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William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London(ウィリアム・ブレイク展、2019年、テート・ブリテン)-1-

以前よりはのんびりしているものの、ガーデニングで庭にいることが多くて、PC作業滞り中、そんなわけで、ブログ更新遅れ気味です。


今回から、2019年の11月に訪れたテート・ブリテン美術館でのWilliam Blakeウィリアム・ブレイク)展のイメージを。
2-3年前から、美術館でも写真撮影がOKになってきている。それでも、モバイルで撮影するのを前提に許可していることが多いので、ガンレフは不可・・・などという場合も無きにしもあらず、なのでこの時は、小型のミラーレス持参で。

ブレイクに関してはあまりにも有名で、いまさら解説するのもおこがましい・・・かと思うので、上記リンクに丸投げ。
どちらかといえば、詩人の方で評価されている感があるように思うけれど、絵画の方も幻視・象徴的。
18世紀的フォルムの人物像で描かれているのだけれど、どこか19世紀末アール・ヌーヴォーや、ベルギー象徴派を思わせる、その先駆けとなったような流動的な描線、僅かな彩りが施されたモノクロームな画面等で、彼自身の時代とは完全に一線を画した、というか、およそ現世そのものと一線を画した、独自の次元・世界観がくりひろげられている。


William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
エキジビション・ポスター。原画は、
'Europe' Plate I, Frontispiece,
'The Ancient of Days', 1827

'Europe' Plate I, Frontispiece,'The Ancient of Days', 1827, William Blake
現世を設計・創造している創造主・・・
に見えるけれども、実際には
ブレイク自身の生み出した神話体系の中の、
「ユリゼン」
この原画は、エキジビションの最後に飾られている。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
ウィリアム・ブレイクはロンドンのど真ん中、
ソーホーで生まれ育っている。
現在は取り壊されて、商業ビルになってしまった
角に建つ生家の写真は、20世紀中頃のもの。
ブレイクの生まれ育った、18世紀後半は
このソーホーも中流家庭・商家のエリアだったのだけれど、
19世紀中頃から荒廃してスラム化する。
そのため、後年ブレイクの出自が、
貧しい商家と誤解されていた。
実際には、そこそこに裕福な靴下商人の家庭だった。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
唯一(と思われる)彼の自画像は、
鉛筆のドローイング。
本国のイギリスでは、この展覧会が初公開だった。
なんだか目が透視しているような・・・(笑)。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
コロナ騒動が持ち上がる以前の、
何もかもが普通だった時代の展覧会風景。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
エッチング版画やペン画の作品が多くて、
間近で鑑賞できるようになっている。

ここからは、展示作品の羅列で。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
Albion Rose 1793年頃。
たこの作品は、テートの所蔵ではなくて、
アメリカの Huntington Libraryから
貸し出しを受けたもの。
「Albion(イギリス/ブリテンの意)の興隆」
物質主義の束縛から逃れた
精神性を託して描かれている。
展覧会の筆頭を飾るにふさわしい作品。

Oberon, Titania and Puck with Fairies Dancing, c.1786, William Blake
Oberon, Titania and Puck with Fairies Dancing, 1786年頃。
水彩着彩鉛筆画。
シェイクスピアの「夏の夜の夢」のフィナーレのシーン。
現在「フェアリー」というと連想するフォルムに、
強く影響を与えていると考えられている。

Joseph of Arimathea among the Rocks of Albion, c.1810, William Blake
Joseph of Arimathea among the Rocks of Albion, 1810年頃。
「アルビオンの岩に囲まれたアリマテヤのヨセフ」
アリマテヤのヨセフが、キリストの葬儀を果たして、
聖杯をブリテンにもたらしたという伝説に触発されて、
16歳の銅版職人見習いの時代に描かれた銅版画。
それを再び、50代の頃に手直ししたものが、
この現在の作品。
ヨセフをあたかもドルイド僧のようなコスチュームで
描いていて、宗教の根源にある
普遍性を象徴するとも考えられている。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
Plate 4 of ‘Visions of the Daughters of Albion’
「アルビオンの娘(英国女性)の幻視」
と題された詩に添えられた挿絵。
「隷属させられて絶望に涙する」に対応する部分。
英国フェミニズムの先駆者の
メアリ・ウルストンクラフト著
女性の権利の擁護」との
関連性も考えられている。

Gowned Male (probably Urizen), Sitting Examining a Book, 1794, William Blake
Gowned Male (probably Urizen), Sitting Examining a Book, 1794年頃。
「ユリゼン」と考えられている。
神話体系の登場神ユリゼンが、
書物をひもとく。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
Plate 2 of ‘Urizen’: ‘Teach these Souls to Fly’1796年頃。
同じく神話詩「ユリゼン」の挿絵。
「魂に飛翔(自由)を教える」
これらの挿絵はrelief etching
(レリーフ・エッチング)という独自の手法
(具体的にどのような技法だったのかは
はっきりしていない。)のプリントに、
インクと水彩で着彩されている。
バラ色の美しい作品。

The Book of Thel, Plate 6, 1796, c1818, William Blake
The Book of Thel, Plate 6, 1796, c1818
これはまた別の詩篇「The book of Thel」より。
これも同じくレリーフ・エッチングの手法で刷られて、
着彩されている。
この詩篇では、移ろいゆく生命の存在意義・・・というような、
哲学的な内容が、「星の王子さま」のように、
探求してさまようThel(セラフィム天使の娘達の一人)
を主人公に展開されている。

Book of Thel (Copy I), 1789, William Blake
Book of Thel (Copy I), 1789, William Blake
で、これが実際の「The book of Thel」第一刷の1ページ。
レリーフ・エッチングの手法で、
テキストと挿絵を同一紙面にプリントする、
それも小ロットのハンドプリントができるようになり、
出版社を通じなくても出版が可能になった。
いわゆる、自主制作誌のハシリだったというわけです。
生涯に10冊以上の本をこの手法で出版している。

The Tyger, Songs of Innocence and of Experience, c.1795, William Blake
"The Tyger, Songs of Innocence and of Experience, c.1795"
ブレイクの詩の中でも、著名なものの一つ、「虎」。
「無垢と経験の歌」の中の一編で、無垢を象徴する羊、
力強く残忍な経験を象徴する虎、
全編を通して、この相反する存在を生み出した
神の意図を模索するテーマになっている。
善悪2元論ではなくて、
人間に人生に存在する両義性の認識と、
その融合(すり合わせ)へと昇華させている。
・・・って、ヴィジュアル系(?)なのに、
思想的な背景を書きすぎて脳がつかれた。
以下、さらっと流します(笑)。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
The Voice of the Ancient Bard,
Songs of Innocence and of Experience, c.1794
同じく「無垢と経験の歌」の中の一編。
「古代吟遊詩人の歌声」。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
The Divine Image,
Songs of Innocence and of Experience, c.1794
「無垢と経験の歌」の結章の部分で、
四善(慈悲、哀れみ、平和と愛)に形作られた
理想像で全編の結びとしている。
ということよりは・・・、この
アールヌーヴォー的な画面構成に
意識が行くんですけど・・・(笑)。

William Blake Exhibition, 2019, Tate Britain, London
America a Prophecy, 1793
「アメリカの予言」の扉。
「ヨーロッパの予言」と対になる詩篇。
革命の一つだったアメリカ独立戦争、
フランス革命の歴史的大革命を経た両大陸で、
結果的にワシントン、ナポレオン支配体制が確立して、
奴隷制や身分制は解決されないまま、
その後の引き続く革命・動乱を予言する内容になっている。
(って、まだごちゃごちゃ書いてるし・・・。)

Plate 3, 'Preludium, The Shadowy Daughter...', William Blake
America. A Prophecy, Plate 3,
'Preludium, The Shadowy Daughter...'
同じく「アメリカの予言」より。
「前奏曲」と題されたページ。

Plate 9, 'In Thunders Ends the Voice...', William Blake
America. A Prophecy, Plate 9,
"In Thunders Ends the Voice...."
同じく「アメリカの予言」より。
これも、水彩で描かれたあけぼのが目に留まる。

Plate 10, 'The Terror Answered...', William Blake
America. A Prophecy, Plate 10,
"The Terror Answered..."
このようにして、18版のページで構成されている。



・・・・というところで、今回はここまで。
また次回に続きます。
気力と調査能力の続く限り、解説を添えて(笑)。



















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