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2016年04月 Archive

Mini-Trip to Bern (ベルンへ、ミニ旅行)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-04-30 Sat 10:30:02
  • 日記
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ロンドンに戻ってきましたよー。
アントワープの写真を引き続き・・・の前に、モバイル写真で、スイス、ベルンのミニ旅行のイメージを、予告編ということで、少しばかり。

「今回は撮影仕事でなくて、配偶者氏孝行」と前回書いてたけれど、そう、ウチの配偶者氏、画家Paul Klee(ポール・クレー)の大ファンで、彼の作品を集大成した美術館「ツェントルム・パウル・クレー」(パウル・クレー・センター)が、ベルン郊外にあるのだけれど、そこを訪れるのが夢。
とはいうものの、PC使えない、方向音痴、交通音痴の「オバサン脳」の配偶者氏は、とてもじゃないけれど、一人旅でここまでたどり着くこと不可能。 やむなく、Net中毒系、自称トラベル・プランナー「オヤジ脳」の私が、アレンジ+アテンドすることになった・・・という次第。


Heathrow Terminal 2 - heading to Geneva
今回はヒースロー・ターミナル2から、スイス航空でジュネーヴに飛ぶ。
昨年12月にデュッセルドルフに飛んだ時と同様。

Heathrow Terminal 2 - flying to Geneva
デュッセルドルフの時とこれまた同様、朝9時頃の便なので、
ターミナルもまだ空いている。

Geneve Airport Station -  waiting our train to Bern
話はすっとんで、ここはジュネーヴ空港の鉄道駅。
ゴキゲンの配偶者氏。
ここから鉄道で2時間、Bern(ベルン)へ向かう。
Zürich(チューリッヒ)との間にあるので、チューリッヒに飛んで、
そこから鉄道でもよかったけれど、エアライン便の時刻表が、
ジュネーヴの方が便利だった・・・か、なにかそんな理由で、
ジュネーヴから入るルートを選んだ。

In the hotel room, Bern
ベルンに着いてまずはホテルにチェックイン。
その後少し街を散策して、ホテルに戻ってきた。
泊まっていたのはHotel National Bern
レトロな、我々好みのホテル。
ただし前をトラムが走っていて、これが意外とうるさい。
一泊目は耳栓して寝て、2日目からは裏の部屋に替えてもらった。
部屋は小さくなったけれど、とても静かで快適。
(写真は表に面した大きい方の部屋。)
スタッフがとても親切なのは、ポイント高し。

Hotel National Bern
アンティークモノのリフトが現役。

Hotel National Bern - Breakfast room
夜はバーになっている部屋が、朝はブレークファストルーム。
品数は多いわけではないけれど、一応ビュッフェ・スタイルの朝食付き。
いや、それにしても、ドイツに比べると、スイスの街の物価は激高い。
ホテルも食事も、物価高ロンドンから来た我々が、一瞬息を飲む・・・様な値段。
(ロンドン価格より、もしかすると高いかも・・・。)
これ、物価の安いドイツから来たら、血の気引くかも・・・。

Bern - town
街のハイストリートのKramgrasse。
ショッピング街はこんな風に、アーチとお店の間にアーケードが延々続く。
多分、雪のシーズンでもショッピングに支障がないように、
こういう構造になっているものかと。

Bern - town
ハイストリートの建物は中世以来のものとか。
燃料の石炭か薪を貯蔵するための、地下部分が付いている。
現在は地階の店やビストロになっていたりする。

Zytglogge, Bern
街の名物、時計塔。

Zytglogge, Bern
その裏側。
時報とともにカラクリ式で人形が出てきたり・・・するのだと思うけれど、
オクロックまで待っている根気はなかった(笑)。

Bern view from bus 12 for Paul Klee Museum
さて、2日目。
パウル・クレー・センターに向かう12番バスの中からのベルン旧市街の眺め。
文化遺産としてユネスコ世界遺産に登録されているだけあって、美麗なもの。

Paul Klee Museum
パウル・クレー・センター自体は、2005年建造のコンテンポラリー。
山がちのエリアの地形に溶け込んだような流線型。

Paul Klee Museum
植物との共生が図られている。

Paul Klee Museum
写真不可と思い込んでいて、カメラごとバッグをコインロッカーに詰めてから、
チケット売り場で念のため尋ねたら、ストロボ無しならばOK。
またコインロッカーに戻って、カメラを取り出してきた。

Paul Klee Museum
配偶者氏大喜び。

Bernisches Historisches Museum
そのまた翌日はBern Historical Museum(ベルン歴史博物館)へ。
プロテスタントの中心地スイスなので、イコノクラスト(偶像破壊)されまくったのか、
中世モノはあまり残されていない。宝物も大概破壊されたとか。
も・・・もったいなさすぎる。
イギリスの修道院解散させて、宝物を没収して溶かして金に変えて、
戦費に充てた暴れん坊王様「ヘンリー君」もナンだが・・・。

Bernisches Historisches Museum
中世物の展示の中心はタペストリー。

Bernisches Historisches Museum
最大のお宝が、このアルター・ピース。
13世紀のヴェネチア製ってことは、ビザンティンそのもの。
ちゃんと眼レフで舐めるように写真撮ってきましたよ・・・ふふふ。

Einstein Museum in Bernisches Historisches Museum
この博物館の中に、ベルンに住んだアインシュタインの博物館セクションもある。
そのフロアに向かう階段は、宇宙的・マトリクス的なことに・・・。

KleineSchanze, Bern
最終日は公園を散策。

Bern
見晴らしのいいテラスに続いている。

River Aare, Bern
そして、街の3方を取り囲むアーレ川沿いを散策。

Lake Geneva (lac Léman) from the train
ホテルからスーツケースを引き上げて、駅に向かい、
鉄道ジュネーヴ空港へ。
列車から、途中のレマン湖の眺め。
もしかすると、チューリッヒから入るより、ジュネーヴからベルンに入る方が、
アルプス+レマン湖で、眺めが美しかったりして?

Fly back to London
ヒースロー側の着陸が混んでいるという理由で、フライト1時間遅れ。
ロンドン上空にたどり着くも・・、毎度のことながら、
着陸待ちでロンドン上を2回旋回。

1 minute to land London Heathrow T2
やっと着陸サインが出て、ランディング直前、ハウンスローのあたりを滑り降りてくる。
そして、1分後にランディング。

その後、入国ゲートで未だかつて見たこともないような行列に巻き込まれ、
並ぶこと待つこと30分。
我々はUKパスポートなので、EU/UKのレーン。
ここは、みんなサクサク通過していくので、普通はそんなに並ばない。
今回は前代未聞のキューイング。
現在ターミナル1が改装で閉鎖しているので、
ターミナル2・3にその分シワ寄せが来て混んでいるとかいう話。
特に夜は大混雑なのだとか。
ともあれ、帰ってきて昨夜はゆっくり寝ましたよ。

帰ってきたら、また作業が詰まっていて、標本箱更新遅れ気味だけれど、
次回はアントワープに話は戻りますよー。


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Antwerp Town (アントワープの街)-ブロカンテ関連-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-04-24 Sun 11:09:13
  • 場所
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また、今月の制作ノルマが詰まっている上に、ウチの屋根が3月末の暴風で傷んでいるのを修復>3件入っているフラット(アパートメント)のオーナー同士での交渉>保険屋との交渉・・・を、「屋根の異常に気づいた最上階住人」ということで抱え込んでいて、そしてまたその上に、火曜日から週末までスイスのBern(ベルン)に出かけているので、ぱつぱつ。(今回は仕事でなくて、ウチの配偶者氏孝行なんだけど・・・。)
まだまだアントワープの話は続くけれど、とても博物館の調べ物をしている時間はないので、街のそれもアンティーク・ストリートの写真を並べておくことに。


Antwerp - Street
このショップウィンドウは高級ブランド系の店が並ぶLeopoldstraatsの通りの界隈。

Antwerp - Street
この界隈はシキイの高いお店ばかりなので、ウィンドウをのぞいているだけ。

Antwerp Friday Market
金曜日にPlantin-Moretus Museumに行く前の朝、
その前の広場Vrijdagmarktを通りかかったら、なにやらマーケットが立っている。
しかし、なにか様子が違う・・・。

Antwerp Friday Market
普通テーブルの前に人だかりがあるのだけれど、
ここはテーブルが広場を取り囲んで、
そこにヴィンテージ+セコハン+ジャンクなものが並んでいる。
客はそれを外から見ているだけ。
そのすぐ後にシステムが判明。

Antwerp Friday Market
いちいち競りにかけている・・・つまり、オークション方式。
こ・・・こんなジャンクなものを?
ちょっと呆れたけど、ミュージアムのブックレットによると、
この「アントワープ金曜市」は430年の歴史だそうで、再び驚く。
ま、現在はebay状態ってことかな。

私の場合、高級アンティークと金曜フィジカルebayとの間の、
ちょうど中間層を求めているのだが・・・。
やはりアンティーク・マニアのティエリー氏が、
Kloosterstraatにいろいろおもしろい店がある・・・というのを、
聞いていたのでそこに向かってみた。

Antwerp - shops
交差するKorte Vlierstraatの通りから入ったので、
この長い南北に続く通りのちょうど真ん中のあたりから入ったことになる。
まず目についた奇妙な店のファサード。
何屋かは判別できず、開いてはいなかったので、オフィス(?)なのかな。

Antwerp - shops
ここは言うまでもなく、アンティーク+ブロカン屋なのが、
表にあふれているものからも見て取れる。突入・・・。

Antwerp - shops
奥に入り組んでいて、二階もあって、見ごたえあり。
結局ボトルやら、小さなガラスの器やら、
オブジェの材料になりそうなものを、細々とゲット。
ここが一番面白かったかもしれない。
ロンドン/パリよりは安い印象だけれど、ユトレヒトの方が安い感あり。
あたりまえだけれど、都市の購買層の多さと物価は比例しているのだった。

ここから通りを北上する。

ティエリー氏曰くに「NYのグリニッジ・ヴィレッジっぽい」。
私の印象では「ブライトンのKemptown(ケンプタウン)。」
あ、でもここの方がオシャレだから(ケンプタウンはもうちょっとキッチュ)、
ティエリー説の方があたっているかもしれない。

Antwerp - shops
点々とアンティーク/ブロカン・ショップが続いている。

Antwerp - shops
左のブロカン屋の中。
ここも掘り出し物がいろいろありそう。

Antwerp - shops
今回の出張帰りに、ブラッセルのマーケットを予定していたので、
アントワープではちょっと抑え気味で、よほど気に入ったもの、
または材料に使えるものしか買わないことに。

Antwerp - shops
その隣のインダストリアル系、家具中心のヴィンテージ。

Antwerp - shops
東南アジア製の小物家具や雑貨を扱う店。絶妙なシャビー感。

Antwerp - shops
緑のウィンドウ。

Antwerp - shops
ここはフレーレンス?な、ショップフロントに惹かれて入ったけれど、
ごめん、シキイ高かったわ・・・だった店。

Antwerp - shops
アンティーク家具店の奥の中庭の、カフェ/ビストロ。

Antwerp - shops

Antwerp - shops
最後にアンティークじゃないけれど、インテリア・ショップの中庭。


今回ウロついていたKloosterstraatはここ:



そんなわけで、しばらく5月初旬まで、標本箱はホリデーモード。
それにしても・・・標本箱がUKに戻ってくる日はあるのだろうか・・・とても疑問なんだな(笑)。










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Rubenshuis, Antwerp (ルーベンスの家 - アントワープ) -3-

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熊本界隈の余震も収まってきただろうか? 地域に日常が戻る日が近いことを祈る。

日本国内だといろいろなサポートが立ち上がっているのだろうけれど、海外から簡単にサポートできるプロジェクトを見つけたので、ここにメモしておくことに。
日本初のフードバンク、Second Harvest Japan(セカンドハーベスト・ジャパン)が、Kumamoto Earthquake Relief Fundraising(熊本地震救済募金)を実施し始めた。 <このページ
まずは、被災地域への食料供給の安定が、最優先と思われるので、プロジェクト自体も、具体的かつ効果的かと。

グローバル募金サイトのAmmadoがプラットフォームなので、世界中からクレジットカードやPaypal(ペイパル)で支援が簡単にできる。
募金ウィジェットを貼っておくので、海外でご興味の方はぜひご協力を^^。





さて、本題のアントワープ、Rubenshuis(ルーベンスの家)から最終回。
今回は、スタジオ展示室のイメージから。


Rubenshuis
2階の展示室を見て回って、バルコニーになった階段部分から今度は、
グランドフロアから、スタジオ展示室へ。
ギャラリーの階下が、スタジオへのエントランス部分。

ここは、ルーベンスとその弟子たちが、制作していたスタジオ(工房)だった部屋。
セレブ画家だったルーベンスには、ヨーロッパ各地からの注文が殺到。
多数のアシスタントや弟子を使って、
当時のヨーロッパ最大規模のこのアトリエで制作された。

Rubenshuis
エントランス部分の壁面には、ギルト・レザーが使われている。

Rubenshuis
ここでインテリア絵画好きの目にとまったのは、
Interior of the Jesuit church in Antwerp.
by Wilhelm Schubert van Ehrenberg.
(アントワープ・ジュスイット教会の内部)
現在のSt Charles Borromeo's Church
(聖チャールズ・ボロメオズ教会 ←英語読み)の前身。
ここの39枚の天井画を、ルーベンスとヴァン・ダイクが
1616-18年にかけて、コラボで描いたのだそう。
現存したら、とても見ものなのだけれど、
残念ながら1718年の落雷による火災で消失してしまった。

Rubenshuis
そのディティール。
現在の聖チャールズ・ボロメオズ教会に、
この後気が付かないで、偶然入ってしまっていた。
なので、現在の様子はまた後ほど、標本箱に詰め込むことに。


ルーベンス「スタジオ」の制作システムの話が、ブックレットに載っていて、興味深かったのでここに引用してみよう。

8年間のイタリアでの活動を終えて、1609年にアントワープに戻ってスタジオを持ったルーベンスは、即オーストリア大公アルブレヒト7世と、その大公妃でスペイン王女のイサベルの宮廷画家に迎えられる。
1611年の段階ですでに、ルーベンス・スタジオに弟子入り志願者が、様々な方面からの紹介でひっきりなし。
結果、100人以上も断りを出さねばならなかった。他の画家のスタジオのポジションを得ても、それでもまだ、ルーベンスの弟子に空きが出るのを、狙い続けている者もいるそうで・・・、ルーベンスがその事情を書いて、出版業者からの弟子紹介に断りを入れる手紙が現存している。
スタジオの制作方式は、まずルーベンス師匠が、油彩スケッチの下描きを描く(これが、アムスの国立博物館に入っているような・・・、私の好きなタッチのもの)。
それを元に、実際の大型の画面に引き伸ばして、描き込んでいくのが弟子たちの仕事。ここでも、風景・花・衣装・動物と、それぞれの得意分野があって、分業制で仕上げていった。
そして、メインの人物像、特に顔や手など、肌の出た部分は、師匠が仕上げる。そして、ポイントとなる部分/要素にも、師匠が筆を入れて完成となる。
最も重要な注文には、最初から最後まで師匠が仕上げるケースもあった。(また逆に、師匠の手がほとんど/全く入らない「スタジオ」作品も多数あり。 20世紀中頃までは「なんでもルーベンス」になっていたけれど、近年の分析テクノロジーの進歩で、多数が「スタジオ作品」として分別されるようになったのだそう。)
このスタジオ方式は、イタリア・ルネッサンスの、ラファエロやミケランジェロのスタジオで行われていた方式と同様のものなのだそう。

ここのスタジオに展示されている大作は、とても撮影が難しいので(ライトのリフレクションが、どうしてもひどく出てしまう)、小品を2つほど。


Rubenshuis
Self-portrait by Anthony van Dyck c.1635-1641
1635-41年ごろに描かれた、ヴァン・ダイクの自画像。
個人蔵の作品が、今年からこのミュージアムに長期ローンで展示されている。
ヴァン・ダイクはルーベンスの筆頭アシスタント。
ルーベンス同様富裕層出身で、幼い時から画才を認められていたヴァン・ダイクは、
ルーベンス工房に所属する前から、画家組合に所属して独自にスタジオを開いていた。
1620年からアントワープとイギリスを行き来して、
イギリスのチャールズ1世宮廷画家としてのポジションを築く。

この肖像画とほぼ同じ構図で、同時あるいは同時期に描かれたと考えられているものが、
ロンドンのナショナル・ポートレートギャラリーに入っている。
こんなもの
口ひげの先を上に跳ね上げてセットするのが、
チャールズ1世宮廷でのトレンド(または、エチケット)だったそうで、
ここの「ひげピン」の肖像画が公式のもので、
ポートレートギャラリーの「ひげ下がり」は、
自分用の非公式のものだったとも考えられている。

Rubenshuis
Portrait of Archduchess Isabella, After Peter Paul Rubens
ルーベンスの、アントワープでのパトロンNo1、
大公妃イサベル・クララ・エウヘニア

Rubenshuis
もちろん自分的興味は、ジュエリー。
あ、このクロスのデザイン、使える・・・(笑)。

その他、ここのミュージアム展示のマスターピースは、<ここ>に(英文解説)。

この後は、庭に出て行ってみよう。

Rubenshuis
右がミュージアムへの入り口、
その左隣が、前回の最後に出てきたバルコニー。
ここはコートヤード(中庭)になっている部分。
左側のウイングが、今出てきたスタジオの建物。
想像だけれど、その上階には弟子や従業員が住む部屋があったのかも?

Rubenshuis
とてもバロック的なる、濃い彫りの装飾パネルの付いた階段。

Rubenshuis
その、スタジオの建物。

Rubenshuis
コートヤードの反対側のウィングは、前々回のルーベンスの生活空間。
夏だとウィステリア(藤?かな?)で建物が彩られていることと。

Rubenshuis
整形式の庭園との間に、装飾portico(ポーチコ)。

Rubenshuis
庭園側の眺め。

Rubenshuis
庭園側から、正面にスタジオの建物を見たところ。
あぁ、いつも思うけど、出張ついでのお屋敷見物は、いつもいつも、冬か早春。
コンチネントの「美しい庭」を見る機会に恵まれないわぁ・・・。

Rubenshuis
庭の奥にはローマ神殿風のガゼボ。

Rubenshuis
ライオンの皮をまとったタフガイはヘラクレス。

Rubenshuis
手前の右側はバッカス。
左はヴィーナスだったはず。

Rubenshuis
最後にもう一度コートヤードごしのエントランス。



Rubenshuis(ルーベンスの家)
Wapper 9-11, 2000 Antwerpen, Belgium

英文オープニング情報・入場料<このページ

Map:




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Rubenshuis, Antwerp (ルーベンスの家 - アントワープ) -2-

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アントワープ、Rubenshuis(ルーベンスの家)から2回目の標本箱は、前回の続きで、ギャラリー室内の展示物を、まずいろいろ。

Rubenshuis
Rubens(ルーベンス)の油彩スケッチは、アントワープのJesuit教会の祭壇上のコーニス部分の装飾の、
下絵というか、まぁ、デザイン画のようなもの。

Rubenshuis
個人的には、完成された絵画より、スケッチの方が、
筆のタッチが伸びやかで、見ていて気持ちがいい。
とりわけ、ルーベンスには、完成した絵画のスタティック(静的)なタッチと、
油彩スケッチの筆勢の違いを感じるのは、
彼の絵画が「スタジオ生産性」だったことと関連しているのかも?
まず、ルーベンスが構図をとった下絵を書き、
弟子達が途中まで仕上げる。
顔や手など重要な部分をルーベンスが仕上げて、
それ以外は弟子たちが完成させる・・・という方式がとられていたことと。
なので、仕上がった作品の大半の部分は、弟子たちの着実な手によるものの、
ルーベンス師匠の筆のタッチはあまり関与していないのかも?
あくまでも、想像の話だけど・・・。

Rubenshuis

Rubenshuis
ルーベンスのコレクションの静物画。
作者は記録してこなかったので・・・どちらも不明。

Rubenshuis
木彫装飾が見事なルネッサンス様式のチェスト。

Rubenshuis
キュリオ・キャビネットは、カメオ・コイン・ミニチュアポートレートなどの、
小型のアート/アンティーク作品を収蔵するためのもの。
キャビネット自体が田園風景で彩られている。

Rubenshuis
テラコッタのバストは、Lucas Faydherbe作のHercules(ヘラクレス)。
ヘラクレス、伝説上で素手でライオンを倒したということになっている。
で、ライオンの皮をかぶっている(身にまとっている)タフガイの彫像なら、
それはヘラクレス。
Lucas Faydherbeはルーベンスの弟子で、メヘレンの彫刻家の息子で、
3年ルーベンスの元で働いてから、メヘレンに戻って彫刻家として独立した。
メヘレンの大聖堂にも、彫刻が入っているのだそう。
知らずに、この前日に写真を撮っていたかも?

Rubenshuis
ギャラリー・ルームから階段を上がって上階のコーナー・ルーム。

Rubenshuis

Rubenshuis
この部屋で目についたのは、この油彩スケッチ。

Rubenshuis
てっきりルーベンスと思い込んでいたら、
実際には彼の弟子のJustus van Egmontによるもの。
"The reconciliation of the Romans and the Sabines"
(「サビニの女たちの仲裁」ストーリーの詳細は<このページ>)
1950年代までこの作品はルーベンス自身によるものと考えられていたそう。
さもありなん、タッチが師匠に似ている。
しかしそう言われてみてよく見ると、師匠よりタッチがややしつこい。
師匠の方が、無駄のない完璧さがある。

Rubenshuis
ここにも、キュリオ・キャビネット。
アントワープ1640年頃のもの。

Rubenshuis
このキャビネットの場合、描かれているのは神話・伝説上のシーン。
ルーベンスの作品を元にして、ルーベンスの縮小版コピーを専門に制作した画家、
Victor Wolfvoetの手になるもの。

Rubenshuis
正面の2枚扉には、ペルセウスとアンドロメダ伝説が描かれている。

Rubenshuis
暖炉のデルフトタイル。
ローランド地域の風景と、聖書モチーフの組み合わせ。

Rubenshuis
上階の次の部屋はベッドルーム。
当時は、ベッドルームとして設定されたものというより、
リビング・ルームや客間の中に、そこが暖房されて温かいのでベッドを置く、
という感覚だったらしい。
あまり、プライベートやプライバシーという感覚はまだ形成されていなかったもののよう。
当時のベッドが短いのは、上半身をクッションで起こした状態で寝ていたから。
中世の頃の「寝ている時も、いつでもすぐ目覚めて戦闘態勢に入れる」説の名残かと思ったら、
消化・循環にいいと信じられていたからなのだそう。
腰にはよくないと思うけど・・・。

Rubenshuis
そのとなりは、リネン室。
当時はアイロンはないので、写真右のようなプレス機でプレスしてシワがつかないようにする。
一方、折目はピンピンに付いている方がよし、とされていたそう。
紙のようにピンピンになったリネンは、後ろのリネンチェストに保管される。
リネンは超高級品だったので、それにまつわるプレス機やチェストも豪華なもの。

Rubenshuis
ルーベンスは外交官役も務める、当時の筆頭画家だったものだから、
経済的にも恵まれていて、このような織地の入った、
超高級リネン・クラスのものが使用されていたはず。

Rubenshuis
その次の部屋の展示で面白かったのは、このPortefraes(英語だとSupportasseと呼ばれる)というもの。
何かというと、Ruff(ラフ)と呼ばれる襞襟の中に芯材としていれるものなのだそう。

Rubenshuis
その見本のポートレート。
エリザベス1世の肖像画もこの襞襟の典型なので、
「エリザベス・カラー」とも呼ばれるけれど、それがまた転じて、
犬や猫が怪我の治療中に、傷口を舐めないようにはめられる、
ロウト型のカラーも、「エリザベス・カラー」と呼ばれている。
あれ?日本語でもそうだったっけ?日本語でなんというか知らない・・・。
ま、とにかく、ペットでも人でも不便極まりないと思うのだけれど。

Rubenshuis
その次の部屋も、絵画やコレクションなどが展示されている。

Rubenshuis
目に止まったチャーミングなポートレートは、
Portrait of Elisabeth of France, later Isabella, Queen of Spain c.1610-12
(エリザベス・オヴ・フランス、後のスペイン女王イザベラ←便宜上全部英語読み)
Frans Pourbus De Jonge作。

Rubenshuis
レースの襞襟も見事だけれど、ついジュエリーに目が行く。

Rubenshuis
最後にスタジオだった展示室に向かう。
その前に、バルコニーになった階段部分から下の階に。

Rubenshuis
ここから、ポ-ティコ越しに庭が見える。
この庭のイメージはまた次回に。

Rubenshuis
バルコニー部分を反対側から見たところ。

次回は、スタジオ展示室と、庭のイメージを詰め込みますよ。


Rubenshuis(ルーベンスの家)
Wapper 9-11, 2000 Antwerpen, Belgium

英文オープニング情報・入場料<このページ

Map:




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Rubenshuis, Antwerp (ルーベンスの家 - アントワープ) -1-

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近頃天気のいいロンドン、日向にいると春を通り越して、夏感覚。気温の上がる街の中心部では、半袖Tシャツ、ノースリーブも見かける。
ちょうどそんないいお天気の昨日は、夏物のファッションフォト・シュートで、モデルさんは寒くなくてちょうどよかったね、私は日差しでちょっとバテ気味(甘く見て帽子をかぶってなかった)、な一日でしたよ。

標本箱は、これから本格的にAntwerp (アントワープ)。
街もなかなかステキなのだけど、ここのミュージアムも「濃い」。3つアタリをつけていったところ、その3つともが素晴らしく濃厚なミュージアムで、とても一日では回りきれず、2日通うことになった。
今回はまずその最初、Rubenshuis(ルーベンスの家)のイメージを。
Peter Paul Rubens(ルーベンス)といえば、 16世紀後半~17世紀前半にかけて活動した、バロック様式のフランドル画家で、あまりにも有名なので何も今更書くこともなくて、全部リンク先のWiki.jpにお任せしてしまう。
自分的には「太ったおばさん専門の画家」という印象で(実際に・・・、オランダ/フラマン語はもとより英語でも、豊満なご婦人を「rubenesque(ルーベンス的な)」などと形容詞に使われたりもする)、元々はあまり興味なかった。
ところが、去年アムスのRijksmuseum(国立博物館)で、ルーベンスの油彩の素描を見て、(こんなもの↓)

The triumphal Chariot of Kallo, 1638, Peter Paul Rubens

ブラシュ・ストロークの確実さとスピード感で一気に「お気に入り」。そこで、アントワープのミュージアム巡りの真っ先にここをいれておくことにした。


Rubenshuis
アントワープのハイ・ストリート、Meirから、噴水のある広い通りWapperを左に曲がると、
まずガラス張りのチケット売り場+ショップの建物が目に入る。
そこでチケットを買って、この17世紀の建物が入り口。
中庭から庭へ繋がっていくのだけれど、まずは建物の中から。
ゲートから入ると左側から順路が始まる。
この17世紀初頭のファサードで、インテリア/建築好きとしては、たいがい血圧上がる。

Rubenshuis
最初の部屋、多分、使用人用の入り口ホール、あるいは門番のための部屋だったと想像する。
ちなみに、自分はヴィジュアルで情報を読み取るタイプなので、オーディオガイドやガイドブックは使わない。
なので、詳しい情報はちょっと不明だけれど。
この部屋からして・・・すでに壁が、ギルト・レザー。この後の2つの博物館でもギルト・レザー続出。
今回の出張は、まるでギルト・レザーのお勉強のような・・・。
イギリスの同時代の建築の壁には、オーク材のパネリングが使用されていた。
ギルト・レザーの例は(Ham House)ハム・ハウスで見たことがあるだけ。

Rubenshuis
版画に描かれたルーベンスの屋敷。
外交官的職務でイタリアに8年滞在していたルーベンスが、
アントワープに持ち帰った、イタリア・ルネッサンスのエッセンス。

Rubenshuis
なぜここが、使用人用の入り口ホール、あるいは門番のための部屋・・・と思ったかというと、
隣の部屋が即、キッチンなので。

Rubenshuis
これだけ大きな屋敷にしては、意外とこじんまりしたキッチン。

Rubenshuis
壁のデルフトタイル。

Rubenshuis
ここでまた一段と血圧上がる・・・の、ダイニングルーム。
壁のギルト・レザーに、暖炉に・・・スリップウェアのタイル、ダッチ・ブラス・シャンデリア、
そして木彫装飾のドアフレーム・・・に熱中していて、
正面の、数少ないルーベンスの自画像は、全然目に入ってないし(笑)。
これが見どころ・・・だそうなので、Wikimediaから借りてきた。

Peter Paul Rubens - Self-Portrait - WGA20380
Self-Portrait - Peter Paul Rubens c.1628 - 30.
53歳ごろの、2度目の奥さんと結婚する頃に描かれた、
最もカジュアルな様式のもの。

Rubenshuis
どちらかというと、静物画に目がいってるし(笑)。
これは、ルーベンスのコレクションで、同時代の画家Frans Snydersのもの。

Rubenshuis
セラミックのジャグ。

Rubenshuis
暖炉のスリップウェアのタイルは、とてもイギリス的な印象。

Rubenshuis
幾何学的なPane glassの窓。

Rubenshuis
中央にはステンドグラス。

Rubenshuis
ルーベンスの自画像の向かいは、その2度目の奥さん、
Helena Fourmentと考えられている。
描いたのはルーベンスではなくて、彼の死後描かれたもので、作者は不明。

Rubenshuis
次のギャラリーの部屋との間に階段ホールがある。
これは上階から覗いたところ。

Rubenshuis
ギャラリーの部屋のドア・フレーム装飾。

Rubenshuis
これがギャラリー。
17世紀初期には富裕市民の屋敷には、富と教養を誇示するべく・・・、
コレクションしたアートや工芸品を展示する「ギャラリー」が設けられた。
ルーベンスのコレクションも間違いなく、その中では卓越したものだった。
奥のドーム状になった展示スペースには、
イタリアから持ち帰ったローマ期の彫刻が展示された。
ちなみに・・・この正面もまたルーベンスの数少ない自画像の一つで、
息子のAlbert(アルバート)とともに描かれたもの。<wiki リンク

この部屋の360°ヴューをGoogleで見つけた<このページ>。

Rubenshuis
この大理石造りのギャラリー、北ヨーロッパとはとても思えない。
まるで、イタリア・・・。

Rubenshuis
The Gallery of Cornelis van der Geest, by Willem van Haecht.
自分的に好きなのは、こういう、インテリアに、またモノがぎっちり詰まったような絵画。
17世紀に、個人アート・ギャラリー(つまり、画商のギャラリー)が出現する。
ここに描かれているのは、Cornelis van der Geest(コーネリス・ファン・ダー・ギースト)のギャラリー。

Rubenshuis
ご来訪のお客様は、スペイン王名代でオランダを統治するアルブレヒト大公イサベル・クララ・エウヘニア
オランダ黄金期の文化を支えた統治者とされている。
Quentin Massysの「聖母子」をお勧めしているのが、オーナーのファン・ダー・ギースト氏。
(<この絵>← うわ、NY Sothby'sで現物が売りに出ていたー。)
その絵の左側で、帽子を被っているのがルーベンス、
そのまた右隣りの、右隣がVan Dyck(ヴァン・ダイク)、オールスター出演の絵画。

Rubenshuis
随行の連中も、好き勝手にいろいろ見てるし。

いやいや、まだまだ写真は続くのだけれど、
ひとまず、今回はここまで、また続きます。



Rubenshuis(ルーベンスの家)
Wapper 9-11, 2000 Antwerpen, Belgium

英文オープニング情報・入場料<このページ

Map:











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Antwerp Central Station (アントワープ中央駅)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-04-10 Sun 19:24:43
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今回からは先月訪れたベルギー、アントワープのイメージを。
この街には、17世紀の建築を保存したミュージアムが3つもあって、2日かけて莫大な量の写真を撮ってしまって、いまだにポストプロセスに苦戦中。できてきたものから少しずつ標本箱に詰め込むとして、まず今回はアントワープ中央駅のイメージを。

FlickrやGoogle photoなどで、何度かこの駅の写真を見たことがある。いつも「たぶんヨーロッパでNo.1-2の美駅」と思いながら見ていた。
今回、ブラッセルとアントワープの真ん中にあるメヘレンに滞在していたので、アントワープまでは鉄道で20分程度。最初に撮影したかったのは、実はここの中央駅自体なのだった。


Antwerp Central Station
メヘレンからついた列車は、地下にあるこのプラットフォームに停まる。
これは、もともとターミナル駅だったこの駅を、
Thalys(タリス=フランス>ベルギー>オランダ>ドイツを繋ぐ高速鉄道)が、
ここを通過して、アムステルダムに入ることができるように、
地下を通過式の駅に改造して2007年にオープンしたものだそう。
いやいや、私が見たいのはこの部分ではなくて・・・、上へと上っていく。

Antwerp Central Station
正面に「美駅」の片鱗があらわれ始める。
ちなみに、(暗いけど)右エスカレーターでもわかるように、主要駅や主要建造物では、
銃装備のアーミーがパトロールして回っていた。
(この時点で、件のテロ事件から10日前。)
しかしその・・・、パトロール、警戒態勢の問題ではなくて、
根本的な犯罪情報収集力が、国に欠如していた結果というのが大半の見方。
UKはどうなんだろうか。
007で世界的に有名な、イギリス秘密情報部(MI6)が暗躍していることを祈るわ・・・。
世情を反映して、近年はインド系・アラブ系ルーツ、濃ゆいルックスの英人が、
「秘密情報部工作官」として活動しているのだそう。
「対ソビエト」の時代は終わったんだなぁ。

Antwerp Central Station
最上階で、プラットフォーム側を振り返る。
ここは、終着駅になっている本来のプラットホーム。

で、正面を見ると、

Antwerp Central Station
1895-1905年の10年間に渡って建造された、Louis Delacenserie設計の建築。
まだここは、入り口のようなもの。ここから、メインのホール部分に入っていく。

Antwerp Central Station
上のファサードを裏のホール側から見たところ。
基本的に同時代の建築なので、ロンドンの自然史博物館や、
V&Aにも相通じる19世紀末期のルネサンス・リヴァイヴァル様式といえるもの。
(19世紀特有の、なんでもリヴァイヴァル、
実際にはかなり混合様式で、何スタイルとは言い難いものだけれど)
ともあれ、この階段といい、シアトリカルでとてもステキ。

Antwerp Central Station
この後ルネッサンス様式を濃厚に取り入れた、「ルーベンスの家」などを見て回って思うに・・・、
16世紀後半~17世紀にかけて、アントワープに開花したルネッサンスが、
この駅のスタイルにも影響しているかも知れない(ウラなしの、私見。)

Antwerp Central Station
上のファサードの正面に当たる部分。
ここはチケット・カウンターとして使われているよう。

Antwerp Central Station

Antwerp Central Station
ホールの真ん中で、ドーム天井を観察。
44mの吹き抜けドームは、まるで大聖堂。

Antwerp Central Station
この列柱+ギャラリーの構成が、
建築デザインに奥行きを与えている。

Antwerp Central Station
装飾パネルには、それぞれ象徴的モチーフが紋章的に描かれているようだけれど、
これはヘルメスの杖。
ヘルメスは交通・通信も司っているので、それに由来するものかと。

Antwerp Central Station
ファサードの両サイドの部分。

Antwerp Central Station
グリーンとパープル・トーンの大理石のコントラストがキレイ。

Antwerp Central Station
外側面のファサード。

Antwerp Central Station
ここにも、ヘルメス的なる象徴が。

Antwerp Central Station
3番目の写真の最上階プラットホームは、高架橋の上にあたる。
外から見るとこんな感じで、この部分はまた別の建築家の設計だけれども、
同じく20世紀初頭のもの。
クリスタル・パレスや、博覧会建築の鋳鉄フレーム・ガラス張り建築と同様のもの。

Antwerp Central Station

Antwerp Central Station

最後に真正面ファサードを撮っていなかったので、借り物写真で。

Antwerpen Centraal station 12-07-2010 14-04-17
Photo by Paul Hermans via Wikimedia Commons.

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Mechelen Toy Museum (メヘレンおもちゃ博物館)

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一昨日終わった2015-16年度のセルフ・アセスメント(確定申告)終わった~。これでまた一つ用事が片付いた。
英語で仕事や業務を、締め切りぎりぎりまでやらない人のことを、Procrastinator(プロクラスティネーター)というのだと、自称プロクラスティネーターの友人に教えてもらったことがある。
自分はまるでその逆で、反語としてPrecrastinator(プレクラスティネーター)というのがあるとしたら(ない、ない、自分の造語)、まさしくそれにあてはまる。
難儀そうで不安なこと、できるかできないかわからないことから、作業にとっかかっていく性分。
得っていえば、得な性分だけれど、土壇場ではキレて全部投げ出してしまう豪快(?)キャラだとよく自覚しているので、社会生活を営む上で自ずとこうなったまでで、自分を追い込んでキレるはめにならないように、極力注意している(笑)。
プロクラスティネーターっていうのは、最後の追い込みをかけられる自負がそうさせるのでは???

閑話休題・・・。
前回に「メヘレンの最終回で」、なんて書いていたけれど、あまりにも雰囲気が違うので忘れていた・・・、この博物館もメヘレンだったよ。 その古風な町とは別物のMechelen Toy Museum (メヘレンおもちゃ博物館)からのイメージ。
ここは、メヘレンの町の中心部からは少し離れた感のある、もう一つの駅Mechelen-Nekkerspoel(メヘレン・ネケスポール)駅の真横にある。 Pおじさんの出店していたEurantica(ユーランティカ)アートフェアの会場、Nekkerhal(ネカホール)もこの駅の近くなので、会場に撮影に行った帰りに立ち寄ってみた。
全体的に近年のおもちゃが多くて(つまり70年代以降の、プラスチックなおもちゃ達)、古い物好きの私には今ひとつだけれど、子供だと帰りたくなくなるかも・・・な、物量。おもちゃの殿堂状態。
その中から、自分のフィルターに引っかかってきた古っぽい奇妙なモノ達のイメージを中心に。


Mechelen Toy Museum
やっぱりミニチュア好きなので、こういうミニチュア・ショップは外せない。
19世紀のものかと。

Mechelen Toy Museum
おもちゃ博物館にある、ミニチュアのおもちゃ屋さん。

Mechelen Toy Museum
万屋さんの右側は日用品で、左側は食料品コーナー。
パッケージが凝っている・・・。

Mechelen Toy Museum
不気味系おばあちゃんの服飾材料店。

Mechelen Toy Museum
食料品店。

Mechelen Toy Museum
人形の家。

Mechelen Toy Museum
子供向けかどうかは疑わしい、ミニチュア・バー。

Mechelen Toy Museum
オママゴト・キット。
オママゴトって「お母さんごっこ(=Mamaごっこ)」のことだとずーっと思っていたら、
ままごと(飯事)から来てるんだと・・・Wikiで知った。
Wikiにも書かれてるけど、私もMamaのことだと疑ってもいなかったよ・・・。
いやー、日本語ってビミョーだわ・・・。

Mechelen Toy Museum
人形たち。

Mechelen Toy Museum
この子たちは服のデザインから、もう20世紀に入って50年代頃かも。
たくさん集合すると、どことなく不気味系な人形たち。

Mechelen Toy Museum
ベルギーの街並み風に作られたキャビネットに展示されている。

Mechelen Toy Museum
影絵やら、

Mechelen Toy Museum
視光学系オモチャ。

Mechelen Toy Museum
中世のオモチャの部屋。
主にブリューゲルの絵画から、中世の子供の遊び・玩具を検証している。

Mechelen Toy Museum
港町の呑み屋の「大人の玩具」ってなんだか、響きが怪しいな。
要は、UKでいうと、パブ・ゲームを展示・解説する部屋。
ビリヤード、ダーツ、カードゲームやコイン投げなど。

Mechelen Toy Museum
手着彩(?)のトランプ。

Mechelen Toy Museum
Eye of Providence(全能の目)が見ているので、
博打もほどほどにね。

Mechelen Toy Museum
キリがないぐらい展示されてる、ぬいぐるみの部屋。

Mechelen Toy Museum
ぬいぐるみには耐性ある方なのだけど、これはカワイイ・・・やられた(笑)。
9ピン・ボーリングなんだと思う。真ん中の猫の王様を倒したら勝ち、かな?

Mechelen Toy Museum
幼少時の積み木マニアとしては、こんなので遊びたかった。

Mechelen Toy Museum
ネオクラシカルな宮殿、今でも作りたい。

Mechelen Toy Museum
Batimaと呼ばれる、レゴの祖先。
1905年にベルギーで開発された初期プラスティック、カゼインで作られたブロック。
20~50年代に販売されていたもの。

Mechelen Toy Museum
この石目調の質感いいなぁ。
幼少時代レゴ建築マニアとしては、真っ白プラスチッキーなレゴより、
これで建築ごっこしたかったよぅ。
ebayにでも出てないかと思わずサーチしてしまった
(残念ながら何も出ていなかった・・・。)

Mechelen Toy Museum
男子系の戦争ごっこオモチャの部屋。
これはBattle of Waterloo(=ワーテルローの戦い)を再現した鉛の兵隊の大規模なキット。
いやまぁ、いつでも勝ち組の英人はウォータールー
(ワーテルローの英語読み、ちなみに、ウチのターミナル駅もこの名前)、
ウェリントン公(ワーテルローの戦いでナポレオン仏軍を破った英将軍)とか聞くと、
エキサイトするのだけれど、
自分などはオモチャでも戦争ごっこを見ていたら、
「もういいかげんやめなさい」と思ってしまうのは・・・、齢のなせる業か(?)。

Mechelen Toy Museum
やめときなさいってば(笑)。

Mechelen Toy Museum
最後の部屋は、ヨーロッパ以外の世界各地のオモチャの紹介。

Mechelen Toy Museum
最後は、アフリカのどこかの国の、ブリキ缶から作られたトラック。
なんだか、アートしている。




Mechelen Toy Museum (メヘレンおもちゃ博物館)
Nekkerspoelstraat 21, B-2800 Mechelen, Belgium

開館:火~金 10 am ~ 5 pm、
閉館:月曜、12月24/25/31日、1月1日

地図:




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St. Rumbold's Cathedral (聖ランボールド大聖堂)- Mechelen(メヘレン)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-04-04 Mon 20:05:25
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年度末の決算もほぼ完了。次々に降って湧いてきていたトラブルも、一つ一つ解決の方向に収まりつつある。
なんだか、気付かずに「非合理的」な方法をとっていたり、向かっていたりするのを「そっちより、こっち」と、より無理のない方向に、でも、「無理やり」に押し出される・押し戻されている感じがする。
こういう時は、感情を混ぜないで(そもそも、どんどん感情が希薄になっていくお年ごろなのだけれど)トラブルを分析していると、機械的に解決策のアイディアが出てきて、これまた機械的に作業をすすめていると・・・、あ、この方がずっとよかったんだー、という結果が先に見えてくる。歳とってきて、老獪(?)になっていくのって楽しいな・・・あはは☆。
いやまた、「次元上昇の入口」とやらから、引き続きわけの分からないトラブルが出てきて、愚痴る羽目になるかもしれないけれど、So far so good(ここまではイケてます)。

さて、今回は先月滞在していたMechelen(メヘレン)の町からの最終回で、St. Rumbold's Cathedral (聖ランボールド大聖堂)のイメージを。


Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
メヘレンの町の中からはもちろん、近隣からでも目印になるこの塔。
14世紀から建造の始まって、15世紀に完成した会堂自体のあとに、
15世紀後半~16世紀にかけて、このベル・タワーが建造された。
本来ならこの塔の上に70メートルのスパイア(尖塔)がつくはずだったのが、
予算が追いつかず、現在の高さにとどまった。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
借り物写真:image source
塔の上に登ると、展望テラスがあるそうだけれど、
軽度高所恐怖症なのを思い出して、上りはしなかった。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
正統な、ゴシック様式。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
中に入ると、ゴシックの骨格に、
付け加えられた装飾はバロックのもの。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
このご本尊が聖ランボールドさん。
6世紀~8世紀と、伝説に諸説あるけれど、
メヘレンで殉教した(殺害された)司教、ということになっているので、
司教冠をかぶって描かれている。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
柱を飾る使徒・聖人達の彫像。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
サイド・チャペルの聖母子像、

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
の、クラウンが見事。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
反対側のサイド・チャペルの装飾は、楽器がモチーフ。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
aisle(側廊)部分を仕切る装飾パネル。
彫りが複雑で、とてもよくできている。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
これらはバロック期のものだけれど、ルネッサンス期には、
メヘレンはアラバスター彫りの中心地だったと聞いたことがある。
Rijksmuseum(国立博物館)収蔵のアラバスター彫り祭壇レリーフで、
メヘレン製というのを2-3見かけた。
その伝統なのか、こういうレリーフがとりわけ美しい。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
カーディナルの墓標(?)なのかな。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
祭壇レリーフ。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
祭壇裏のパネル。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
祭壇後ろの後陣に当たる部分に収められた聖遺物。
聖ランボールドの遺骨の一部という話。
この遺骨を分析して、6世紀後末から7世紀前半のものと判明して、
伝説上の聖ランボールド8世紀在住説が覆されたそう。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
また別の聖遺物。
造形的にこういうオブジェにソフト・ポイントあり・・・。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
その後ろの壁のペイント。
これは中世風に19世紀に描かれた「リヴァイヴァル」スタイルかと。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
しかし、このチャペルの壁面ペイントと彫刻は古い。
14-15世紀頃の建造初期のものかと。
宗教戦争の頃に、壁面から天井まで真っ白に塗りつぶされたところから、
近年修復されつつある様子。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
そういえば、ここの天井もそう。
元々は青地に金の星が散りばめられていたはず。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
修復されている様子をズームで。

Saint Rumbold's Cathedral, Mecehlen
最後にエントランス部分の間仕切りの、秀麗な装飾を。



St. Rumbold's Cathedral (聖ランボールド大聖堂)
Onder-Den-Toren 12, 2800 Mechelen, Belgium

Map:






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Mechelen Town (メヘレンの町)-2-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-04-01 Fri 21:56:20
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雑務と諸般連絡事項に追われて、へろへろの上に、年度末。帳面付けですわ・・・sigh。
近頃は、エクセル・オンライン上で毎日まめにつけているので、年度末はまとめるだけ。楽といえば楽だけど、やっぱり楽しいものじゃない。
今年に入ってから、世間も私のまわりでも、いろいろなところでトラブル/行き違いやら、障害が起きているのだけれど、スピ系の友人に言わせると「地球の次元上昇の入口が開いたから。」(はぁ?)だそうで、それならもう、いっそそのままトラブルごとまとめて、ブラックホールにでも吸い込まれておしまい・・・という、軽く呪い系な気分(笑)。

閑話休題、気を取り直して、今回もまた先日滞在していたBrussels(ブラッセル)郊外の町、Mrchelen(メヘレン)のイメージを、いろいろとりとめなく。


Mechelen -Street
朝日に映える、これまた別の教会(聖堂)で、Our Lady of Hanswijk Basilica。

Mechelen -Street
Euranticaアートフェアの会場から、町の中に戻る川沿いの小道。
Bimsemと呼ばれる学校機関のタワーと、
聖ランボルド大聖堂のタワーが見える。

Mechelen - Town
現在は交通量の多いラウンドアバウトの真ん中に、取り残されているけれど、
元々は、ブラッセル方面からメヘレンに入ってくる入り口の城門。

Mechelen - Town
聖ランボルド大聖堂裏の路地。

Mechelen - Town
学校(?)なのかな。
メヘレンの町では、今ちょうど、上下水道管の敷換え工事があちこちで行われている。
この建物の前も、工事が終わった後で、石畳を敷き直しているところ。

Mechelen - Town
UKなどでは、もはやほとんどお目にかかることのない石畳。
ベルギーの町ではあちこちで現役で使用されている。

Mechelen - Town
で、あたりまえだけど、手作業!!
このパターンに延々作っていくのはかなりの職人芸。
そして、この重労働、腰によくなさそう。
欧米人はいわゆる「ヤンキー座り」(もしかすると方言/死語かな?)ができない。
足首が柔らかくないかららしい。
なので、地面の作業はこういう姿勢か、膝を付いて、ということになる。

Mechelen - Town
その近くを流れる水路。

Mechelen - Town
そのまた近くのパッセージ。

Mechelen -Street
私達が滞在していたのも、このパッセージの奥にあるコテージ。

Mechelen -Street
こんなところ。
1階にキッチン/ダイニングとリビングルーム、
2階の2部屋をPおじさんと、ティエリー氏が使って、私は屋根裏部屋。

Mechelen -Street
路地の奥に、その昔共同で使われていた給水ポンプが、今でも残っている。

Mechelen -Street
これはまた近所の別のパッセージ。

Mineral stone shop - De Alruin
その前を通って、コテージから5分ぐらい歩いたところに、
普通の住宅にウィンドウの付いたような・・・店。
ここが、Pおじさんの見つけてきた天然石ショップ、De Alruin

Mineral stone shop - De Alruin
表向きは地味なのだけれど、店の中はたいがいな物量。

Mineral stone shop - De Alruin
そして、レア度高し。
こういうオーナーの「趣味の店」は、ロンドンなどの大都会では、
全く生存不可なので、見つけるととても嬉しくなる。

Mineral stone shop - De Alruin
そして、いろいろお買い物。

あ、いや、石の話ではなく町の話だった・・・。

Mechelen -Street
中庭に彫刻のある建物。

Mechelen -Street
イエローと赤のストライプに、単頭の黒鷲のシールドが、メヘレンの旗。

Mechelen, renovation for ruined church into town library building.
上下水道のリニューアル以外にも、あちこちで工事やリノベーションが進行中。
この、廃墟になっていた修道院コンプレックスも、市民図書館にリノベーション中。
Pおじさんの箱の中のようだけあって、Pおじさん激興味。
工事中なので中には入れてもらえなくて、入口の外から「撮ってくれ。」と、頼まれる。

Mechelen, renovation for ruined church into town library building.
18世紀の天井画がおぼろげに残っている。

Mechelen, renovation for ruined church into town library building.
バロック x インダストリアルで、カッコよすぎる(笑)。

Mechelen, renovation for ruined church into town library building.

Mechelen, renovation for ruined church into town library building.
完成予想図。

Mechelen -Street
最後は、聖ランボルド大聖堂のタワーの夜景。

次回はこの聖ランボルド大聖堂のイメージを。



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