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2016年05月 Archive

Cathedral of Our Lady Antwerp (聖母大聖堂アントワープ)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-05-28 Sat 20:02:52
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標本箱は再び、アントワープに戻ってきて、アントワープ大聖堂、正確にはCathedral of Our Lady Antwerp (聖母大聖堂アントワープ)のイメージを。


Cathedral of Our Lady Antwerp
アントワープのど真ん中にそそり立つ、
13世紀由来のゴシック建築。

Cathedral of Our Lady Antwerp
このリアルに端正な感じが、19世紀的だなと思って、
Wikiを読んでみたら、この大聖堂、
宗教戦争やら、フランス革命軍やらで、何度も何度も
破壊・略奪されてきた踏んだり蹴ったりの歴史。
現在の状態に完全に修復されたのは、
やはり見たとおり19世紀のことだそう。

Cathedral of Our Lady Antwerp
それでも秀麗・華麗なティンパヌム。

Cathedral of Our Lady Antwerp
内部のインテリア。

Cathedral of Our Lady Antwerp
これは15世紀ぐらいかな、天井装飾の一部が、
白く塗り込められた下から修復されている。

Cathedral of Our Lady Antwerp
祭壇部分のヴォールト装飾も修復されたもの。

Cathedral of Our Lady Antwerp
その下に掲げられた、主祭壇のジーザス先生。

Cathedral of Our Lady Antwerp
Trancept(翼廊)のCrossing(交差点)がタワー状になっている。
正面左のベルタワーとは別物で、
先端にOnion dome(タマネギ・ドーム)の乗っかった方のタワー。

Cathedral of Our Lady Antwerp
その天井画は、"The assumption of the Virgin"(聖母昇天)
Cornelis Schut1647年の作品。

Cathedral of Our Lady Antwerp
そうそう、"The assumption of the Virgin"(聖母昇天)といえば、
この教会で一番有名なのは、主祭壇画のルーベンス・ヴァージョン。

Cathedral of Our Lady Antwerp
なんとも色っぽいマリア母さま。
ルーベンス1625-26年の作品。
余談だけれど、日本語だと「Jesus' Ascension(キリストの昇天)」も、
「Mary's Assumption(聖母メアリーの昇天)」のどちらも
「昇天」という同一語を用いるけれど、
英語だとAscensionとAssumptionと、別の用語が使われる。
これは、キリストは「自力で上昇」して、
聖母は「キリストの力によって引き上げられた」という違いなのだそう。
キリストも天界の父様が引き上げたんでないのかい?
などと、私は突っ込んでしまいそうになるが・・・、
あくまでも自力上昇なのだそう。

Cathedral of Our Lady Antwerp
主祭壇左側の‘The raising of the cross’
(十字架を立てる←日本語が解らない・・・)
も、ルーベンス1609-1610年の作品。
元々は、St Walburgis教会の祭壇画だったものが、
フランス革命軍によって他のお宝ともども略奪され、
元あった教会も破壊されたため、
1815年にこの大聖堂に返却されたのだそう。
散々な歴史をくぐり抜けてきている絵画たち。

Cathedral of Our Lady Antwerp
もう一つ1611-1614年のルーベンスの作、
‘The descent from the cross’
(十字架からの降下←日本語の正式名称不明)

Cathedral of Our Lady Antwerp
Last Judgement and the Seven Works of Mercy,
Bernard van Orley 1518-1519年
このトリプティックは、Royal Museum of Fine Arts Antwerp
(アントワープ王立美術館)所蔵のもの。
この美術館が2019年まで、大改修のため閉館していて、
特別企画展として、ここの大聖堂に貸し出しされていたもののよう。

Cathedral of Our Lady Antwerp
このミカエルや背景のバラ色の広がるイメージに惹きこまれる。

Cathedral of Our Lady Antwerp
オーク材のクワイヤ・ストールは、
この大聖堂の19世紀の復興の中心人物だった
建築家François Durletの設計で、
1840年から1883年まで40年以上かけて制作された。

Cathedral of Our Lady Antwerp
見事なゴシック・リヴァイヴァル。

Cathedral of Our Lady Antwerp
このバラ窓も、19世紀復興時のもの。

Cathedral of Our Lady Antwerp
とてもゴシック風にデザインされている。

Cathedral of Our Lady Antwerp
Trancept(翼廊)北面のステンドグラスは、1616年のもの。
なので、実はこの方が古い。

Cathedral of Our Lady Antwerp
この力強く、くっきりした感じが、ゴシック・リヴァイヴァルの典型。

Cathedral of Our Lady Antwerp

Cathedral of Our Lady Antwerp
お見事なシャンデリア、これも19世紀。

Cathedral of Our Lady Antwerp
St Joseph retable(聖ヨセフ祭壇画)19世紀。

Cathedral of Our Lady Antwerp
地上の父さんのストーリーが、レリーフで描かれている。

Cathedral of Our Lady Antwerp
再度チャペルのこの天上の父さんは、
バロック期の生き残りと思われる。

Cathedral of Our Lady Antwerp
こちらのサイドチャペルも、賑々しくバロック。

Cathedral of Our Lady Antwerp
サイド・チャペルの16世紀の、
Devotional statue ‘Our Lady of Antwerp’
(献身彫像「アントワープの聖母」)
こういう献身彫像は、きせかえ式になっている。
ここのものもそうで、いろいろご衣装をお持ちなのだそう。

Cathedral of Our Lady Antwerp
これは奥のサイドチャペル(だったかな・・・)で、
修復された16世紀(多分)の壁画。
典型的なルネッサンス様式。

Cathedral of Our Lady Antwerp
最後に、展示されていた、この大盛堂の建築モデル。



Cathedral of Our Lady Antwerp
(聖母大聖堂アントワープ)

Groenplaats 21, 2000 Antwerpen, Belgium

Map:





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Kenwood House in Hampstead Heath (ハムステッド・ヒースのケンウッド・ハウス)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2016-05-24 Tue 21:10:11
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アントワープの話の間に、この前天気のいい夏日に訪れたHampstead Heath(ハムステッド・ヒース)のKenwood House (ケンウッド・ハウス)のイメージを。

ここは現在はEnglish Heritage(イングリッシュ・ヘリテージ)の管轄下で、無料で一般公開されている。
ウン十年前にロンドンに滞在していた頃は、夏の夕暮れに、この建物の前で催されていた野外クラシック・コンサートが有名だったのだけれど、それはもう遠い過去の話のよう。ポップスのコンサートになって、周辺住民から騒音の苦情が出て(この界隈はロンドンの最高級住宅地の一つだし・・・)、場所が変更になったりしたものの、結局人気がなくなってしまって、2014年頃には消滅してしまったイベントらしい。(唯一、クラシカル・コンサートが夏に一度、サマー・ガラ・コンサートとして、ここのオランジェリーで催されているのが、名残といえば名残かな?)
いや、時代は移り変わっているもんだと、改めてオバサンぶりを実感したのだった。

本題のケンウッドのお屋敷の方。
1764-1779年にかけて、初代マンスフィールド伯爵ウィリアム・マレーが、建築家ロバート・アダムに発注して建造した、ネオクラシカルの典型の建造物。
相続税対策で一族から売却されたものを、1925年にギネスビール社会長の初代アイヴィー伯爵エドワード・セシル・ギネスが購入して、彼の絵画コレクションを展示する場となった。1927年の彼の死後国に寄贈され、1928年には一般公開が始まった。
ケンウッドといえば、夏のコンサートとしか認識できていなくて、今回ロンドンに週末遊びに来たPおじさんを案内して、初めてここの絵画コレクションを拝見。有名ドコロ満載に驚く。
とはいうものの、相変わらず、絵画よりインテリアなので、インテリア写真を中心に。


Hampstead Heath
この日は最高の夏日の日曜日。
ハムステッド・ヒースは丘になっているので、
ロンドン一望のヴュー・ポイント。

Hampstead Heath
左にガーキン、その次真ん中寄りにシャード、
右寄りに微かにロンドン・アイ、一番右にBTタワーが見える。

Hampstead Heath
池を下に見てなだらかな丘の上にケンウッド・ハウスは建っている。

Kenwood House Cafe
まずは、お茶することにして、併設するカフェへ。
このエリアは犬連れOK。
右のエリアは犬禁止エリア。

Kenwood House Cafe
お茶もケーキも、ランチもなかなかいける。
そして、アイスクリームがすぐれもの。

Kenwood House Cafe
ここは犬禁止エリア。
Pおじさんは猫好き、犬は好きそうでないので、
このエリアに席を取る。

Kenwood House
お茶の後、ハウスへ。
その途中のウィステリア(藤)が見事に咲いている。
この花を見ると、初夏なんだなーという感じがする。

Kenwood House
ハウス正面入口。
あまりにも端正なネオクラシカル様式。
屋敷というより、博物館・・・のような印象。

Kenwood House
中もネオ・クラの典型。
図書室への入り口ホール。

Kenwood House
その、図書室。
この・・・パステルカラーの色合いにちょっとびっくり。
なぜまたこの色のチョイス?

Kenwood House
ウエッジウッド風ともいえるけれど。

Kenwood House
多分ここの紋章がライオンだったのだと思う。
あちこちにライオンのモチーフが描かれている。

Kenwood House
部屋がこんなだったら、
蔵書は(フランス風に)白いキッド革装丁だったらいいのにね。

Kenwood House
絵画展示室。
フェルメール、レンブラント、ハルスなど、
ナショナルギャラリー級のオランダ絵画のお宝がごっそり。
こんなところにあるとは知らなかった。

Vermeer/Kenwood House
Photo by NorikoStardust
Vermeer(フェルメール)は、同行のDanaさんのチョイス。

Kenwood House
私のチョイスは、筆さばきのお見事な、
Frans Hals(フランス・ハルス)。

Kenwood House
ロココ絵画にDanaさんと、Pおじさん。
Pおじさん、パイナップルが消化できない体質なのに、
ビュッフェ朝ごはんのフルーツに、パイナップルが混じっていたらしく、
気の毒にも体調不調。
この後結局、ヒースで日光浴してまったりしただけで、ホテルに戻った。
翌日にはすっかり元気になって、ユーロスターで帰ったそうで、
それを聞いて安心したけど。

Kenwood House
奥の部屋にはGainsborough(ゲインズバラ)などのコレクション。

Kenwood House

Kenwood House
Joshua Reynolds(ジョシュア・レノルズ)のコレクションが、
集められている部屋。

Kenwood House
この部屋の、大理石の暖炉にも、ライオンの装飾。

Kenwood House
2階の部屋には16世紀後半のサフォーク・コレクション。
これらはサフォーク家および、
バークシャー家の受け継いできた家族肖像画で、
第十一代サフォーク伯爵夫人の遺言で寄贈されたものだそう。
こういうジャコビアン~スチュアートの頃の、
典型的なイギリス絵画の工芸的なところも、好きだったりする。

Kenwood House
2階にはもう一室、ジュエリーや、
ミニアチュアのコレクションを展示する部屋もある。

Hampstead Heath
この後は、前の芝生に寝転んで日光浴したり、
(Danaさんと私は)ランチを食べたり、
アイスクリームを食べたりのんびりまったり。
Pおじさんは食べられなかったのが、ちょっと気の毒。
それでも、天気がよかったので、気持ちのいい休日を楽しんできましたよ。



Kenwood House(ケンウッド・ハウス)

Map:





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Plantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)-3-

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仕事でインテリア撮影に行ってたり、その先でトライポッド倒してスーパーワイド・レンズ折って、修理屋に駈け込んだり・・・で何かと忙しくしております。
「トライポッド倒してレンズ折る」の話は聞いたことがあるけど、比較的物を落としたり壊したりしない方の自分がやるとはね・・・Alas。
修理屋のお兄さん曰く「たいてい一度はやりますよ。」よくある話だそうで、ガラスレンズ自体は無傷で、新しいのを買うよりは安く修理できそう、なので、入院中。
もう一度同じクライアントさんで、第二弾ののインテリア撮影が来週の予定だったのを、レンズが退院してくる再来週に延期してもらったり・・・ヤレヤレ。
教訓:たとえつかの間でも、トライポッドを半開きで立ててはなりませぬ。

さて、本題はアントワープのPlantin-Moretus Museumプランタン・モレトゥス博物館)の最終回。まだまだ写真はあるけれど、なんとか今回で話を収めたいかも。


今回は印刷工房の中庭側半分に収納されている写植キャビネットから。

Plantin-Moretus Museum
印刷工房はこのように真ん中の通路を挟んで、
印刷機側と、写植文字キャビネット側に分かれている。
作業としては、このキャビネットから文字を組んで、
向かい側の印刷機に回す。
修正が出るとまたこの写植文字エリアに戻される、というもの。

Plantin-Moretus Museum
その写植文字。
これつまり、16世紀末~17世紀のもの。
写植文字自体ここのまた別の工房で原型が作られ、
鉛の鋳物で量産された。
その工房も通常は公開されているそうだけれど、
改装の始まった一角で、私が訪れた時にはクローズしていた。

Plantin-Moretus Museum
こんな縦に長い楔のような写植文字達が、
木の枠の中にぎっちり並べられる。

Plantin-Moretus Museum
組まれた写植文字と、それを印刷したサンプル。

Plantin-Moretus Museum
写植文字エリアの窓から覗いた中庭。

Plantin-Moretus Museum
工房を出ると、次にルートは図書室に向かう。

Plantin-Moretus Museum
18世紀様式のインテリアの部屋。
ここにも写本が展示されている。

Plantin-Moretus Museum

Plantin-Moretus Museum
小さな書庫が続く。

Plantin-Moretus Museum

Plantin-Moretus Museum

Plantin-Moretus Museum
博物館の中で「The Moretus Room (モレトゥスの部屋)」と呼ばれるこの部屋は、
ちょうど印刷工房の上階にあたる部屋。
1637-39年頃に、この上階が増築された。
当時工房に関連した業務のための部屋として、
増築されたと考えられているが、
具体的にどんな作業が行われた部屋なのかは不明。
現在はここの出版物が展示されている。

Plantin-Moretus Museum
天文学書の図解ページ。

Plantin-Moretus Museum
創業者プランタンが亡くなる1589年の前、
1585年にアントワープがスペイン領に陥落し、
スペインに陥落したローランド各地同様、景気が破綻する。
2代目ヤン・モレトゥス1世は巧みにスペイン王や、
イエズス会から宗教関連の書籍印刷を受注することで、
この危機を乗り切っていく。
1650年には生産はほぼ100%宗教書で、
創設時のアントワープ黄金時代の人文科学的な出版形態は、
もはや過去のものとなっていったのだそう。

Plantin-Moretus Museum
その先に続く部屋は「The Rubens Room(ルーベンスの部屋)」と呼ばれている。

Plantin-Moretus Museum
3代目バルタザール・モレトゥスとルーベンスは学友で、
仲が良かったと伝えられている。
ルーベンスがイタリアから帰国した1608年以降、
学友はプロフェッショナル同士の協力関係に発展する。
この頃から、書籍に豪華な挿絵入りのタイトルページが付くようになった。
このタイトルページや、書籍内の挿絵を、ルーベンスが数多く担当し、大成功をおさめる。
ルーベンス的にも、即金キャッシュで報酬が支払われたのみならず、
数々の書籍も譲り受け、素晴らしい蔵書を築くことができたのだそう。
お互いにメリットがあって、ハッピーな協力体制。
この部屋には、そのルーベンスの描いた挿絵が中心に展示されている。
と、言いつつ、インテリアの方に集中していて、
展示物は撮影せずじまい・・・。

Plantin-Moretus Museum
そして順路はまた、図書室。

Plantin-Moretus Museum
ここに展示されていた、豪華な絵巻物(?)は撮影した。

Plantin-Moretus Museum
なんだか詳細は不明なのだけど。
神聖ローマ帝国、ハプスバーグ家に関連しているものかと???

Plantin-Moretus Museum
枢機卿達。

Plantin-Moretus Museum
その次の部屋が、圧巻の図書室2室。

Plantin-Moretus Museum
最初の(これでも)小図書室。

Plantin-Moretus Museum
その先に繋がる大図書室。

Plantin-Moretus Museum
チャペルとして使用されていた時の名残で、
今でも磔刑画が残されている。

Plantin-Moretus Museum
天球儀・地球儀は18世紀中頃のもの。

Plantin-Moretus Museum
ここの図書室が最後の見どころなのでした。

このミュージアムのヴィデオをオマケに。
26分と長いのだけれど、今回公開されていなかった部屋や、
16世紀当時どのように使われていたか、とても詳しくてよくわかる。






Plantin-Moretus Museum
(プランタン・モレトゥス博物館)

Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgium

開館情報など英文で<このページ

Map:




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Plantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)-2-

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アントワープのPlantin-Moretus Museumプランタン・モレトゥス博物館)から2回目の標本箱。
今回は、オフィスと印刷工房のエリアを。


Plantin-Moretus Museum
順路的に次に入っていくのがこの「The Correctors' Room (校正室)」

Plantin-Moretus Museum
窓辺に机が置かれていて、ここに向かい合わせで2人の校正係が作業した。
初稿と再稿の2回にわたって校正された。
校正者は、オランダ語、フランス語のみならず、
ギリシャ語・イタリア語・ヘブライ語・シリア語・アラム語にいたるまで、
使いこなせた・・・というから、言語の天才かも・・・。

Plantin-Moretus Museum
真ん中に展示されているのは、校正された刷り。

Plantin-Moretus Museum
今も使われているようなリアリティーのある、書類棚。

Plantin-Moretus Museum
次に繋がる小さな部屋はオフィス。

Plantin-Moretus Museum
ガイドブックによると、ここの壁のギルトレザーは、
17-18世紀のメヘレン製。
メヘレンもギルトレザーの産地だったそう。
どうりで、箱いっぱいのギルトレザー・アンティークが
この界隈から出てくるわけだ・・・。

Plantin-Moretus Museum
これは書簡棚。
上下で、届いた手紙、送り出す手紙というように識別されていたそう。

Plantin-Moretus Museum
帳簿用のデスクやら、金庫がこの部屋に集まっている。

Plantin-Moretus Museum
その隣の部屋は「Justus Lipsius(ユストゥス・リプシウス)の部屋」。

Plantin-Moretus Museum
文献・人文学者ユストゥス・リプシウスの著作も、
ここオフィシーナ・プランティニアで制作出版されていて、
彼が仕事でここを訪れた際には、
この部屋が使われた、という伝説。

Plantin-Moretus Museum
確実な根拠はないそうだけど・・・。

Plantin-Moretus Museum
この部屋のアラベスク風ギルトレザーは、スペイン製。

Plantin-Moretus Museum
リプシウスの著作のページ。

Plantin-Moretus Museum
階段のある廊下を抜けて・・・、

Plantin-Moretus Museum
次のルートは「Type Store(活字室)」

Plantin-Moretus Museum
印刷に使用された、歴代の鉛活字が棚に保管されている。

Plantin-Moretus Museum
上のトレイ状の箱に鉛活字が、下にある包は、
予備の鉛活字だそうで、包装紙は活字が制作された時のもの。
鉛は重いので、活字だけで10トン近い重量があるそう。

Plantin-Moretus Museum
いやまぁ、セロテープとスティッカーは、
17世紀のものじゃないけど(笑)。

Plantin-Moretus Museum
暖炉の装飾。

Plantin-Moretus Museum
次の部屋が、印刷工房。
クリストフル・プランタンがこの工房を設立した段階で、
少なくとも16台の印刷機を使い、計56人の従業員が働いていたそうで、
当時世界最大の印刷工房だった。

Plantin-Moretus Museum
銅版画のような輪転式ではなくて、上からプレスする形の印刷方式。

Plantin-Moretus Museum
18世紀まで印刷工は朝6時から夜8時まで
14時間労働だったそうだけれど、
賃金は出来高制だったので、出来る限り長時間働いて、
他の部署よりはるかに高額の賃金を得ていたのだそう。

Plantin-Moretus Museum
この奥の2機が、現存する最古の印刷機で、
1600年頃のもの。

次回はこの部屋の続き、
中庭側半分の、写植文字の話から続きますよ。




Plantin-Moretus Museum
(プランタン・モレトゥス博物館)

Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgium

開館情報など英文で<このページ

Map:



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Plantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)-1-

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ロンドンは、爽やかな春の日々が続いている。
今年に入ってから、立て続けにいろいろ起きていた、仕事+雑務の方もようやく落ち着いて、溜め込んでいた写真のポストプロセスも、ようやくベルンの旅行のあたりにたどり着いた。
そうしたら、突然、件のPおじさんから電話で、「ロンドンから電話しとるぞー」って、何ごと・・・。 突然昨日、ケンジントンのドールハウス・フェスに、リサーチと材料仕入れにやってきたそう。 で、明日は「Kenwood House(ケンウッド・ハウス)へ行きたいから案内せよ」とのお達し。 了解、了解、自称トラベル・プランナーにお任せくだされ。 ついでに帰りに、Fenton House(フェントン・ハウス)もルートに入れて、Hampstead(ハムステッド)高級住宅街散策コースをプランニング中。 明日もいいお天気だといいな。(あ"~、うちの鉄道ラインがメンテナンス工事で、昼過ぎまで止まっている日曜に、代替バスに乗って出かけるですよ・・・。通常ターミナルのWaterlooまで16-20分のところを、1時間10分かけて行きまする・・・汗。)

一方、標本箱は再びAntwerp(アントワープ)の街を漂っていて、今回はPlantin-Moretus Museumプランタン・モレトゥス博物館)のイメージを。

ここは16世紀に出版(当時で言えば、最新テクノロジー)業者、クリストフ・プランタンの印刷工房に端を発して、その屋敷、図書室など、印刷出版関連の機関オフィシーナ・プランティニアが、現在まで完全に保存されている、貴重な例。 2005年7月にユネスコの世界遺産にも登録されている。
現在、少しずつ修復工事が進行中で、私の訪れた3月の段階では、寝室などの私室が公開されていなかった(2016年5月30日~9月29日まで、修改装工事のため全面的に閉館)。 それでも、内容の濃さに圧倒された博物館。 あまりに熱中して写真撮りすぎ・・・なので、3回に分けてエントリー予定。
まず今回は、ルートの最初の、応接室のあたりから話を始めることに。


Plantin-Moretus Museum
まずは、エントランス。
この前の広場で、カーブーツ的セコハン物をわざわざ競りで売る、
430年の歴史(!!)「アントワープ金曜市」が立っていた。
(その話は<このページ>)

Plantin-Moretus Museum
上階は図書館・写本コレクションに充てられている。
そのイメージはまた後ほど。

Plantin-Moretus Museum
最初のSmall Drawing Room (小客間)には、タペストリーが張り詰められていて、
その保全のために、極端に照度が落とされている。
暖炉の上の絵画は、ルーベンスの「ライオン狩り」(原画は在ミュンヘン)の、
同時代の模写。

Plantin-Moretus Museum
ダッチ(オランダ)式のシャンデリア。

Plantin-Moretus Museum
次の部屋はGreat Drawing Room(大客間)。

Plantin-Moretus Museum
歴代の当主の肖像画。

Plantin-Moretus Museum
当時の富裕文化人宅になくてはならない、お宝キャビネット。
左右の肖像画は、左:創始者クリストフ・プランタン、
右:妻、ジャンヌ・リヴィエール、どちらもルーベンスによるもの。
ちなみに、クリストフ・プランタンの孫で3代目の、
バルタザール・モレトゥスとルーベンスは学友だったそうで、
この一族の肖像画を、何枚も描いているのだそう。

Plantin-Moretus Museum
Beam(梁)受けの部分に、黄金のコンパスが描かれている。
これがクリストフ・プランタンの紋章で、
彼のモットー動=「精勤」と不動=「継続」を象徴している。
(ラテン語で「Labore et Constantia」と表記されている。)

Plantin-Moretus Museum
この星の紋章は、事業を継いだクリストフ・プランタンの嫁婿、
Jan Moretus(ヤン・モレトゥス)の息子で、
当主を引き継いだBalthasar I (バルタザール1世)のもの。
Stella duce 「星に導かれる」のモットーで、
Balthasar MoretusのイニシャルB.M.が刻まれている。
これは、キリスト礼拝に、三博士が星に導かれた伝説に由来している。

Plantin-Moretus Museum
その次の部屋はManuscripts Room(写本室)と呼ばれている。
この一族のコレクションに638点の写本が含まれている。
その中でも、重要なものを厳選して、この部屋に展示されているのだそう。
当初は、写本原本を入手して、それを出版にかけるための「素材」として、
ビジネス目的で写本が収集された。
(当時、コピーライトの概念がなくてよかったね・・・笑、
あ、今でも、70年経ってたらいいのか?)

Plantin-Moretus Museum
同室を反対側から。

Plantin-Moretus Museum
15世紀初頭の聖書写本。
プラハにて、ボヘミア王ウィンセスラス4世のために制作されたもの。
後半が未完だそうで、その部分から、制作プロセスが研究できるため、
完成されたものより、一段と貴重な資料なのだそう。

Plantin-Moretus Museum
ディティール。

Plantin-Moretus Museum


Plantin-Moretus Museum
このあたりが未完の部分なのかな。
装飾部分にブルーの下描きだけが残っている。

Plantin-Moretus Museum
これもまた、Dの頭文字に濃厚な装飾が付くはず・・・だったもの。

Plantin-Moretus Museum
オウムを狙う、ネズミ色した猫のディティール。

Plantin-Moretus Museum
これはイリュミネート写本じゃないけれど、手書きの書籍。

Plantin-Moretus Museum
暖炉のタイルは建物シリーズ。

ここから順路は中庭へ続く。

Plantin-Moretus Museum
写本室のドアから出たところ。

Plantin-Moretus Museum
反対側から見たところ。
中庭を取り囲む建物は、元々建っていたものを購入して、
敷地を拡大していった場合もあり、
それぞれの階段やらドアやら複雑につながっている。
アーケードはその奥の建物の、細々した様式を隠すために、
2階の増築時に付け足されたものだとか。

Plantin-Moretus Museum
中庭にもあちこちに、歴代当主のバストがはめ込まれている。

Plantin-Moretus Museum
これは星を紋章にした、バルタザール・モレトゥス。

Plantin-Moretus Museum
これは初代の、クリストフ・プランタン。
コンパス・マークのモットーが下に付いている。

Plantin-Moretus Museum
アーケードの部分。
この階段はこの時は、上階が閉められていたのだけれど、
ここから寝室のエリアに上がっていく。
改装の終わっている、来年もまた行ってみようかな。

Plantin-Moretus Museum
手すりの装飾のライオン。

Plantin-Moretus Museum
アーケードの角。
別の建物の、小さな中庭だった様子がうかがえる。

Plantin-Moretus Museum
その隣の部屋は、キッチン。

Plantin-Moretus Museum


Plantin-Moretus Museum
そのドア。

ここから次に、仕事場の方に続いていく・・・、
というところで、続きは次回に。




Plantin-Moretus Museum
(プランタン・モレトゥス博物館)

Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgium

開館情報など英文で<このページ

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Making of Kotomi Jewellery (Kotomiジュエリー制作ヴィデオ)

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アンドロイド用の三脚なるものを買ってみた。そこで思いついたのが「もしかして自分の制作風景を、ヴィデオで撮れるんじゃない?」ということ。
今日はけっこうのんびりした一日だったので、さっそくやり始めてみた。
編集はしたものの、そのまま見ているととても退屈するので、4倍速送り。(InstagramやEtsyの方にUPしたのは、1分以内の規定に収まるように、8倍速。これはちょっとせわしない。)
アングルに慣れてないし、所詮アンドロイドカメラなので、あまりクオリティーはよくないけど、こんなプロセスで造っておりますの参考までに・・・。


Making of Kotomi Jewellery

次回からは、またアントワープに戻って、
いつものフルサイズ標本箱に復帰予定。


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Kotomiジュエリー - Etsy(エッツィー)/Amazon.com 新リスティング

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おかげさまで、気がついたら、Etsyショップが少し品薄に。そこでまた、春夏もののトップ・アップ・アイテムを中心に10点をEtsyとHandmade@Amazonにリスティング完了。
いつものように、標本箱でも広報活動に勤しむことに。
Etsy(エッツィー)の方は、日本の方は日本語で見ていただけることと。ハンドメイドAmazon.comの方は英語のみのページです。
Etsy(エッツィー)リスティング、ハンドメイド@Amazon.comリスティングの各ページリンクを添付、ぜひのぞいてみてくださいね。


N-4013 $125
コイン型白淡水パールのチャーム・ネックレス

N-4013
Etsy(エッツィー)ショップ
ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4023 $110
白~グレイのアゲートとクオーツ・淡水パールのロング・ペンダント

N-4023
Etsy(エッツィー)ショップ
ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4058 $115
ルチルクオーツと白パールのクロス・ぺンダント

N-4058
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ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4112 Sold
淡ミント・ブルー、アマゾナイト石とパールのクロス形ペンダント

N-4112
Etsy(エッツィー)ショップ
ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4134 $115
クリア・クオーツとクリスタル石の、ドロップ型ロング・ペンダント

N-4134
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ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4169 $115
クリア・クオーツのクロス形ロングチェーン・ペンダント

N-4169
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ハンドメイド@Amazon.comショップ

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N-4181 $105
テクスチャー入ガラス・カボション、チャーム型ネックレス

N-4181
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N-4187 $110
フロスト・ガラス石のチャーム・ネックレス

N-4181
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N-4192 $105
白淡水パールとクリスタル・ガラス石のクロス形ペンダント

N-4181
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N-4193 $110
白淡水パールとクリスタル・ガラス石のクロス形ペンダント

N-4193
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Museum Mayer van den Bergh(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)-2-

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先日ベルンに行った時、初日が激寒くて、街歩きしていて、配偶者氏ともども遭難・凍死するかと思って、川辺の崖の上の(風光明媚ヴューポイントの)テラスを見ないでホテルに大急ぎで戻った・・・のは、先週の話。 ロンドンも雹が降ったりで、全北ヨーロッパ、寒かったとか。
で、ここ2日ほど、突然夏日、24℃超えてるんですけど・・・。 ヨーロッパは湿度が低いので、日差しがきつくて、天気がいいと、そして気温が20℃をこえると・・・、日向は30℃を軽く超える。それが、今日ですわ、あっつー・・・。 イギリスには四季はなくて、冬・夏の二季しかないというのは、多分本当の話。 高温・日差しに弱いので、部屋の中でおとなしく、ヲタクっていることにする。

ロンドンは一昨日の木曜日にロンドン市長選があって、労働党のSadiq Khan(サディク・カーン)氏が当選して、初のムスリム市長となった。 自分は、基本的に労働党支持者じゃないけれど、近頃の時勢の中で(中だからこそ)、この選択をするロンドン、ロンドン市民の決断に、拍手を送りたいと思う。 相対峙した保守党は、戦略完全に大間違い。宗教・人種差別的方向にキャンペーンを持っていって、案の定敗北。 今後も、かなり痛手が響くと思うよ、こんなことしたら・・・。

天気とも政治とも縁のない、本題に戻って、Museum Mayer van den Berghマイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)のイメージの続編を。


Museum Mayer van den Bergh
この部屋では、この美術館の中で最も有名か・・・という、
Pieter Bruegel the Elder(ピーテル・ブリューゲル父)の作品がかためて展示されている。

Museum Mayer van den Bergh
Mad Meg (Dulle Griet) 「悪女フリート」by Pieter Bruegel the Elder 1562
あー、おばちゃんらの破壊力をなめたらあかんよ・・・。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
世界で一番女性のイカツイ国UK
(私見だが、多分当たっている・・・笑)にいると、実感あるある。

Museum Mayer van den Bergh
The Temptation of St Anthony Abbot(「聖アントニウスの誘惑」)by Pieter Huys, 1577
ピーテル・ブリューゲル父とよく似ているけれど、これはピーター・ハウスの作。
ブリューゲルとともに、Hieronymus Bosch(ヒエロニムス・ボス)の影響を強く受けている。

Museum Mayer van den Bergh
ボスのおかげでこんなものが流行りだしたじゃないか・・・(笑)。

Museum Mayer van den Bergh
Twelve proverbs on wooden plates by by Pieter Bruegel the Elder, 1558
「12のことわざ」
ピーテル・ブリューゲルのことわざシリーズの絵画では、
ベルリンの作品>が有名だけれど、
これは一つ一つを一枚のパネルに描いたもの。

Museum Mayer van den Bergh
「月におしっこ掛け」というのは、「無駄なことをして、時間を費やす」
ということだそうで、<英文出典

Museum Mayer van den Bergh
これは、「水に映る太陽を見ることが出来ない」を表していて、
「他人の成功を妬む」という意味だそう。

Museum Mayer van den Bergh
この部屋には、ガラス器や陶器も少し展示されている。
こういう、ヘタウマ系のエナメル彩されたガラス器にソフトポイント有・・・。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
これはまた別の18世紀のもの。

Museum Mayer van den Bergh
次の部屋に移動すると、ここがまた「濃い」インテリア。

Museum Mayer van den Bergh
壁面はギルトレザーで覆われて、写本の展示があるため、
採光も低く落とされている。

Museum Mayer van den Bergh
図書室で、写本を中心に展示されている。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
その写本の一つ。
鷲がメッセージを届けているので、John the Evangelist(福音記者ヨハネ)。
Evangelium Secundum Iohannemこと、「ヨハネによる福音書」の冒頭ページ。

Museum Mayer van den Bergh
階段を上がった次の部屋は、対象的に明るい18世紀のインテリア。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
奥の部屋ではレースや、刺繍の展示。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
ロマンティックな静物画。

Museum Mayer van den Bergh

この部屋からまた階下に降りて、増築された新展示室に向かう。

Museum Mayer van den Bergh
ここでも、中世絵画やタペストリーのコレクションが展示されている。

Museum Mayer van den Bergh
ここで目に止まった一点。
「聖母子」 Master of the Legend of the Magdalen(マグダレン伝説のマスター)
ブラッセル、1490-1500頃

Museum Mayer van den Bergh
ディティール。

Museum Mayer van den Bergh
最後にエントランス近くのステンドグラス。



Museum Mayer van den Bergh
(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)

Lange Gasthuisstraat 19
2000 Antwerp

開館:火~日 10:00am~5:00pm 月・閉館。
入場料 € 8 (各種割引詳細は英文で<このページ>)

地図:




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Museum Mayer van den Bergh(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)-1-

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話は再び3月のアントワープに戻ってきて、今回はMuseum Mayer van den Berghマイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館)のイメージを。
相変わらず英語読みしか出来ないので「メイヤー・ヴァン・デン・バー・ミュージアム」と読んでいたけれど、Wikiに日本語ページがあったので、カタカナ表記が判明。Googleに発音させると「ベルへ(喉にひっかかった"へ")」のような発音のよう。

このミュージアムは、19世紀の美術コレクター、フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルフのコレクションを、1901年に彼が乗馬事故でなくなった後、彼の母のヘンリエットが博物館を建ててコレクションとともに、1904年からプライベート・ミュージアムとして、限定公開したもの。その後1924年から、一般公開が始まった。
訪れているときは、17世紀の屋敷にしてはレイアウトが、なんとなく不自然なので、その後ミュージアム用に改装されたものか?・・・と考えていた。 このエントリーを書くのに下調べして、初めて、全くの19世紀の建造物だと判明。なるほど・・・・。



Museum Mayer van den Bergh
そのミュージアムの正面。
ゴシック・リヴァイヴァル様式の建物、ということになるけれど、
正面は完全に17世紀だと思い込んでいた・・・。

Museum Mayer van den Bergh
エントランスホールと階段。

Museum Mayer van den Bergh
真ん中に掲げられた肖像画が、フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルフ

Fritz Mayer van den Bergh by Jozef Janssens
この方。事故で亡くなる年に描かれた肖像画。
元々は、中世~ルネッサンス期の工芸品やコインのコレクターだったのだけれど、
1892年頃から、中世絵画にコレクションの中心が移行していく。
その頃各地の主要博物館・美術館が、中世美術に関心を向け始めた頃で、
彼のコレクションは、時代を先取りしていたとも考えられている。

Museum Mayer van den Bergh
最初の展示室。ここも、ギルト・レザーの壁・・・、
なものだから、17世紀の建造だと思いこんだ次第。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
Portraits of the Vekemans family by Cornelis de Vos, ca 1625.
(フェケマンス一家のポートレート)
左右の子どもたちは、ドレスを着ているけれど息子たち。
19世紀頃まで、男の子でも幼いうちはドレスを着せられていた。
なので、髪型や持ち物で、ぼっちゃん、嬢ちゃんが判断される。

Museum Mayer van den Bergh
さて、そのギルト・レザー。
およそ60x90cmのパネルがスタンダードサイズとなっている。
これは、牛一頭のハイド(革)のサイズに由来する。
このレザーを型押しして、(金彩に見えるけれど)銀箔を施し、その上から着彩される。
黄色いワニス・コーティングを塗り、銀箔地がゴールド色に仕上げられる。
主にスペインで生産されたものだったので、
スペイン・ハプスブルグ領だったローランド地域(オランダ、ベルギー)で、頻繁に目にする。
(何度も書くけれど、イギリスではそれほど例がない。
イギリスではオーク材の木製パネリングがこの時代のインテリアの主流なのだった。)

Museum Mayer van den Bergh
次の部屋は中世の祭壇画を中心に、展示されている。

Museum Mayer van den Bergh

Museum Mayer van den Bergh
木彫のゴシック天使達。

Museum Mayer van den Bergh
暖炉のタイルは、デルフトかな。

Museum Mayer van den Bergh
隣の部屋に中世美術の展示は引き続く。
13世紀初頭に制作された、キリストとヨハネの彫像。
最後の晩餐のシーン。
そう、ジーザス先生にしだれ掛かっている青年がいたら、
それは「主に愛されし弟子」ヨハネなのだった。

Museum Mayer van den Bergh
詳細が不明だけれど、祭壇画「キリストの復活」。

Museum Mayer van den Bergh
「キリスト生誕」。

Museum Mayer van den Bergh
どちらかと言えば、インテリアの方に興味津々。
ゴシックな暖炉に、

Museum Mayer van den Bergh
再びデルフト・タイル。

Museum Mayer van den Bergh
ウッドパネリングのキャビネットに、ステンドグラス。

Museum Mayer van den Bergh
途中の廊下になった部分に、チャーミングな17世紀静物画が数点。

Museum Mayer van den Bergh
このガラスの表現が秀逸・・・。

Museum Mayer van den Bergh
そしてこれも。

Museum Mayer van den Bergh
クローズアップで。

次回も、このミュージアムから続きますよ。



Museum Mayer van den Bergh
(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)

Lange Gasthuisstraat 19
2000 Antwerp

開館:火~日 10:00am~5:00pm 月・閉館。
入場料 € 8 (各種割引詳細は英文で<このページ>)

地図:



おまけヴィデオは、なぜだかやたら景気のいい、
ここのミュージアムのプロモーションビデオ。





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