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V&A Jewellery (V&A、ジュエリー室) -4-

V&Aミュージアムのジュエリー室のイメージから、今回は19世紀ジュエリーに入っていきます。


Belt clasp with a cameo of the head of Medusa, France, Paris, about 1780-1800, gold and enamel with a cameo of layered agate
Belt clasp with a cameo of the head of Medusa,
France, Paris, about 1780-1800,
gold and enamel with a cameo of layered agate
厳密に言えば18世紀末のフランス製、
ベルト留め(クラスプ)。
アゲートのカメオでメデューサの頭が描かれている。
18世紀末から19世紀初期は、
ネオクラシカルなスタイルがファッションや
ジュエリーでもトレンドで、
これもそのトレンド上にあるデザイン。

Diadem with five cameos of Medusa, Zeus, Pan,Dionysus and Mother Earth, France, Paris, about 1808, made by Jacques-Ambroise Oliveras, cameos possibly carved in Italy
Diadem with five cameos of Medusa, Zeus, Pan,Dionysus and Mother Earth,
France, Paris, about 1808, made by Jacques-Ambroise Oliveras,
cameos possibly carved in Italy
19世紀初頭のフランス製ダイアディム(冠)。
上のクラスプと同じライン上のデザインなので、
同じデザイナー/宝飾メーカーの製造かと。
ここではメデューサの他に、パン、ディオニソス、
ゼウス、地母神のあわせて5つのカメオが使われている。
カメオ自体はすべて、カメオの主産地
イタリアで製作されたものと考えられている。

Spartan diadem, Probably France, about 1810, gilded metal, carnerian, white glass and chalcedony
Spartan diadem, Probably France, about 1810,
gilded metal, carnelian, white glass and chalcedony
これもネオクラ・デザインの典型で、
19世紀初期のフランス製ダイアディム。
このように、なだらかな山形になった板状のゴールドで
ヘッドバンドにしたデザインを
Spartan(スパルタ型)ダイアディムと呼ぶようだ。
これもメデューサやら、
ギリシャ神話の神々のカメオで飾られている。

Wreath tiara, Western Europe, about 1815, Enamelled gold with diamonds, pearls and paste(glass) cameo
Wreath tiara, Western Europe, about 1815,
Enamelled gold with diamonds, pearls
and paste(glass) cameo
19世紀初期の西ヨーロッパ製の
リース型ティアラ。


ここで、ティアラとダイアディムの違いって何?というのが気になって、ググってみた。
この記事>によると、一般的にティアラの語の方がよく使われていて、ダイアディムはあまり聞かない言葉だけれど、すべてのティアラは基本的にダイアディムなのだそう。クラウンなどの完全な円形のヘッドバンド型装飾品はダイアディム。
ティアラは完全な円形ではなくて、半円形のもののことで、ダイアディムの中に含まれるのだそう。
初めて知ったよ・・・。


Blacelet with headsof Roman gods, England oe switzerland, about 1780-1800, Gilded copper and painted enamel
Bracelet with heads of Roman gods, England or Switzerland,
about 1780-1800, Gilded copper and painted enamel
18世紀末~19世紀初頭頃イギリス製かスイス製の、
エナメルブレスレット。
これもネオクラ、スポット・オン。

Earrings, Probably France, about 1795-1810, enamelled gold with pearls and glass beads
Earrings, Probably France, about 1795-1810,
enamelled gold with pearls and glass beads
18世紀末~19世紀初頭のフランス製と思われるイヤリング。
エナメルにパール。

Brooch with trophy of love, Franch, about 1800-20
Brooch "Trophy of Love" Franch, about 1800-20
19世紀初期のフランス製ブローチ
「愛のトロフィー」
Loveをテーマにしたシンボルを組み合わせた、
ブローチで、これもネオクラシカルなスタイル。

Necklace, Germany, 1815-20, Berlin ironwork and gold
Necklace, Germany, 1815-20, Berlin ironwork and gold
19世紀初期のドイツ製ネックレス。
これはカメオではなくて、ベルリン・アイアンワーク
と呼ばれる、鋳鉄製のもの。
当時としては「新素材」もののジュエリー。

Earrings and necklace, probably Germany (Prussia), 1820-30, cast iron
Earrings and necklace,
probably Germany (Prussia), 1820-30, cast iron
19世紀初期のドイツ(プルシア)製、
イヤリングネックレスのセット。
こういう透かし彫りのデザインが、典型的な
ベルリン・アイアンワーク・ジュエリーで、
こういったデザインはネオクラから、
ゴシック・リヴァイヴァルに移行してきている。

Bracelet, Germany, Berlin, 1820-30, made by Johann Conrad Geiss, cast iron
Bracelet, Germany, Berlin, 1820-30,
made by Johann Conrad Geiss, cast iron
19世紀初期のドイツ製ブレスレット。
ベルリン・アイアンワークの典型。

Berlin Ironwork hair ornament
Berlin Ironwork hair ornament, c.1820, cast iron.
19世紀初期のドイツ製、
ベルリン・アイアンワークの髪飾り。

19th century jewellry
19世紀ジュエリーの展示パネル。
ネオクラ・スタイルのジュエリーとか、
ベルリン・アイアンワークとか、
18世紀までのジュエリーの流れとは
ずいぶん違ったデザインのものが続いたけれど、
従来のカット石キラキラタイプのジュエリーも
もちろん健在。
19世紀になって産業革命とともに、
ジュエリーの製作も職人の工房製作から、
もっと大掛かりな工場生産に変貌していく。

19th century jewellry
メタルパーツを鋳型やスタンピング(抜き型)
で生産して、それをロウ付けで組み合わせて、
様々なデザインに展開していく。

19th century jewellry
それはちょうど、自分が80-90年代に、
ファッションジュエリー(日本でいうところのアクセサリー)で
やっていたデザインの方式とほとんど同じ。
ただ素材が真鍮やキャストで、
メッキがけで仕上げた安価な量産品という違いだけ。
現在はどうなんだろう、21世紀に入る頃には、
もうロウ付けではコストが合わなくて、
ハンダ付けしかできなくなってきていたし、
いまやレーザーカットや3Dコピーなど、
ますます新しいテクノロジーが
使われるようになっているんじゃないのかなー。

Machine made stamping jewellery components in Birmingham 1872
これはスタンピングのパーツを組み合わせて、
ブローチを作るプロセスの解説パネル。
なんだか懐かしい~(笑)。
このスタンピング、アクセサリーの場合は
真鍮板を抜くのだけれど
(ここにあるようなジュエリーは
ゴールド/シルヴァー板が使われている)、
金型のコストが高くて、
中小アクセサリー製造メーカーでは、
とても別注なんてできなくて、
大手が制作したものの型落ちが、
パーツやさんに流れてきているのを
いろいろ組み合わせて、
どうやってぐっとくるデザインにもっていくか、が、
商業デザイナーのウデの見せどころだった。
多分「今は昔」の話かも(笑)。

Locket bracelet, France, about 1820-30, Three colours of gold, with cannetille and grainti decoration, set with central amethysts and various faceted and cabochon gemstones
Locket Bracelet, France, about 1820-30,
Three colours of gold, with cannetille and grainti decoration,
set with central amethysts and
various faceted and cabochon gemstones
キラキラ・ジュエリーもいろいろ
クローズアップしてみる。まずは、
19世紀初期のフランス製ロケットブレスレット。
アメジストのカボションを取り囲んで、
いろいろなカラー貴石が散りばめられて、
ゴールドにセッティングされている。
中世っぽいデザイン。
cannetille(カネティーユ)というのは、
ワイヤーでフィリグリー透かし模様の
装飾を作る技法で、
grainti(グラニティ)というのは、
小さな球のゴールドをつけて、装飾する技法。

Necklace and Brooch, France, about 1835, Gold filigree wire, set with garnets
Necklace and Brooch, France,
about 1835, Gold filigree wire, set with garnets
1835年頃のフランス製、ネックレスとブローチのセット。
ゴールドワイヤーのフィリグリと、
ガーネット石の組み合わせ。

Parure (set of necklace, pendant brooch and earrings), Possibly Switzerland, about 1835-40, Stamped and enamelled gold, set with pink foiled topaz
Parure (set of necklace, pendant brooch and earrings),
Possibly Switzerland, about 1835-40,
Stamped and enamelled gold,
set with pink foiled topaz
19世紀前半のスイス製と思われるパルア。
Parure(パルア)というのは、
セットになったジュエリーのことで、
ここではネックレス、ブローチと
イヤリングがセットになっている。
(ここにはブローチは写ってないけれど・・・。)

Detail-  Parure (set of necklace, pendant brooch and earrings), Possibly Switzerland, about 1835-40, Stamped and enamelled gold, set with pink foiled topaz
イヤリングをクローズアップ。
石はトパーズに、ピンクフォイルが裏打ちされている。
デザイン的にはルネッサンス・リヴァイヴァル。

Brooch with pendants, England, about 1835-50, with later chain, Stamped gold set with painted and foiled pink topaz and yellow foiled chrysoberyl
Brooch with pendants, England, about 1835-50, with later chain,
Stamped gold set with painted and foiled
pink topaz and yellow foiled chrysoberyl
上のデザインとよく似ているけれど、
19世紀前半のイギリス製のブローチ。
ピンクトパーズと、クリソベリル石に、
スタンピングのゴールドパーツの組み合わせ。

Earrings, England, about 1835, stamped gold, set with peridots
Earrings, England, about 1835,
stamped gold, set with peridots
1835年頃イギリス製のイヤリング。
ゴールドにペリドット石。
これもスタンピング・パーツを組み合わせて作った
典型的な例。

Brooch, England, about 1835, stamped gold, set with peridots
そのセットのブローチ。

Brooch, England, about 1835, stamped gold set with cabochon carbuncles (almandine garnets)
Brooch, England, about 1835,
stamped gold set with cabochon carbuncles
(almandine garnets)
同じく1835頃のイギリス製ブローチ。
アルマディン・ガーネットのカボション石
(カーバンクルと呼ばれる)と、
スタンピングのゴールドを組み合わせたもの。
こんなパーツ欲しかった、こんなデザイン作りたかった・・・
と思わせられる一品(笑)。

Earrings, England, about 1835, stamped gold set with cabochon carbuncles (almandine garnets)
そのセットになった、イヤリング。

Part of the Set of jewels, England, London, 1816, made by Rundell, bridge and Rundell, peridots open-set in gold
Part of the Set of jewels, England, London, 1816,
made by Rundell, bridge and Rundell,
peridots open-set in gold
1816年イギリス、ロンドン製セットジュエリーの
ネックレス、ペンダント部分のクローズアップ。
ペリドット石が、ゴールドのオープン枠に
セッティングされている。

Pendant cross, England, about 1825
Pendant cross, England, about 1825
1825年頃イギリス製のペンダントクロス。
アメジスト石にゴールドスタンピング・パーツの組み合わせ。


今回はこれぐらいで・・・まだまだ続きます。







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