これはあきらかにルイザ夫人のコレクション^^。

Museum Willet-Holthuysen
階段の下階。

Museum Willet-Holthuysen
最後は博物館入り口。

ここのサイトはヴィジュアル・ツアーのページがあって<このページ>、
いながらにしてお屋敷拝見できる。
残念ながら解説やフィルムはオランダ語のみだけれど・・・。

Museum Willet-Holthuysen
(ウィレット・ホルトハイセン博物館)

Herengracht 605

開館:月~金10:00am~5:00pm、週末と祭日11:00am~5:00pm
閉館:女王(国王)誕生日:4月30日(2013年)、4月27日(2014年以降)
(今年の4月で現ベアトリクス女王の引退が決定したので、来年から
新ウィレム=アレクサンダー国王の誕生日を新祭日とすることになった様。)
クリスマス:12月25日、新年:1月1日。
Remembrance Day(終戦記念日)5月4日 2:00pm閉館。

大人€8、6-18歳€4、6歳以下無料。
Stadspas, I amsterdam Card, I amsterdam Congress Card,
Vereniging Rembrandt, ICOM, Museumkaart, holland Pass voucherで、無料。
Holland Pass, CJP, Cultuurkaart, ISIC, ITIC, IYTCで、€6、
オーディオ・ツアー・レンタル €3

地図:

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Van Loon Museum(ファン・ローン博物館)

今回はまともに写真中心でVan Loonミュージアム(あぁ、またこれを「ファン・ローン」と読んでカナ表記することはググってみて、初めて知った。「ヴァン・ルーン」と英語読みで一生押し通すところだった・・・。)

ここは、1672年に建造されたこの邸宅は最初、レンブラントの弟子の画家、Ferdinand Bolの家だった。
博物館名のファン・ローンは、ここを1884年以降所有していたファン・ローン家に由来する。
この一族は17世紀のオランダ東インド会社設立メンバーの、Willem van Loon(ウィレム・ファン・ローン)の子孫の富裕市民で、19世紀には貴族階級に列して、この屋敷に住んだThora van Loon-Egidiusは、19世紀末から20世紀中までオランダ女王として君臨した、Wilhelmina(ウィルヘルミナ)女王付きの女官を務めていた。そのような由来から、17世紀のオランダ黄金時代の肖像画も多数所有されている。
インテリア自体は、18世紀の改装の状態が保たれていて、基本的にロココ様式。

イギリスだとこういうタイプのお屋敷は「ナショナル・トラスト」の傘下に吸収されることが多いけれど、ナショナル・トラストのないアムステルダムでは、この規模の「小さな博物館」がいくつか存在している。
その中でも、この博物館は「開放度」が高くて、いくつかの部屋は、中を自由に歩き回って見てまわれる。
椅子にはロープが張ってあって、座るな、ということなんだけれど、それ以外はまるで知人の家の「お宅拝見」状態。オランダのミュージアム全体に「常設展はストロボなしの撮影OK」のポリシーといい、このごちゃごちゃいわないオープンさが、私のオランダ贔屓の所以かもしれない。(隣なのに、全然キャラが違うのが、ベルギー。Bruges/ブリュージュの街は二度と行かん・・・笑)。
閑話休題、イメージ行きます。


Museum Van Loon
Blue Drawing Room(青のドローイングルーム=居間)
Drawing room の語源はWithdrawing room(引きあげる部屋)で、
17世紀上流階級で、食後「引き上げる」部屋という意味合いで使われ始めた言葉。
ダイニングルームやパーラーが正式の「社交の場」だとしたら、
食後家族と親しい友人などで「まったり」するのがドローイングルーム。
転じて、現在の「居間」のようなもの、となった。

Museum Van Loon
この部屋でお見事なのが、ドアの上のスタッコ(漆喰)レリーフ。
ロココ様式の、愛らしい天使。

Museum Van Loon
階段ホールを挟んで向こうは、ダイニングルーム。

Museum Van Loon
ダイニングルームは全体に、黄色でコーディネートされている。

Museum Van Loon
木製地のままのシャンデリア。
現代人の目には、このままでステキ度高いのだけれど、
19世紀には金箔貼りだったのではないのかな・・・と、これは想像。

Museum Van Loon
ダイニング入り口側のキャビネットの中に収まってていた、
マイセン焼のおボンボン達のパーティー。

Museum Van Loon
階段ホール。

Museum Van Loon
下の地階には、キッチン。

Museum Van Loon
19世紀には最新ハイテクだっただろう、大型の石炭オーヴン。
で、オランダのキッチンではおなじみの、デルフト焼タイル。

Museum Van Loon
この日はいいお天気で、日差しが眩しい。

Museum Van Loon
グランドフロアの入り口階段ホール奥の、ガーデン・ルーム。

Museum Van Loon
ここの、甘い爽やかな色合いは、いかにもロココ様式。

Museum Van Loon
ヘッジで区画したフランス式(幾何学式)の庭。
その奥に見えるネオ・クラシカル様式の建物はコーチ・ハウス(馬車庫)で、
裏の通りに面している。
地階のキッチン横のクローク・ルームの出入り口から、庭に出ることができる。
数年前ここに来た時には、ここで飼われている(?)愛想ものの猫がいて、
肩から頭によじ登って降りてくれなかったことがあった。
いまだに庭の出入り口には「猫を中に入れないで。」の注意書きああるけど、
今回はこの雪のせいか、お目にかからなかった。

Museum Van Loon
日本語式の2階にあたる、赤のドローイングルーム。

Museum Van Loon
の、見事なシャンデリア。

Museum Van Loon
ガラスキャビネットの中の、ミニチュア・ポートレート。

Museum Van Loon
同じ2階のフロアのDrakensteyn Room(ダラケンスティン・ルーム)。

Museum Van Loon
この部屋の「見物」は、この手描き装飾パネルで、Jurriaan Andriessen (1742-1819)の作。
オランダ18世紀には部屋のパネリングに、風景画を描かせることがとても「トレンディ」だった。
このパネルを描いたAndriessenは中でも、人気の画家。
これらのパネルは、もともとこの部屋にあったものではなくて、
ウィルヘルミナ女王が戴冠前に住んでいたダラケンスティン城から、
Thoraと女王との関連性から、1970年代に博物館兼住居としてこの屋敷の一部を公開していた、
ファン・ローン家の当代Maurits van Loon博士が取得したもの。
Drakensteyn Roomと呼ばれるのも、このパネルに由来してのこと。
2009年に修復されて、現在に至る。
(この辺の話は<このページ>に英文で。)

Museum Van Loon
その先のベッドルーム。

Museum Van Loon
この「コテコテ」エキゾティックなChintz(チンツ)プリントと、
重厚なチーク系の家具は、19世紀のテイストが多分に入っているような。

Museum Van Loon
マスター・ベッドルームはキャノピー(天蓋)付きで迫力。

Museum Van Loon
その隣のこれは、子供部屋。

Museum Van Loon
最上階の階段部。
手すりの見事なbalustrade(バラストレード、又はバラスター)が、
アールヌーヴォー期のもののようだけれど・・・ウラはとってない。

Museum Van Loon
階段を降りて、入り口ホール側をみたところ。
ここにも17世紀のご先祖の肖像が。

Museum Van Loon
入り口ホールのロココ様式のミラーに映りこむのは、
17世紀のWillem van Loonの肖像(その横は奥さん・・・かな?)
その下には家系図が。

Museum Van Loon
博物館正面。


Van Loon Museum(ファン・ローン博物館)
Keizersgracht 672, 1017 ET Amsterdam, Netherlands

開館:火曜日以外毎日11:00am~5:00pm
他、女王(国王)誕生日:4月30日(2013年)、4月27日(2014年以降)
(今年の4月で現ベアトリクス女王の引退が決定したので、来年から
新ウィレム=アレクサンダー国王の誕生日を新祭日とすることになった様。)
クリスマス:12月25日、新年:1月1日も閉館。

大人€8、学生€6、10人以上のグループ各人€6 6-18歳€4、6歳以下無料 
Museumkaart, Stadspas, IAmsterdam City Card, ICOM 無料
特別展会期中は、€2追加料金。

地図:

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Amsterdam(アムステルダム)界隈 鉄道メモ

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-18 Mon 10:00:00
  • 日記
今回の標本箱は、アムステルダムの鉄道の、自分用の覚え書きメモ。
なかなか効率的にできている街なので、なんでもNetで調べられるし、地元の人は皆英語話すし便利なんだけれど、なにしろよその地域のこととて、ロンドンとは勝手の違うこともあり・・・、次回(いつのことやら?)に備えて記録しておこうと思う。
万一、サーチで見つけて参考にする方のために・・・、この記事は2013年1月の話ですよ、と、断っておこう。

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*2015年1月追記: 例年この時期にアムスを訪れて2年目。どうやら、2014年に公共交通のチケットシステムが大幅に変更された様子。
大きな変化は、チケットすべてにチップが導入されたこと、これにともなって・・・、
1/ すべてのチケットは、タッチ・イン、タッチ・アウト式で、駅の出入口にあるスタンド・バーのピンクのパネルにタッチすること。(駅に入るとき、駅から出るとき、どちらも。)
2/ ローカルな駅の券売機でも、世界各国のマスター/VISA・クレジットカードが使えるようになったこと。(ただし、一回購入につき1ユーロの追加課金。)
3/ 前売りチケットのシステムがなくなって(長距離便にはあるのかも・・・?これはローカル路線の話)、当日購入のみになった。
余談で、以下の話にでてくる、軍か警察のようなコワモテ検札員達は今回見かけなくて、車掌さんがチップ・リーダーを持って検札に回ってきただけ・・・、和やか(笑)。

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アムステルダムは「I amsterdam Card」という、一日交通乗車とミュージアム入場等がフリーになるパスを派手に売り出している。<価格・現地での購入先は、英文でこのページ>。
アムステルダム市内に3日滞在して、主にミュージアムを見て回るなら、これはおトクかも。いちいち切符買わなくていい、っていう便利感も値段のうちだし。

今回私の場合は、初日にアムス半日だけで、最終日はHaarlem(ハールレム)、中2日はNaarden(ナールデン)のフェア会場で撮影とお手伝い・・・のつもりだったので、「パス」のことは一切考えにない。
なので、まずSchiphol(スキポール)空港の鉄道駅で、予定のわかっている初日のSchiphol>Amsterdam Centraal>Bussum-zuid(ホテルのある駅)のチケット、最終日Bussum-zuid>Haarlem/ Haarlem>Schipholのチケットを窓口で買った。オランダ語では発音できないので、駅名は紙に書いて渡した。
窓口で買うと、自動券売機で買うより、0.5ユーロ余分に手数料がかかる。そして窓口が混んでいる場合が多い、ともいう話で、その場合は券売機にタックルするつもりだった。が、窓口ガラスキだったので、窓口の方が早かろうと・・・。

3日目、撮影以外大して役に立たない私は、「アムス行ってらっしゃい。」とPおじに送り出される(Pおじの親心さんきゅー^^)。
ここで初めて、Bussum-zuidの駅で券売機にタックル(窓口なし、駅員なし)。基本的には簡単なんだけど、「え゛~っ」だったのが、小銭しか使えないこと。 地元民はロンドン・オイスターのようなチップ・カードを使っていて、オランダのデビット・カードなら券売機で使える、しかしオランダ外カードは不可。(アムス・セントラルやスキポールでは、オランダ外発行の、マスター/VISA・クレジット・カードが使える機種もあり。AMEXは、どこでもぜんぜん使えない。) これは、世界中のクレジットカードOK、ポンド札OK、のUKとは大違い。
幸いホテルが駅前だったので、フロントで両替してもらってチケット購入。


券売機は目立つので、見つけやすし。タッチスクリーン式。

ns-ticket-screen
英語選択ができる。
左から、片道・往復等チケットの種類、乗る駅・行き先駅、1等か2等か、割引適応か、
当日券か前売りか、何枚(何人)買うのか、支払い方法、をスクリーン上で選択。
コインで買う場合、お釣りはコインで出てくる。


チケットは現在こんなデザイン。意外と薄くてペナペナ・・・、


なのは、ゲートを通さなくていいから・・・のよう。セントラル駅にのきなみ改札ゲートがあるのだけれど、あきっぱなしで、チップ・カードの乗客はタッチしているけれど、チケットを通している様子はない。
郊外駅にはゲートなし。ただし、ロンドンより全然コワモテの、いかつい乗車券検察官がドヤドヤ乗り込んで来て、検察する。この人達、超迫力なので、無賃乗車はかなり無謀とみた。

前売り券を券売機で買った場合、日付はチケットには出ないので、乗る日に駅のホームか階段にある、黄色いスタンピング機で日付を入れること。(これをしてないと、これまた無賃乗車扱いになる。)これはフランスとよく似たシステム。


スタンピング機

肝心の列車タイムテーブルは、NSトラベル・プランナー<このページ>で、詳しく調べられる。


こんな感じで・・・、
発着プラットフォームと、その列車の行き先が表示されるのが便利


ちなみに、ロンドンのターミナル駅、どのプラットフォームに入るかは直前まで、誰にもわからない・・・なんてこと日常茶飯事。その代わり・・・なんだろうか、ロンドン・ターミナルには、大きな全プラットフォームの発着表示ボードが出ていて、皆この下で待っていて、乗る予定の列車がどのホームに入ってくるか確認する。
これが・・・アムス・セントラル駅にはない!!?? あるいは、知らなかっただけかもしれないが。
これでちょっと不便した話は、またのちほど。
ネットの話の続きで、これだけきちんと値段まで出るんだけれど、またしても・・・オランダのデビットカードでしか購入できない。 これはたいていRailEuropeで、世界のクレジットカードでチケットが買えるフランスと大違い。(Rail Europe見てみたけどオランダ入ってなかった・・・Dahhhh。)
RailEuropeだとE-チケットをプリントアウトして、持って行くことができる。
UKの鉄道は、E-チケット方式がないので、UK内住所にチケットを送ってもらうか、駅の券売機で購入したクレジット・カードと、メールで送られたコードを入れて、チケットをプリントして使う、のだった。

で、「全プラットフォームの発着表示ボード」がないと、なぜ不便か・・・。
今回、寒波・積雪で、列車は特別ダイヤで運行していたもよう。調べていった通常ダイヤのプラットフォームからは発着していない(この場合後で分かったのは、10a/b、 11a/bのどれかから発着、という状況)、行き先も変更、時間も多少遅れている、とまぁガタガタ。
こんな程度、UKの列車乗ってりゃ日常茶飯事なので驚かないけど、どうやって、現状の発着情報を駅で見つければいいのか・・・が、解らない。
周りの人に尋ねたら「アナウンス聞くしかないから、アナウンス待ってる。」そう。で、そのアナウンスはオランダ語のみ、さんきゅーそーまっち・・・(笑)。
いまどきの男の子がiphoneで調べてくれて、「あ、11bホームに次入るのに乗りな。」と教えてくれた。だんくう゛ぇーる。どこかにオランダ人だけがわかる、現状発着状況のページかAPPがあるとみた・・・。
ホームには、こんな感じで列車情報表示が出て、大体の発車ホームは決まっているようなので、それでもなんとか解るのだろうかね。

Amsterdam Centraal Station
photo by björn hornemann @Flickr


そして、セントラル駅はなっがーい駅なので、同じホームでもaと、bとに真ん中で分かれている。これまた、最初ややこしかった。


この左側(南側駅正面入り口から入ったところ)のコンコース通路が、aとbとの分かれ目で、ここから入ると、どちらの列車情報表示も確認しやすいとわかった。(a bそれぞれのエスカレーター上がり口に、列車情報表示が出ている。)

Amsterdam Centraal Station
By Peter uit Haarlem @Flickr

Amsterdam
夜のアムス・セントラル駅正面入り口


追記:Haarlem(ハーレム)からSchiphol(スキポール)空港に向かう時の覚え書き
1時間に4便あるけれど、いずれも途中Amsterdam Sloterdijkアムス/スローテルダイク)駅で乗り換える。この駅で、Schiphol方面へは、プラットホーム10か、11からの発車。プラットホーム9/10は、実は別のライン駅で、メインの駅を出て、左に100m歩くと着く。
それって、知ってる地元民はいいけど、プラットホーム10探していったら、たいてい乗りのがす(私だ!!)。NetのNSトラベル・プランナー(上記リンク)で設定の、7分で乗り換えは、荷物があったら難しい。
乗り逃したら、次のSchiphol行きは、Plat-11から。これまた、元のメインの駅の中にあって、歩いて戻る。
最初から、Plat-11で乗り換える、タイムテーブルで行く方が省エネ。

駅とチケットの覚書はこれぐらいで、次は荷物ロッカーの話。

ロンドンはテロ対策で、荷物ロッカーは極端に少ない(ないかもしれない?見たことない)。その代わり、たいていのロンドン・ターミナル駅には「荷物預かり」がある。人がアテンドしてセキュリティー・スキャンするので、割高で、一日8.5ポンドぐらい取られたと思う。
オランダはその点、テロ・ターゲットの国ではないからか、呑気な荷物ロッカーがあって、とても助かる。(10何年ぶりに荷物ロッカー見て新鮮だったともいう・・・笑)。
着いた初日に、アムス・セントラル駅で、最終日にHaarlem(ハールレム)の駅で利用した。
この使い方が、ちょっと面白かったので(?)記録しておく。

アムス・セントラル駅の荷物ロッカー・エリアは、上の駅地図でいうと、一番右下のグレイの辺り。つまり駅の南東の端にある。
ちなみにハールレム駅では、5番(だったと思う・・・)プラットフォームの東の果て。ちゃんとダイレクション表記はあるけれど。


luggage locker in AmsterdamCS IMG_0837luggage locker in AmsterdamCS IMG_0838

photos by nkichi@Flickr


この荷物ロッカー、コインは使えないので、コイン・ロッカーとは呼べない。その代わり、クレジットカードで清算する(セントラル駅とハールレムでは、オランダ外カードが使えた。しかしAmex以外)。
ロッカードア右の四角が、赤だと使用中で、緑が「空いてる」。空いたロッカーに荷物を入れて、ドアを閉めると、それでもう「使用中」になってロックされる。(どんなもんだか、試しに閉めてみたりせぬよう・・・笑)
ロッカー左右各2-3列の中央に、支払いポイントがある。そこに、今入れたロッカーのナンバーが出て、「クレジットカードを下のスロットに入れろ」と出る(英語の選択もあり)。
で、カードを差し込んで暗証コードを、その下のタイプ・キーで打ち込んで、緑のOKキーを押す。
すると、キー代わりの「バーコード付きチケット」が、一番下から吐き出されてきて、手続き完了。 カードを抜く。

Station locker ticket
キー代わりの「バーコード付きチケット」


このチケットのBetaalpuntのナンバーが、支払いポイントのナンバーで、Kluisのナンバーがロッカー自体のナンバー。ロッカーのドアには37-12・・・というように表記されている。
ロッカーを開けるのは、このバーコード面を上にして、一番下のチケットが出てきたスロットに差し込むと、ロッカードアが開く仕組み。
右はアムス・セントラル駅で5ユーロ、左はハールレム駅で3.75ユーロ。どちらも大(90x60x40cm)・小(90x45x40cm)あるロッカーの小さい方を使った。ロッカーエリアは7 am – 11 pmオープン。
NSのページ(<このページ>英文)に、大小のロッカーサイズ等のインフォが載っているが、料金更新してないだろう・・・君ら。で、料金が明確に調べられないけれど、大きい方で7.5ユーロだったと思う。
これは、24時間預かりの値段で、追加料金で72時間まで預けられる。万一それを越すと、クレジットカード登録アドレスに着払い送付・・・の手続きに回されるようで(オランダ外であろうが)、そこから荷物回収するのに、えらい手間とコストがかかるそう。チケット紛失の場合は10ユーロ追徴金。

以上、今回のミニ旅行の経験の記録でした。

次回は、まともにヴィジュアル系コンセプトに戻って、アムステルダムの「お屋敷博物館」の一つ、Van Loon Museumのイメージを。













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冬のAmsterdam(アムステルダム)の街 -2-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-15 Fri 10:00:00
  • 場所
今回もアムステルダムから、冬の街のイメージ。

本題の写真の前に、今回始めて知って、けっこう「目ウロコ」だったこと。
オランダの正式名称はNetherlands(ネーデルランド)だったってこと・・・知らなかったよ。
日本語だと「オランダ」だし、それに匹敵するHolland(ホランド)が国名だと、なーんとなく思っていた。
今回のフェアの関連で、PおじのBlurb本を発注して、オランダのフェア・オーガナイザーに納品する手配をすることがあって、住所のあと国名をドロップダウンから探すも・・・Holland見つからず。
よーく、よーくAから順番に見ていくと、Netherlandsの表記を見つけた。
今回「どっちが国名?」と、Pおじに尋ねたら、「Holland(ホランド)はEngland(イングランド)みたいなもんで、中心部地域の名称だけれど、国全体の呼称はUKだったり、Netherlands(ネーデルランド)だったりするわけだ。」と教えてもらった。
どうやらホランドはアムステルダムのある一行政区の名称で、南・北ホランド以外にUtrecht(ユトレヒト)、Zeeland(ジーランド)などなどの州が合わさって、Netherland(ネーデルランド)と呼ばれる国を形成しているのだった。<図解
ちょうど海外の人は、UKを一般に「イングランド」と呼んで手紙にも書くけれども、英人は「UK(連合王国)」か「GB(大ブリテン)」のどっちかで呼んで、一地域名の「イングランド」を国名に使うことはない、というのと同じ。(他に、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドがあるわけで・・・。)
こっちの方がびみょーな問題で、オリンピックでは「チームGB」とか言ってたけど、ネット上の国名表示ドロップダウンでは、たいてい「UK」で出てくる。(その昔、GBで探していつも見つからなくて、難議したことがある。)

ま、無知に由来する閑話休題。


Amsterdam
いいお天気の3日目。
中央駅から出てくると、Nieuwebrugsteeg(発音不可・・・笑)の角を曲がって南に向かう。

Amsterdam
その角の建物のデコラティヴなプラーク(飾りパネル)。
アムステルダムの古い建物の壁に、よくこういったものを見かける。

Amsterdam
何のためのものか・・・と思ったら、これらはHouse Name Plaque(屋号パネル)と呼ばれるもの。
その昔、通りには名前がなく、また番地もなかったので、住所は建物名で呼ばれるしかなかった。
なので、わかりやすいように建物名を記すプラークが、建物に付けられていたのだそう。

Amsterdam
これは17世紀前半の建物正面のGable(ゲイブル=切妻)の先端についている。
建造者の商人Jan-Frederik Mamouchetteと、
その妻Catherina van Heusdenの紋章を合体させたもの、なのだけれど、
Mamouchette側の紋章の「大鼻男」の由来は、明確ではないとのこと。

Amsterdam
Gable(ゲイブル)の語が出たら、ご本家Dutch Gable(ダッチ・ゲイブル=オランダ型切妻)
の話を書かずにはいられない・・・。
この前Naarden(ナールデン)の町の話で、<このページ>crow-stepped gable
(クロウステップド・ゲイブル=階段状になった切り妻、)のことを書いたけれど、
このダッチ・ゲイブルの方は、ルネッサンス~バロック様式の
曲線的なカーブをえがいた、装飾的なファサード。
16世紀~17世紀にかけてのローカントリーズ(オランダ、ベルギー)に由来し、
ドイツやイギリスにも伝播しているもの。

Amsterdam
そして、Hoist(ホイスト=巻上げ滑車用の鋼鉄梁)があちこちに見られる。
カナル沿岸の建物の大半が、オランダ商船全盛期には、倉庫街だったことが伺われる。

Amsterdam
NH Doelenホテルのファサードに付いている・・・、

Amsterdam
装飾的な時計。

Amsterdam
University of Amsterdam(アムステルダム大学)の一部の建物で、
正面の建物はAcademic Club of the University(大学アカデミック・クラブ)のもの。

Amsterdam
その横のゲート上の装飾像が妙に陰気そう。
「あー、論文間に合わん・・・」「単位落としたかも・・・」なのだろうかね?

Amsterdam
これはアムステルダムの都市の紋章なんだけど、鳩フンにまみれて、ちょっと気の毒。

Amsterdam
アムステルダム(歴史)博物館のある、Nieuwezijds Voorburgwal通りの建物の、きれいな出窓。

Amsterdam
道に沿って南側のこの建物も、ディティールが端整。

Amsterdam
その、トラムの走る、Nieuwezijds Voorburgwal通り。
道がくねっている左側がSpui 広場で、

Amsterdam
Spui 広場には金曜日に本マーケットが出る(Boekenmarkt op het Spui
ただし大半がオランダ語書籍なので、ちょっと寒さとの損益分岐点割っていて、
ちょっとのぞいただけで、足早に博物館へ移動。

Amsterdam
アムステルダム(歴史)博物館から通りを隔てた、Marijnsteeg通り。

Amsterdam
その博物館から出てきた裏道Gedempte Begijnensloot。
た・・・建物が傾いている。
ホイストで上階に荷物を上げる際に、下階の壁や窓に当たらないように、
わざとファサードに傾斜をつける・・・と、聞いたことがあるが、
真偽のほどは知らない。

Amsterdam
その裏道で見かけた水道パイプ。
チラシが貼られているパイプに、水が漏れていて、それが凍りついたもの・・・。
と、説明しないとわからんでしょう。

Amsterdam
マーケットついでで、これは観光名所の花マーケット(Bloemenmarkt)。
こっちから見ている分には普通のお店だけれど、
裏から見ると実はカナルの上の水上に浮かんでいる建物。
カナル側のヴュー

Amsterdam
もうひとつついでに雪のWaterlooplein(ウオーターループレーン)マーケット。
これはちょうど、レンブラント・ハウス博物館の裏にあって、
日曜以外9時~6時でいつでもあいているマーケット。
ただし、観光客目当てのみやげ物多し。
いくつかのスタンドは、本物のガラクタ(うーん、なんて奇妙な言葉)を売っている。

今回は最終日・土曜日にどうしてもHaarlem(ハールレム)に行きたかったので、
そして、ガラクタ市でかさばるものは買えなかったので、行かなかったけれど、
土曜(9~5時)、月曜(9時~2時)にアムステルダムにいるなら・・・、
一番おススメのマーケットが、Noordermarkt flea market(ヌーダマルクト・フリー・マーケット)。
昔私は月曜にいったと思うけれど<ここのサイト>には、土曜日の情報しか出ていない。
土曜日の方が大規模ってことなのだろうか・・・。
月曜日はテキスタイルのマーケットと合体していたように覚えている。

Amsterdam
寒いマーケットのイメージの後は、暖かそうなRokinのカフェのウィンドウ。

Amsterdam
そしてウィンドウからのぞいた、ギャラリー犬達。

なんだか、前回もそうだったけど、アムステルダムは自分にとって落ち着ける場所。
ロンドンの次に「なじめる街」という気がする。
買い物や「モノ」のリサーチはパリで、住むならロンドンか、アムステルダムといった感じ。
また、ぜひ訪れる機会があったらいいのにな・・・。


次回は、アムステルダム界隈の鉄道の、自分用覚え書きメモ。


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冬のAmsterdam(アムステルダム)の街 -1-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-12 Tue 10:00:00
  • 場所
タイトルに思わず「冬の」と但し書を付けるぐらい、「冬」っぽい写真を撮ってきた。

数年前の4月に、ホリデーで一週間アムスに滞在したことがある。その時も雨がちで、寒くて、「アムスは確実にロンドンより寒い・・・。」と思ったけれど、今回で確信。 2-3度確実にロンドンよりか寒い。
緯度もやや北だし、なんといってもヨーロッパのセントラル・ヒーティング、こと、メキシコ湾流は、英仏海峡のイギリス南岸までしかとどいてないんだろうな・・・。


Amsterdam
カナル風景。(といっても・・・どこを撮ってもカナルか・・・)

Amsterdam
凍ってる、凍ってる、なんだけど、これは「融けかけ」。
アムスから帰ってきたら、Pおじが「スケートしとったか?」と尋ねる。
例年、そ・・・そんなに凍るんですかい?

Amsterdam
カナルに立つ鳥たち。

Amsterdam
こういう凍てつく空気はロンドンではあまり目にしない。
氷点下で、日が差すと光が違って見える。

Amsterdam
ロンドンから午前中のフライトで到着して、これはその初日の午後に散策していた時。
この日はまったり曇り空。

Amsterdam
なので、写真もメリハリがでない。
この初日はミュージアム2つ周ったら、とっぷり日が暮れた。
夜景を撮っていたら、-6℃ぐらいまで気温が下がる。
気分的には平気なんだけれど、出先で体調を崩すとまずいので、ほどほどに切り上げて、
フェア会場ナールデンのひとつ先の駅前に、予約していたホテルに退散。

Amsterdam
2日目は朝からPおじのフェア会場を撮影。
途中ナールデンの街中を見て周った後、再びフェアに合流。
このピッカピカのお天気は、3日目。
3日目「フェア手伝おうか?」とPおじに申し出るも、全くオランダ語解らず、
いまいち役立たずのフォトグラファーは、「アムス見てらっしゃい。」と、放逐される。

Amsterdam
放逐されてよかった、この日は撮影日和。
街の風景のみならず、訪れたミュージアム(主に「お屋敷」ミュージアムのインテリアを撮りに行っていた)でも、
いい撮影が出来て大満足。さんきゅー、Pおじ。

Amsterdam
前の写真と、この写真は街の中心地Amstel(アムステル)のあたり。
カナルを隔ててNH Doelenホテルと、Munttoren(ムントトーレン)が見える。

Amsterdam
これも有名なOude Kerk(Old Church)。
実はまだ中を見たことがなくて、マイナーなお屋敷博物館回っていたら、
また今回も入りそこなってしまった・・・。

Amsterdam
いわゆる「繁華街」のSpui~Rokinエリア。
アムスに泊まっていたわけではなくて、鉄道で中央駅から、
目当ての博物館に向かって行き来していたら、街の中心部はほとんど通らず、
いわゆる「Red Light District」こと、「飾り窓のお姉さん街」ばっかりうろつくはめに(笑)。
これは珍しく繁華街Rokinエリアに出てきたところ。

Amsterdam
その後晩ごはんを食べるべく、やっぱり・・・Red Light Districtに向かっている。

Amsterdam
まだ夜も更けていないので、ロンドンのディープ・ソーホーや、
大阪の東通り商店街を闊歩していた街の子にしたら、
「え?何か?ふーん。」っていう感じの、フツーの街並み。

Amsterdam
目指していたのは、Tibet Restaurant(チベット・レストラン)。
ここで、ギョーザのようなダンプリングを食べるつもりだった。
寒い日だったので、店の前に貼ってある写真の「汁麺」状のものに突然心動かされ・・・、
出てきたメニューの「すっぱチリ辛い汁麺」(すっぱチリ辛いもの大好物)をオーダーした。
一口目は「美味いっ」しかし、食べるごとに拷問のようにチリ辛くなってきて、
涙目で鼻をかみながらも完食(さすがに汁は飲めず)。
そのあと、口内地獄を緩和するべくアイスクリームをデザートに食べて、
結局、ふたたび程よく体は冷える・・・。
当初の予定通りダンプリングにしとけばよかったんだ・・・。

Amsterdam
今宵も、しばらくはローライト撮影にいそしむ。

Amsterdam
といっても、カメラおぢさん達のように三脚なんぞ立てない。
高ISO設定で手持ち撮り。フォーカスは甘くて、画像荒れるけど、
ポスターにするわけじゃないんだから、いいんだ。

Amsterdam
飲み屋街。

Amsterdam
飲み屋。

Amsterdam
そしてまた、飲み屋。

Amsterdam
で、今夜も撮影は、ほどほどにして中央駅に向かう。
その中央駅のダイヤは寒波のために、ずいぶん乱れている。
初日の夕方、ホテルのある、アムス郊外Bussum(ブッサム)方面行列車の
プラットフォームが変更になったり、路線変更してたりでちょっと戸惑った。
(アナウンス聞かないと解らない、アナウンスオランダ語、その上ロンドンより駅員少ないってどうよ・・・。)
幸いオランダ人たいてい英語が話せるので、ホームで待ってる人に尋ねまわったら、
親切ないまどきの子がiphoneで、現状ダイヤ調べてくれた。
翌々日も臨時ダイヤで走っていたけど、もう要領がわかったので問題なし。


次回は細々した街のディーティールの様子など。
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Town House (タウン・ハウス)-Kotomi ジュエリー新作展示中

今回はお知らせのミニ標本箱。
去年のクリスマス前に、ロンドン、イーストエンドのSpitalfields(スピタルフィールズ)にあるアンティーク・ショップTown Houseで、Kotomiジュエリーを期限限定展示販売してもらった。(その時の様子は<このページ>)
評判がよかったので、オーナーのフィオナさんから「ずっと置いてみない?」と話を持ちかけられ、もちろん喜んで話に乗った。 初めてのセントラル・ロンドン進出^^。
先日、ネックレスのディスプレイスタンドを作っていたのは(その話は、作り方付きで<このページ>)、実はここのディスプレイ・キャビネットに、合わせてのものだった。
春ものの新作を中心に、作品を入れ替え、ディスプレイを済ませてきた。
今回はその速報。撮影が夕方になってしまって、自然光ナシ、店のスポットライトで撮っているので、いまいち色味が上手く出ないんだけど・・・。


New collction jewellery on display at Town House
以前のスタンドがない状態よりは、
「ジュエリーが展示されている」と、わかりやすくなった。

New collction jewellery on display at Town House
この水彩の質感は、ここのキャビネットと、
一緒にディスプレイされるアンティーク石膏オブジェにあわせてのもの。

New collction jewellery on display at Town House
実はフィオナさんも私にも「思惑」があって・・・、
このスピタルフィールドからショーディッチ(Shoreditch)にかけてのエリアは2月中旬に
ロンドン・ファッションウィーク・フリンジ系のホット・スポットになる。
なので、ファッション関連ディーラーの目に留まるのでは・・・的な甘い期待で(笑)、
大型ジュエリーを一挙に投入。

New collction jewellery on display at Town House
昨年は不景気からか、ジュエリーもあまり動かず・・・、
するとフツーは低価格帯のものに走る傾向なんだけれど、
ここでヘソ曲がりな自分としては、逆に大型化で価格帯の高いものを作りたくなってしまう。
で、作ってみた(笑)。そうしたら、少なくとも「展示」の場は与えられた、ということ。

New collction jewellery on display at Town House
このネックレスは、今一番の「お気に入り」で、自分でつけていたら、
「それをゼヒ」とフィオナさんにいわれて、納品するはめに。
自分用には、また作らなきゃな・・・。

New collction jewellery on display at Town House
この5つのフォーカル・ポイントのデザインは、
いかにもファッションハウスが好みそうなデザイン。

New collction jewellery on display at Town House
まぁ、大型のものばかりではなくて、2月14日のヴァレンタイン・デーのギフト用に、
小型の可愛いネックレスも納品。
ちなみに、UKではヴァレンタインデーは、男性が女性に再び貢物を課される日なのですよ。
女性から男性へのプレゼント?「ありえない」ですね(笑)。

ともあれ・・・、うちの子達にGood Luckなのでした。

Town House(タウン・ハウス)


5 Fournier Street, Spitalfields, London, E1 6QE
Tel: +44 20 7247 4745
オープン:火~土曜 11.30am – 6pm,


地図:

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次回は、寒い、さむーいアムステルダムのイメージ、そしてしばらくアムステルダム尽くしの標本箱になる予定。
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The Decorative Fair (デコラティヴ・フェア)2013冬フェア

話はLondonに戻って、アムステルダムから帰ってきた翌日、ナールデンのフェアと同時期に開催されているBattersea(バタシー)のThe Decorative Fairによってみた。
近頃時々商品撮影の依頼のあるJosephine Ryan Antiques(ジョセフィーヌ・ライアン・アンティークス)が出展していて、その他にも、何度か訪れているうちに顔見知りになったディーラーさん達の様子うかがい・・・と称して、写真を撮らせてもらうのが目的。

今回もオランダからGabyさんが来ていたけれど(というか、事情あって同時開催のナールデンのフェアと平行出展ができなくなり、バタシーをとったため、キャンセル状態になったナールデンのブースをペーターおじさんが引き継いだのだった)、Pおじさんがナールデンで単独出展しているので、今回のバタシーにはPおじさんの作品は持ってこなかったそう。それよりも、両フェア分、大量に持ち込むことになった大型家具類でブースは満杯。 それが、私の訪れた最終日には、わずか2点のシェルフ/キャビネットとテーブルを残すだけで、全部売り切れ。ブース壁は小型の絵画や壁掛けで、かろうじて穴埋め(なので、撮影はナシ)。「バタシーをとって大正解。」だったのだそう。

他のディーラーさんも、みんな忙しかったらしく、相変わらず大人気のフェア。


Josephine Ryan Antiques
Josephine Ryan Antiques
まずは、その、「写真撮りに来てー!!」と頼まれていた、ジョセフィーヌのブース。
今回の最大の商材は、18世紀フランスの薬局のキャビネットで、
このブースの3方向を「コ」の字に取り囲む、インパクトのあるディスプレイ、だったそう。
この最終日にはすでに売れてしまって、跡形もナシ。
撮影できなくって残念だったけど、
「あれが最終日に、まだ残っているというのはちょっとまずい・・・。」ということもあり、
いやぁ~、売れてよかった、よかった^^。

Josephine Ryan Antiques
穴埋めに、チェルシーのお店の方からミラーや、絵画が持ち込まれた。
この点、ロンドン内のディーラーさんはとっても有利。

Josephine Ryan Antiques
ラスティックな荷車に、ざくろとジュエリーをディスプレイする、
このコンビネーションのセンスが、ジョセフィーヌならでは。

Josephine Ryan Antiques
その、ディティール。

Josephine Ryan Antiques
キャビネットもまるでキャンバス。

Josephine Ryan Antiques
コーナーコーナーがすべて絵になる。

Josephine Ryan Antiques
新しく入荷のランタン。

Josephine Ryan Antiques
キャビネットの裏側には、暖炉と、ヘンリー・ムーアの限定プリント。

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Molly Hogg
Molly Hogg
これは、ジョセフィーヌのお友達で、アンティーク・テキスタイルを扱うモリーさんのブース。

Molly Hogg
アフリカ、南米、インド等々、世界中からのアンティーク/ヴィンテージ・ファブリックを中心に取り扱う。

Molly Hogg
インドの藍染。

Molly Hogg
刺繍のキャップ。
モリーさん現在新規Website準備中。
私も商品撮影でお手伝いすることに話がまとまりつつあるところ。

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Appley Hoare Antiques
Appley Hoare Antiques.
ジョセフィーヌのお店の数件先、同じチェルシー界隈のアプリーのブース。
彼女のフレンチ・テイストにも、マダム系のファン多数。

Appley Hoare Antiques
今回もよく売れて、毎日のようにディスプレイを変えることに。

Appley Hoare Antiques
この時はテーブルの上のグラス類に、まとまった引き合いが入っていて、
画面の左外側で、シリアスな商談進行中。

Appley Hoare Antiques
今回はこの、アンティークのガーデンラック(?、キッチンラック?、それとも八百屋ラック?)
のディスプレイが、目を引く。

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Fontaine
Fontaine
一転して、マーゲートのフォンテーヌのダークなテイスト、
おなじみの「キャビネット・オブ・キュリオシティーズ」。

Fontaine
ここは「奇妙な小物」に特化している、という定評なのか、
とにかく小物が売れて、売れて・・・だったのだそう。

Fontaine
このキャビネットの中には、剥製類。

Fontaine
あとは絵画がよく動いて、家具はいまひとつ、とか。
小物がたくさん売れる方が、楽でいいじゃない?なんて、私的には思うんだけどな。
(チカラがないので、ジュエリーデザイナーやっている人間の発想かな・・・。)
最終日に、家具も売れていたらいいのにね。

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Alex MacArthur
Alex MacArthur
今回のトリは、ブライトンのアレックスの、ここもマスキュリンなテイスト。

Alex MacArthur
このブースも売れて商材総変え、このダイニングセットは、
自宅ショールームで使っているものを持って来た。
「今、ウチにダイニングテーブルないの・・・笑。」だそう。

Alex MacArthur
これのシェルフも、自宅ショールームから追加投入。

で、フェアのオープニングの時の「完璧」なディスプレイは・・・というと、
ちゃんと、ヴィデオで公開されている。う~ん、なんてクールなんだ、アレックス。
(ちなみにこのヴィデオの後半に、アックスもちらっと登場。)

Alex MacArthur Battersea Jan 2013 from Sutchi on Vimeo.


この初日のディスプレイほぼ完売とは・・・いやー、驚いた。

_______________

次回の春フェアは2013年4月23-28日。

チケットを持たずに出かけると、(原則的に)入り口で£10(ぐらいだったかな?)をチャージされる。
しかし、入場料を払って入る人はまれで、<この頁>で登録すれば送られてくる、
入場無料E-メールをプリントアウトして持っていけば無料。
何枚でもプリントアウトして、持っていってかまわない。

the Decorative Fair
Battersea Park, London
late January, late April and early October.



View Larger Map



次回はミニ標本箱で、Supitalfields(スピタルフィールズ)のTown House(タウン・ハウス)で展示発売中の、Kotomiジュエリー新作コレクションの様子。そのあとまた、話は、さむーい、さむーいアムステルダムに戻る予定。
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Naarden (ナールデン)の町

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-04 Mon 10:00:00
  • 場所
Grote Kerk (Great Church)で催されている、Kunst & Antiek Weekend(アートとアンティークの週末)の、ペーターおじさんのブースを抜け出して、Naardenナールデン)の町を散策してみた。
前回も書いたけれど、ここは17世紀建造の星型要塞の町で、最初に地図で見たときにとても不思議に思ったところ。Google mapで見るとこんな感じで・・・、


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クリスマスですかね・・・、という印象。
Wikiによると、15世紀ルネッサンスのイタリアで、火器に対応して設計された構造なのだとか。
私は、ルネッサンス以前の11-15世紀のイギリス中世史が、かろうじて守備範囲なので、このあたりの歴史は専門外でよく知らないのだった。そして、<このページ>に世界の星型要塞リストがあるけれど(英文)、UKには極端に少なくて、スコットランドとのボーダー近く、英仏海峡に面してと、テムズ河口に2つ、それも、星型ではなくて、その半分にした形・・・みたいな不完全なもの。どうりでいままで見たことがない、と思ったわけだ。
イギリスは基本的に島国・天然要塞状態なので、コンチネント(大陸)側より(やや)物騒ではなかった、という歴史的背景なのだろう。(防衛より、攻撃の方で忙しかった・・・ともいえる。)
この複雑な構造がフォトジェニックかも・・・と実は期待していたのだけれど、正直言って、私のテイストではなかった・・・、ただレンガ造りの土手が続いているだけではちょーっとねぇ(笑)。
まぁ、起源は物騒な時代の、物騒な目的なのだけれど、今現在ではこじんまり・のんびりした郊外の町の佇まい、の方がフォトジェニックだったかな。


Naarden - Utrechtse Poort
Utrechtse Poort(Utrecht Gate、ユトレヒト・ゲート)が唯一今でも残っている、砦門。
もともとは17世紀に建造されたが、写真でもわかるように1877年に、現在の門に置き換えられた。
剣と矢を持っている、ランンパント(立ち姿)のライオンは、当時のネーデルラント7連邦共和国の紋章。

Naarden - Utrechtse Poort
ここから歩行者用の通路が掘割を越えて繋がっている。
車は、横を平行して並ぶ車道側を通る。

Naarden - Utrechtse Poort
冬枯れ、雪の積もった並木道。

Naarden - town
「いまいちフォトジェニックじゃなくて・・・」というのは、こういうこと。
貯水池のようなレンガ造りの土手が延々続く、だけ。
雪が積もって、氷が張ってて、日が差して・・・かろうじて「絵になる」風景。
この砦の形、航空写真だったら、面白いだろうけど・・・。

Naarden - town
それにしてもいいお天気、なので、こんなことではめげない。
ちなみに、日が差しても、気温が-3℃ぐらいなので、雪は溶けないもんなんだなぁ。
温暖地域住民は、初めて知ったよ。

Old Town Hall - Naarden
Grote Kerkの斜め向かいに建つ、1601年建造の旧タウンホール。
オランダのルネッサンス様式で、イギリスだとエリザベス1世のテューダー末期に相当する。
crow-stepped gable(クロウステップド・ゲイブル=階段状になった切り妻、)の典型。
イギリスでも16-17世紀の建物で、みかけることがあるが、ドイツ、北欧中心に使われた様式。

Old Town Hall - Naarden
エントランス部分。紋章は神聖ローマ帝国の双頭の鷲みたいだけど、
実はナールデンの紋章。

Old Town Hall - Naarden
壁にも建造の1601年を表す飾りタイル。

Old Town Hall - Naarden
ライオンの飾りタイル。

Naarden - town
旧タウンホールの隣に立っていた、町のポンプのレプリカ。
18-19世紀にはこの砦の町の中に30の給水ポンプがあったのだとか。
海にも近いのだけれど、ポンプの下3mに真水を含む砂の層があって、
そこから汲みあげていたのだそう。
1904年に上水道システムが導入され、
1919年以降使われなくなったポンプは撤去されてしまったので、これは複製。

Naarden - town
アンティーク・フェアが開催されるだけあって、町中にも何件かアンティーク屋がある。
その中でも、一番奇妙だったのがこのde Oude Markt(The Old Market)。
アンティーク+ヴィンテージ+ジャンクで、実に怪しげなもの山積み。
中にも身動きが取れないぐらい、ジャンク(?)が詰め込まれている。
掘り出したら面白いものがあるかもしれないけど、あと2人位お客さんがいて、
全く動けず・・・そのまま後ろ向きのまま出てきたような状態。

Naarden - town
ケトルが中々いい感じ。
撮影機材持参なのに、キャビン持込手荷物だけで来ているので、
かさばる物を買うのは厳禁。我慢。

Naarden - town
その先にまた、クロウステップド・ゲイブルの家。
ゲイブルの上の方にに、Hoist(ホイスト=巻上げ滑車用の鋼鉄梁)が付いているということは、
上階は倉庫として使われていた可能性が高い。
繊維産業で栄えた町、ということなので、
その昔は機織業者が住んで働いていたのかもしれない。

Naarden - town
通りの裏の住宅。

Naarden - town
石畳の路地が続く。
現在は繊維産業の名残もなくて、静かな住宅街。

Naarden - town
最後に、愛らしいエンジェルのドアノッカー。


次回は、一度ロンドンに話は戻って、アムステルダムから帰った翌日、最終日に駆けつけたThe Decorative Fairの様子を。
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Kunst & Antiek Weekend 展- Peter Gabriëlseの箱彫刻

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2013-02-01 Fri 23:06:48
  • イベント
ハァ、やっと写真を仕事社交先にリンクなど送り届け、あとはぼちぼち自分の趣味モードに入ってきたところ。
標本箱はまず今回のミニ・トリップのメインテーマ、ペーターおじさんの箱彫刻のブースのイメージから。

Kunst & Antiek Weekendというのは(どう発音するかは、皆目謎)、「アートとアンティークの週末」と名付けられたフェアで、年に一度アムステルダム郊外のNaarden(ナールデン)という、17世紀建造の星型要塞の中の教会で、木~日曜の4日間催される、オランダでも有数のフェア。
このフェアに個人のアーティストが参加する前例はなくて、今まではアンティーク・デーラーのGabyさん達がPおじさんの作品を数点持ち込んでいた。
今年は、諸事情あって、Gabyが同時期に開催されるロンドンのThe Decorative Fairの方に出展を決定したため、ちょうどキャンセル・スタンド状態になったところを、Pおじさんが引き継ぐという形で、異例の個人アーティスト出展が認可される・・・ということになった。
このナールデンのある、アムステルダムからユトレヒトの間の地区は、富裕層の住宅地が多いのと、ナールデンから2つ先の街 Hilversum(ヒルフェルスム・・・と発音するとWikiで知った。ずっとヒルヴァーサムと英語発音で通したぞ・・・笑)にTV・ラジオ放送関連産業が集中していることもあり、文化的な土地柄なのだそう。そんな背景もあって、ここで大きなアート・アンティーク・フェアが催されるのだった。
PおじさんもTVセット・デザイナーとして、オランダのNPO(UKのBBC、日本のNHKに匹敵するものだと思う)に長年勤務していて、ヒルフェルスム近郊に住んでいたので、この地域はいわば地元、昔なじみの知人・友人も多い。なので、「里帰り展」という雰囲気でもある。


Peter Gabriëlse - box art exhibition
まずは、ブース全体像。トータル23点が一気に展示されると、なかなか圧巻。
このうち10点がこの冬完成の新作。
床はちょっときたなっぽく見えるかもしれないが・・・、これは教会の石床がそのまま使用されているため。
左奥の方の暗い色の石板には、名前と18世紀の年号が記されていて、
あ、この下でお休みなんだな・・・と、察せられる。
(フランスでは見たことがないのだが、UK同様オランダでも、教会の敷石の下に信徒を葬る習慣があるよう。
カトリックとプロテスタントの違いなのかな・・・。)
開場早々、この石床に赤ワイン・ボトル倒して「血の海」状態にしたのは・・・私です。

Peter Gabriëlse - box art exhibition
閑話休題。 もう少し近くば寄って・・・。

Peter Gabriëlse - box art exhibition

Peter Gabriëlse - box art exhibition
去年の夏シャトーのアトリエで「製作中」だった箱達が、続々と完成している。

Peter Gabriëlse - box art exhibition
手前の背の高いキャビネットの箱は、新作ではなくて、以前作られたもの。
シャトーの入り口ホールの、暗いところにいつも置いてあって、
暗くて写真が撮れなかったのを覚えている。

Peter Gabriëlse - box art exhibition
テーブルの上にはBlurb本やら、フィーチャーされた写真本などの参考資料。
この小さい箱が、テーブルの上に立っているのは・・・、
その後ろの、シャトーから持参のコ-ヒーメーカーを隠すため。
ケータリングのコーヒーは美味しくなかろう、というので、Pおじさんコーヒー持参。

Peter Gabriëlse - box art on display
さて、開場。しかし、この教会内の展示エリアの他に、
教会の外側にもマーキーが建造されてブースが作られていて、
その外側エリアが入り口となっているので、
この教会内エリアに来場者がたどりつくまでに30分以上かかる。
Pおじ、まったりと新聞など読んで、典型的な「アンティーク屋の親父」風情。

Peter Gabriëlse - box art on display
おっ、来た来た、来場者がPおじのブースに集まり始める。

Peter Gabriëlse - box art exhibition
ちなみに、ブースの向かいの通路側にも3作品が展示されている。
その後ろの、チャンセル(内陣)部分にはケータリング・カフェが入っている。
高級フェアなのを反映してか、これがけっこう高い。
ケータリング・コーヒーに張り合うか、カフェ・ガブリエルザ・・・。

中央の教会の聖遺物箱(?)を箱彫刻にした作品が、教会を背景に、まるで里帰りしたかのよう。
この作品は、雑誌・書籍にフィーチャーされた、ここ20年歴代のPおじのインテリアに登場する。
つまり、ずいぶん昔の作品。
みんな興味深々で見ているのだけれど、聖遺物箱を改造してしまう・・・という発想が、
さすがに「バチアタリ」なのか、いまだに売れてはいないのだそう。
ウチの旧仏壇を、配偶者氏が小物入れに使っている我家としては、なんてことないんだけどな(笑)。
実はこの作品が一番好きだったりするが、ウチの問題は「ご予算」の方なのだった。

Peter Gabriëlse - box art on display
あ、混んでる混んでる。
Pおじさん自ら単独出展というので、昔の友人が続々来場。

Peter Gabriëlse - box art on display
そうしたら、それにつられて、他の来場者もブースに人だかるという「サクラ」効果発揮。
他の出展ブースは比較的暇そう・・・だったけれど、Pおじブースは来客が絶えない。

ここで、新作のディティールを少し覗き込んでみよう。

Peter Gabriëlse- box sculpture-004
オークの木彫パネルを張り込んだ作品。
窓際の小さな小さな椅子に注目^^。

Peter Gabriëlse- box sculpture-005
棚と階段のある物置部屋。
「真ん中の釘に何か掛けないの?」と尋ねたら、
「買った人が何か掛ければいい。」というPおじらしい、へそ曲がりな返事(笑)。

Peter Gabriëlse- box sculpture-006
荒れたドアのテクスチャーと、ガラス球の質感の対比がシュール。

Peter Gabriëlse- box sculpture-012
いつも人気の「図書室」シリーズ。

Peter Gabriëlse- box sculpture-014
これも「図書室」シリーズ。
ゴシック・パネルのクアトロフォイルに、
ちょうどぴったり合うサイズのガラスの蓋がはめ込まれている。

Peter Gabriëlse- box sculpture-016
7月にシャトーで見かけた、象牙製のミニチュア・キャビネットは、
最終的にこの作品に収まった。これが・・・・、

Peter Gabriëlse- box sculpture-016
開いて、中にミニミニ本が入っている・・・のは、知らなかったなー。

Peter Gabriëlse - box art on display
Pおじ、お手伝いに駆けつけた仲良しのグラダおば様に、カフェ・ガブリエルザ、インストラクション中。

Peter Gabriëlse - box art on display
昔の同僚と再会して、ご機嫌のPおじさん。

De Grote Kerk, Naarden
この、会場に使われている教会Grote KerkThe(Great Church)は、15世紀に端を発する教会で、
近年の改修工事で、長年覆い隠されていた天井壁画が発見された。

De Grote Kerk, Naarden
教会自体、なかなか興味深い・・・。

De Grote Kerk, Naarden
最後に教会の外観。


この初日は「同窓会」状態で、実際の作品販売には繋がらなかったのだけれど、翌日私がアムステルダムの博物館めぐりをしていた金曜日に、2作品販売。その後の週末に、作品のコレクターや、常連顧客が来場してもう4作品販売、で、トータル6作品が売り上げ決定。それ以外にも、作品の引き合いがあったり、別のフェアから出展依頼が来たりと、Pおじさんとしては大成功の作品展示会だった。
このフェアの前から、北ヨーロッパ全体に異例の寒波・積雪があって、私もフライトを心配していた状態(結局、ロンドン側はすぐに暖かくなって、ヒースロー空港問題なし、幸いなことに・・・)。
ロンドンより少し寒いアムステルダム界隈では、交通があちこちで混乱。会期中の土曜日にも、また、にわか雪が何度も通り過ぎて、再び積雪。そんなわけで、フェア自体は例年より、遠来の来客数を大幅に落として、各ディーラーさん達は大苦戦だったのだとか。
地元に熱心なファンの多いPおじさんは、天候関係ナシ。遠路はるばるノルマンディーから参加した甲斐があったというもの。おじさんには「ガブリエル」が憑いている・・・というのも、まんざら冗談ではないのかもしれない・・・?

次回はこのナールデンの町を、散策していた時のイメージを。






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