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2021年05月 Archive

Sir John Soane Museum (サー・ジョン・ソーンズ博物館) 再び -1-

無事、夏日に突入したロンドン。
ロンドンに四季というのはなくて、あるとしたら二季、冬か夏か。ただそれがきっぱりと分かれてなくて、夏と冬が入り乱れている・・・そんな印象。 ともあれ、おそらく・・・暖房器具はもういらないであろうというので、屋根裏にしまっている扇風機や空気清浄機(花粉症対策)と入れ替え作業をしておりました。

今回は、ロンドンでも屈指の奇妙な博物館、Sir John Soane Museum (サー・ジョン・ソーンズ博物館)のイメージを。
以前標本箱にも詰め込んだことがあるのだけれど<このページ>、当時館内撮影禁止のポリシーだったため、借り物写真で構成したら、大半の写真が非公開になってしまって、もう何が何だか分からない事に。
2020年の第一回ロックダウン後の秋に再オープンした時から、狭い館内なので大幅に入場制限して、部屋の移動もその前の人(達)が、部屋から出てから呼び入れてもらえる・・・というようなシステムになってたのだけれど、展示品だらけの館内で、混み合った状態で撮影して、間違って展示品に障害を与える・・・ようなことが無いと判断されたためか、写真撮影がOKになった。
ただし、念の為に問い合わせてみたら、ミラーレスカメラまでで、大型フルフレームのズーム・ガンレフとかはNGだそう。
そんなわけで、ミラーレスで2020年10月末の撮影です。


Sir John Soane's Museum, London
訪れた時は、やはりここも改装中。
外観は足場で覆われていた。

Sir John Soane's Museum, London
なので、この外観は今年の3月に、
近くを通りかかった時に撮ったもの。

Sir John Soane's Museum, London
エントランスを入って最初の展示室は、
ライブラリー兼ダイニングルーム。

Sir John Soane's Museum, London
時代的にも前回の大英博物館
エンライトメント・ギャラリーズと同じ頃。
なので、どことなくエンライトメント・ギャラリーズ
の小型版というか、家庭版というか・・・の感あり。

Sir John Soane's Museum, London
18世紀末から19世紀にかけて、
教養人たるもの・・・
本とギリシャの壺は、必須アイテム。

Sir John Soane's Museum, London
向かいの本棚側には、
コンテンポラリーの椅子の展示があったりで、
個人的にはこういう「コラボ」は、
迷惑以外の何物でもない(笑)。

Sir John Soane's Museum, London
この一角が、ダイニング。

Sir John Soane's Museum, London
窓辺のステンドグラス。
色大理石インレイのプレートは、
多分イタリア製。

Sir John Soane's Museum, London
別のアングルで。

Sir John Soane's Museum, London
窓の外側には小さな中庭がある。
ここも、イタリア的なるレリーフ彫刻が
溢れ出している。

Sir John Soane's Museum, London
時計の下のキャビネットの鏡張りが独特。
これ以外にも、室内のいろいろなコーナーに
鏡が使われていて、
自然光を回し込んで使う工夫が色々と。

Sir John Soane's Museum, London
ダイニングルームから、
別の展示室を覗き見る。

Sir John Soane's Museum, London
次の展示室はブレイクファスト・ルーム(朝食室)。
手前にまた、コラボのコンテンポラリーものが
写っているけれど、無視してください(笑)。

Sir John Soane's Museum, London
先のダイニングルームとの接続部分
(元々は廊下として造られていたと思う)
の天窓。
ブレックファストルームのテーマカラーに合わせて、
黄色みを帯びたガラスがはめられていて、
一段と黄色い。

Sir John Soane's Museum, London
この部屋のテーマはイエロー。
そして、ゆるいドーム型になった天井の角に、
凸面鏡がいくつも使われている。
光を拡散反射するためのもの。

Sir John Soane's Museum, London
天井には天窓が採られている。

Sir John Soane's Museum, London
天窓のディティール。
使われているのは、
17世紀(かな?)のステンドグラス。

Sir John Soane's Museum, London
ブレイクファスト・ルームの暖炉。

Sir John Soane's Museum, London
メインの展示ホールに入る手前に、
小さな特別展用に改装された一室がある。
その天窓付きのドーム天井。
装飾はネオクラシカル様式の典型。

Sir John Soane's Museum, London
少し引きで撮ったところ。

Sir John Soane's Museum, London
その部屋の横の窓から、
裏に隣り合わせた部分に当たる、
現在のショップの部屋の窓を見たところ。
ガラス自体がカーブしている、
当時の最高級のカーヴ・ウィンドウ。

と、いうところで、次回は、
メインの展示ホールのイメージから。







Sir John Soane Museum 
(サー・ジョン・ソーンズ博物館)


map:






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Enlightenment Galleries, British Museum (エンライトメント・ギャラリーズ、大英博物館)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2021-05-25 Tue 09:00:00
  • 未分類
後1週間ばかりで6月だというのに、寒いですねぇ。気温が15℃を超えんのです(夜は10℃以下で要暖房)。で、連日の曇り空に、にわか雨。庭仕事がはかどらないので(花も、発芽も遅いし)、クサリ気味の初心者マーク庭師です。昔でいうなら「飢饉の年」だよね、今年って・・・と思う。
ペーターおじさんの、ガーデニング一言アドバイス「Patience(我慢)」というのを、イライラ噛み締めております(おじさんは、私のイラチをよくご存知・・・笑)
と、充分ボヤいておくと、それがしっかりウラメに出て、明日からの天候温暖化予報に拍車が掛かることと・・・というヨミもあり(笑)。

さて本題は、今回もまた大英博物館から、人けのない博物館で、この展示室を撮りたかった、の、第二弾、 Enlightenment Galleries, (エンライトメント・ギャラリーズ)。強いて訳せば「啓蒙開化展示室」とでもなるのかな。
18世紀に大英博物館が設立されたときの、最初の展示室の1つ。元々はジョージ3世のコレクションした書物を学者に公開するKing's Library(キングス・ライブラリ)として設置され、1927年に国に寄贈されたその蔵書と、スローン・スクエアに名を留めるコレクター、Hans Sloane(ハンス・スローン←大英博物館の当初は、そもそも、彼のコレクションが基礎になっている)の蔵書コレクションが併合され大英博物館図書館(の一部の部屋)として機能していた。
その後、1998年にセント・パンクラスに隣接して、The British Library(大英図書館)が設立されると、これらの蔵書は大英図書館に移行されて、この展示室は、18世紀の「啓蒙」期に英人が認識していた「世界」を、解説展示する「エンライトメント・ギャラリーズ」として機能することになった。
イギリスでも数少ない「開設当時」の展示方法が保たれている部屋で、Oxford(オックスフォード)のPitt Rivers Museum(ピット・リヴァース博物館)にも合い通じるような(標本箱は<このページ>から2回のエントリー)時代がかった博物館の一室が保たれている。
撮影は2020年10月のもの。


Enlightenment Gallery, British Museum, London
展示室でまず目につくのが彫像達。
以前も彫像など目についたものを、
クローズアップで撮って
標本箱に詰め込んだことがある。
このページ
この部屋も、パンテオン室やミイラ室ほどではないけど、
人混みが絶えないので、
なかなか部屋全体を引きで撮ることが難しい。
これまた、コロナ騒動に感謝(笑)。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
部屋の真ん中に立って、
南側と北側の展示室を見たところ。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
壁一面のキャビネットには、
King's Libraryだった頃の名残の書籍、
そして、様々な発見・発掘物が展示されていて、
キャビネット・オブ・キュリオシティの様相を帯びる。
手前に写っているのは、
ロセッタストーンのリプロ。
ここのは触ってもいいらしい。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ギリシャの発掘物と、
インドの神像が隣り合わせに並ぶ。

Enlightenment Gallery, British Museum, London


Enlightenment Gallery, British Museum, London


Enlightenment Gallery, British Museum, London
その一角は、宗教と儀式をテーマに、
エジプトやら、ジャワやら・・・・、
民俗学の黎明ということですね。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
中世ヨーロッパのアラバスターの彫り物も。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
中央は、古代ローマの出土・修復品。
白鳥の首のヴァーズ、または、
The Felix Hall Vase と呼ばれている。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ナナメから。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
この一角は、ギリシャの出土品のツボ。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ミネルヴァの彫像が前に。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
赤絵のギリシャ壺。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
これもギリシャ壺の解説キャビネット。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
これはパリスの彫像かな、多分。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ギリシャのヘルメットやら、
メソポタミアのレリーフやら。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
19世紀の博物館の様相を保ちながら、
きれいに修復されている。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
中央は古代ローマからの出土品の、
Piranesi Vase(ピラネージ・ヴァーズ)。
三本足と台座は18世紀の建築家/アーティスト
ピラネージの修復時に付け加えられたものだそうで、
なので、こう呼ばれている。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
左はトーチを持つデメテル、
右はガニュメドと鷲。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ギャラリーの南東の端のエリアは、
自然史博物学的テーマ。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
シェルやら、

Enlightenment Gallery, British Museum, London
植物の標本。
(模様入の紙で貼られている箱が好きだったりする・・・笑)

Enlightenment Gallery, British Museum, London
大理石の標本。
後には自然史博物館に収蔵されるような物たち。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
Grand Tour Plaster/Wax Intaglios
(グランド・ツアー、石膏/ワックス インタグリオ)
と呼ばれるもの。
18世紀に流行った、イタリアへのローマ古典研究旅行の、
お土産、記念品、資料として購入された、
古代カメオ/インタグリオのコピー。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
ものすごく流行っていたみたいで、
博物館のみならず、
オークションなどでも、よく見かけるもの。

Enlightenment Gallery, British Museum, London
最後に、 18世紀のOrrery(太陽系儀 )。





British Museum
(大英博物館)


Map:







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Pantheon sculptures, British Museum(パンテオン彫刻、大英博物館)

コロナ・ロックダウンも徐々に緩まってきて、今日から屋内のカフェ・レストランや、博物館等、屋内のエクササイズ・クラスも再オープンのロンドンです。
ワクチン無しで感染しても全く問題なし、ほぼ無症状だったことを自覚している自分としては、逆に自前の優秀な(?)免疫力を乱す可能性のある、ワクチンを打つ気は無いので、そうすると海外旅行が不便になる(もしかすると、国内のレストラン・博物館などにも、ワクチンパスポート必要とかいって、もっと締め上げて来るかもしれないけど・・・)。
まぁ、ここ数年、もっぱらペーターおじさんのアテンドで、慌ただしくコンチネントに出かけ続けていたので、あと何年かこのコロナ騒動が収まるまで(収まるとしたら・・・笑)、ロンドンの撮影に集中することにしている。(と、いう話を今朝もおじさんと電話で話していた。今年は南オランダの博物館で、個展がある、かもしれないので― もちろんそれも、予定で未定 ―、行けないのは残念なのだけれどね。)
これは、去年から思っていたことで、秋に一時期ロックダウンが緩まって、博物館が再オープンした時も、そのチャンスを最大限活用できる場所、通常なら混み合っていてとても撮影する気になれない博物館を、狙い撃ちで撮影して回っていた。
大英博物館もその中の一つ。
ロンドンNo1博物館なので、平日・週末、時間帯、シーズン関係無し、たいてい観光客や校外授業で満員。いくつか博物館の「器」としてフォトジェニックな部屋があるにも関わらず、人混みの撮影にしかならない。
なので、展示物のフォーカスして撮影して回ったことはあるけれども(<このページ>、<このページ>や<このページ>)、展示室全体のイメージは、後にも先にも、この機会のみ・・・かもしれない。
目をつけていたのは2ヶ所、その1つ、Pantheon sculptures Room(パンテオン彫刻展示室)を今回は標本箱に詰め込んでみる。

この部屋は、紀元前5世紀ギリシャのパンテオン遺跡からの発掘物が展示されている。
これらは19世紀初頭に、当時アテネを支配していたオスマン帝国の承認のもと、イギリス大使が研究目的でイギリスに持ち帰り、そのまま大英博物館に寄贈されたもの。ギリシャがオスマン帝国から独立した後150年近く経た、1983年にギリシャから正式に返還要求が出たものの、その後はギリシャ側からの返還交渉が継続されないまま、現在に至っている(と、大英博物館側は解説している)。
なので、国際的には「大英帝国の国際遺産の略奪」と捉える人々も多いので、かなり立場的には微妙なもの。
ギリシャが経済的に復興して、もし正式に返還交渉が再開された場合、原則的に英国政府・大英博物館は返還あるいは無期限ローンに応じることになるので、それまでに(そんな事があるかどうかは別として・・・)記録に残して置きたいというのもある。
(かなり弁解がましい解説が英文で<このページに>そして、このページのバックグラウンドに、通常なら初詣並みのこの人混み・・・というのがご覧いただけますよ。 また、Wiki JPで日本語の経緯の解説は<このページ>に。)
政治的背景の前置きはこれぐらいで、イメージいきます。 撮影は2020年10月のもの。



British Museum, London
あぁ、ミニマリスティック(溜息)。
この空間の中に漂う彫刻達を撮影したかった。

British Museum, London
このコンテンポラリーとも感じる空間は、
しかし、1939年に彫刻群を収蔵するために設計された。
ルームナンバーでいうと、18にあたる。

British Museum, London
pediment(ペディメント=破風)を飾っていた彫刻群。
左部分なので、左に向かって下がっていく
三角の中に収められている。
中央の男性像がディオニソスだそう。

British Museum, London
襞の表現がなんとも繊細。
下の部分に色が残っているような。
(元々は着彩されていた。)
20世紀初期当時の判断による「洗い」で、
全部真っ白にされて、
ダメージを受けたと思っていたけれど、
これはそうじゃなかったのかな。

British Museum, London
右の部分。

British Museum, London
斜めから。

British Museum, London
レリーフでありながら、かなり立体的で、
サモトラケのニケを連想させる。

British Museum, London
第一代ミルバンク男爵、ジョセフ・デュヴィーンが、
1939年にパンテオン彫刻を収蔵するために、
このギャラリーを寄贈した、と記されている。

British Museum, London
反対の南側のヴュー。
こんな、閉館後に特別許可で入って撮影したような写真が撮れるなんて・・・、
コロナ騒動に感謝(笑)。

British Museum, London

British Museum, London
当時の古代ギリシャには、
シルクは普及してなかっただろうけど、
一体どのような生地がこの襞を生み出したのだろうか・・・
と、考えてしまう。

British Museum, London
これらの比較的浅彫りのレリーフは、
パンテオンのフリーズを取り巻いていたもの。

British Museum, London


British Museum, London


British Museum, London
これは、パナテナイア祭(アテナイ女神の誕生日)のパレードを描いたものだそう。

British Museum, London


British Museum, London


British Museum, London
これらはラピテス族とケンタウロスとの戦いを描いたもの。

British Museum, London
別室(Room 17) のNereid Monument(ネレイド・モニュメント)。
ネレイドというのは船乗りを嵐から守る、
海のニンフたちのこと。
トルコ南西部クサントスで発見されたこのモニュメントは、
Lycia(リュキア)の支配者、Arbinas(アルビナ)の
墳墓として建てられたもの。

British Museum, London
ギリシアのコリント様式をとっているけれど、
下の台座の部分がとても高く造られている。
(のは、この写真の方が解りやすいかな。)

Illustrerad Verldshistoria band I Ill 102.jpg
By Ernst Wallis et al - own scan, Public Domain, Link


こんな風になっていたと考えられている。
これはその地域の重要人物の
墳墓の伝統に準じている。
15世紀頃までは建っていたらしいけれど、
石や装飾品の盗掘目的で、破壊されていったらしい。
発見されたのは、完全に崩壊した状態で、
これも同様にイギリスの考古学者に発見されて、
イギリスに持ち帰られ、再構築されたもの。
盗掘どころか、全部持ってってしまったのだから、
きっとまた「返せ」と言われるだろうな、
トルコ人に(笑)。

British Museum, London
普通なら人で溢れかえっている
グレートコートもすっきり。

IMG_4989 copy


IMG_4987 copy
最後に、外観・・・なんだけれど、
入場者の少ないロックダウン中に
軒並み改装工事をしているミュージアムの
ご多分に漏れず、ここも大改装中。





British Museum
(大英博物館)


Map:





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Leighton House Museum, London(レイトン・ハウス博物館、ロンドン)

今回も前回に引き続き・・・、濃厚にデコラティヴだけれど、チャペルや教会ではなくて、19世紀の画家の邸宅。
Frederic Leighton(フレデリック・レイトン)の屋敷が、Leighton House Museum(レイトン・ハウス博物館)として公開されている。

裕福な中流家庭で育って、ヴェニスのアカデミアを始めとする、コンチネント(ヨーロッパ大陸)で美術教育を受け、ロンドンに戻ってからもトレンディなラファエル前派と、美術の殿堂ロイヤル・アカデミーの双方から評価を受けて、ロイヤル・アカデミーの会長職も務めるという、19世紀イギリスで、最も評価され成功した画家といえる。
お屋敷の方は、トルコのイズニック・タイルのコレクションに合わせて設計されたそうで 、中近東風耽美主義の極み、とてもエキゾティクなもの。
以前はインテリアの撮影禁止だったのだけれど、2019年の秋から撮影可にポリシーが変更になった。
そのことは、日本からの友人と一緒に訪れた時にその場で知って、ガンレフを持ってくればよかったと後悔しきり・・・。
それでも、とても興奮して、モバイルで撮りまくっていた。
その後、プロセスが後回しになって、ほぼ忘れかけていたものが、PCから発掘されて、遅ればせながら標本箱に詰め込んでおくことに。
2019年10月末の撮影です。



Leighton House Museum, London
エントランスのホール部分。
奥の壁に使われているのが、イズニックタイル。

Leighton House Museum, London
階段から、もう少し引きで見たところ。
奥の部屋は「アラブ・ホール」と呼ばれている。

Leighton House Museum, London
その部屋の中へ・・・。

Leighton House Museum, London
このセラミックのコレクションも、イズニック焼き

Leighton House Museum, London
中央には噴水のある、
四角い水盤が作られている。

Leighton House Museum, London
これもまた中近東風にデザインされた
ラティス(格子)装飾の付いた窓。

Leighton House Museum, London
金のドーム天井。

Leighton House Museum, London
そのイズニックタイルのディティール。

Leighton House Museum, London
エントランスホール側の壁にも、このタイル。

Leighton House Museum, London
階段側から見ると、
孔雀の剥製が佇んでいるキャビネットの裏は、
シーティング・エリアになっている。
階段の上階部分に、
ロード・レイトンの肖像画が2枚見える。

1880 Frederic Leighton - Self portrait.jpg
By <a href="https://en.wikipedia.org/wiki/en:Frederic_Leighton" class="extiw" title="w:en:Frederic Leighton"><span title="English painter and sculptor, and for one day a peer">Frederic Leighton, 1st Baron Leighton</span></a> - Unknown source, Public Domain, Link


一枚はこの自画像。
ロード・レイトンと呼び習わされるのは、
画家にして最初の爵位を授けられたからで、
それまでは勲爵士のサー・フレデリック・レイトンだった。
しかし、男爵位を授けられた翌日に、
狭心症の発作で急死したため、
そして継承者がいなかったため、
貴族であった最短期間記録でもあるそうだ。

Leighton House Museum, London
階段を上がった上階のランディング部分に、
ちょうどアラブ・ホールに突き出す形で、
これまたエキゾティックな、
シーティング・エリアが設けられている。

Leighton House Museum, London


Leighton House Museum, London
絵画作品の展示された上階の一室。
アルマ=タデマと共通するような、
古典様式と耽美主義を併せ持った絵画作品。

Leighton House Museum, London
Rustic Music(素朴な曲)と題された一枚。

Leighton House Museum, London
部屋の一角に置かれた椅子。
イタリアの枢機卿の屋敷に置かれていた椅子
・・・なんじゃないかと、想像する。
ヴェニスっぽい^^。

Leighton House Museum, London
ランディングを挟んで反対側は、アトリエ。

Leighton House Museum, London
現在は研究室のある隣の建物と、
繋がれている。

Leighton House Museum, London
片隅に本の展示。

Leighton House Museum, London
上階にある寝室の展示。
社交室のゴージャスな作りに比べると、
プライベートな部屋は、なんともシンプルな、
修道僧のような部屋だなと、
最初に見たときから思った。
家具が作り付けでなかったために、
彼の死後コレクションがオークションに掛けられた際に、
四散してしまったからかもしれない。

Leighton House Museum, London
もう一度下階に降りて、
庭に面したダイニングルーム。

Leighton House Museum, London
ここもイズニック焼きの展示がいくつも。

Leighton House Museum, London

Leighton House Museum, London
出窓のエリアには、
ロード・レイトンの彫刻の代表作
「An Athlete Wrestling with a Python
(パイソンと格闘するアスリート)」

Leighton House Museum, London
クローズアップ
テート・ブリテンにも収められている。

Leighton House Museum, London
このシャンデリアはムラノですね^^。

Leighton House Museum, London
これも下階にある書斎。

Leighton House Museum, London
机の前の絵画は、ヴェネチア・ルネッサンスのものかと。
Doge(提督)が描かれているので。

Leighton House Museum, London
部屋に展示されていた素描の一枚。

Leighton House Museum, London
机の上に展示されていた、
これは当時のパスポート。

Lord LEIGHTON - Leighton House 12 Holland Park Road Holland Park London W14 8LZ - 1.jpg
By <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Spudgun67" title="User:Spudgun67">Spudgun67</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY-SA 4.0, Link


訪れた時は外装工事で足場が組まれて、
カヴァーで覆われていたので、
外観は借り物写真で。

閑静な住宅街に秘められた
エキゾティックなお屋敷でした。





Leighton House Museum
(レイトン・ハウス博物館)


Map:










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Fitzrovia Chapel, London (フィッロヴィア・チャペル、ロンドン)

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2021-05-10 Mon 20:00:00
  • 場所
今回は、ロンドンの中心部、地下鉄Goodge Street(グッジ・ストリート)から歩いて4分程度のところにある、チャペルのイメージを。
このFitzrovia Chapel (フィッロヴィア・チャペルチャペル)、前回の「無原罪の御宿りの教会」同様に、観光という点ではほとんど知られていない、ちょっと「知る人ぞ知る」的チャペル。もともとは、この場所にあったMiddlesex Hospital(ミドルセックス病院)の付属チャペルとして、1891-92年に建造されたもの。
ゴシック・リヴァイヴァル建築家、John Loughborough Pearson(ジョン・ロウボロー・ピアソン)設計のゴシック・リヴァイヴァル・・・なんだけれども、正確にいうと「ビザンティン・リヴァイヴァル」といえる、つまり・・・、モザイクでキンキラキンのチャペル。
病院の方は他の大学施設に統合されて、2005年には未使用になり、敷地は開発デベロッパー会社に売却され、現在は新たな商業・居住ビルが建造されている。このチャペルは、Grade II(保存建造物指定II)がかかっているので、無事手つかずで、というか、きれいに修復されて、残されている。なので、コンテンポラリーなビルの中庭的空間に、ぽつんと残されていて、アプローチがなかなかシュールな印象。
写真は昨年10月初旬に訪れたときのもの。現在はコロナ・ロックダウンでクローズ中。
5月17日からミュージアム等がオープンになるので、ここも同時にオープンされることかと。オープン日(無料)は水曜日のみ。


Fitzrovia Chapel, London
無機質なビルの間のパッセージ。
知らなければ、わざわざ
ここを入っていこうとは思わないところ。

Fitzrovia Chapel, London
その中にぽつんとレンガ造りの建物が残されている。

Fitzrovia Chapel, London
入り口を入ると、まず、出資者や
関連協力者を記した大理石パネルが壁を覆う。

Fitzrovia Chapel, London
親子2代でこのチャペルを設計監修した、
建築家ロウボロー・ピアソン親子のパネルも。
そしてこの間仕切りアーチの奥が・・・、

Fitzrovia Chapel, London
大理石と、キンキラキンのモザイク天井の
このチャペル。

Fitzrovia Chapel, London
これで、「ふわぁ~」と、ため息が出る・・・(笑)。

Fitzrovia Chapel, London
エントランス部分を振り返ったヴュー。
上部にはパイプオルガンが設置されている。

Fitzrovia Chapel, London
天のいと高きところには神に栄光あれ、
地には平和と善意あれ・・・
というラテン句がモザイクで描かれている
オルガンのアーチ。

Fitzrovia Chapel, London
フォント(聖水盤)のある一角。

Fitzrovia Chapel, London
ドーム天井のモザイク部分。
クロスを中央に、In Hoc - Signo(この、御印)
と記されたスロールを持つ天使たち。

Fitzrovia Chapel, London

フラットな線描を最小限にして、
写実的になっているのが19世紀的。
オリジナル・ビザンツのモザイクは<こんな風>。

Fitzrovia Chapel, London
吊り下げられているライトも、ビザンティン風。

Fitzrovia Chapel, Londont>


Fitzrovia Chapel, London
モザイクのディティール。

Fitzrovia Chapel, London


Fitzrovia Chapel, London
ステンドグラスは19世紀的というか、
ラファエル前派的な表現。

Fitzrovia Chapel, London
色大理石のコンビネーション、
金モザイクと相まって、とても装飾的。

Fitzrovia Chapel, London


Fitzrovia Chapel, London
聖ペテロと聖パウロのステンドグラス。

Fitzrovia Chapel, London


Fitzrovia Chapel, London
大理石彫りのディティールも、
典型的なビザンティン様式。

Fitzrovia Chapel, London
主祭壇の右に作られた、
壁龕の棚・・・とでもいえばいいのか・・・。
モザイクと大理石の組み合わせが華麗。

Fitzrovia Chapel, London
同じくモザイクと
大理石の組み合わせの主祭壇。

Fitzrovia Chapel, London
もう一度主祭壇のヴューを。

Fitzrovia Chapel, London
最後にビルの中庭に残された、
チャペルの外観を。




Fitzrovia Chapel
(フィッロヴィア・チャペル)


map:








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Church of the Immaculate Conception, London (無原罪の御宿りの教会、ロンドン) ‐2-

  • Posted by: Kotomicreations
  • 2021-05-04 Tue 09:00:00
  • 場所
今回も、このロンドン・メイフェアにある、19世紀ゴシック・リヴァイヴァルの秀麗な教会、Church of the Immaculate Conception (無原罪の御宿りの教会)のイメージの続編を。


Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
エントランスの右側にある、
サイドチャペルの一つで、
Lourdes Chapel(ルルド・チャペル)。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
ここも大理石彫刻が美しい。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London


Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London


Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
主祭壇の左のサイド・チャペル、
St Ignatius Chapel(聖イグナティオ・チャペル
イエズス会の創立者の1人で初代総長だった人物。
聖ザビエルとも同僚だった。
このチャペル祭壇も、見事な大理石彫刻。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
透明感のある蝋石のような石を彫っている・・・
と、思われる。
いままで見たことのない素材。
柔らかくて彫りやすいのだろうけれど、
立体的な表現が半端ない・・・。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
石の素材のコントラストが美しい。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
このチャペルの一角にある、黒い聖母子は、
12世紀後期に制作されたと考えられている、
Virgin of Montserrat(モンセラートの聖母)のコピー版だそう。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
その隣にあたるSeven Dolours Chapel
悲しみの聖母のチャペル)

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
悲しみの聖母(七つの嘆きの聖母)の図像は、
7つの剣で心臓を刺されたもの。
19世紀のエレガントな彫像。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
ゴシック・アーチの奥にに見えるのは・・・、

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
チャーミングなデッラ・ロッビア(多分ね)。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
これまた秀麗な「受胎告知」の大理石レリーフは、
St Stanislaus Chapel(聖スタニスラス・チャペル)
の主祭壇。
聖スタニスラスは「シュツェパノフのスタニスラウス
の方ではなくて、
イエズス会の聖人「スタニスワフ・コストカ」の方かと。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
その祭壇の装飾パネル。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
その隣は、Martyrs Chapel(殉教者のチャペル)。
メインの彫像は、トマス・モア
20世紀に列聖されて聖トマス・モアだそうで、
それは知らなかったな。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
殉教した聖人を描く場合は、
処刑内容をを象徴する図像が組み合わされる。
トマス・モアは斬首だったので、斧が・・・。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
そのまた隣の、Calvery Chapel
(カルヴァリー・チャペル=ゴルゴタの丘・チャペル)
の透かし彫りの天井。

Immaculate Conception Church Organ, Farm Street, London, UK - Diliff.jpg
By <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Diliff" title="User:Diliff">Diliff</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY-SA 3.0, Link


エントランス上部のローズウィンドウと
パイプオルガンの部分を撮影し忘れていたので、
Wikiからの借り物写真で。

Catholic Church of the Immaculate Conception, Mayfair, London
最後にもう一度、身廊をふりかえって。



Church of the Immaculate Conception
(無原罪の御宿りの教会)


Map:






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