- 2011-04-17 Sun 10:00:49
- 博物館・美術館
今回も、Bethnal Green (ベスネル・グリーン)のV&A Museum of Childhood (ヴィクトリア・アンド・アルバート子供博物館)より、人形のイメージ。

Organ grinder doll, Germany, 1870-1880(オルガン弾き人形、ドイツ 1870-80年頃)
これは機械仕掛けの人形の一部で、ぜんまい仕掛けでこの人形が手回しオルガンを回し、
後ろで小さい人形達が踊るという仕掛け。
衣装の生地が傷んでしまって、機械仕掛けが透けて見えている。
それでも作られた当初はさぞかし華やかな人形だったことだろうと偲ばれる。

Wax doll(蝋人形)だと思うのだけれど・・・タグとばらばらにしてしまって、
ディティールはいまひとつよく解らない。勝気そうなお嬢さん。

こちらは伊達男のマリオネット人形。後ろの背景などから、イタリア、ヴェニスの演目の様。
ガラスの映りこみも雰囲気にしてしまう・・・(笑)。

フランス製 1865-67年頃のブライダル・ドール(花嫁人形)。ポーセリン・ビスクにガラスの目。

トランクに一杯の人形達。1830-40年頃、ドイツ製。

17世紀後半のイギリス製 木製人形。
”Old Pretender”(大僭称者)と呼ばれる、スコットランド王を自称したジェームス・ステュワートの
宮廷から、従者に下賜されたものとの伝承から、この人形も”Old Pretender”と呼ばれているそうだ。
現存する17世紀木製人形の珍しい例だとか。ちょっとデカダンな姐さんに見える・・・。

上の人形の素朴版?隣同士に展示されていた。
撮ってきたタグがどうやら別の物だった様で、詳細は不明。
コスチュームから、やはり17世紀末から18世紀初頭と思える・・・が。

Cedric(セドリック)君という、ポーセリン・ビスクドール。1900年ごろのドイツ製。
1903年にロンドンのウェストボーン・グローブで購入されたのだが・・・、

トランク一杯の、着替えやら身の回りの小物と一緒にやってきた(英語の辞書と歴史書の入った鞄も持参・・・)。
持ち主はAmy(エイミー)という女の子で、彼をCedricと名づけた。
当時のイギリスでは珍しい名前だが、19世紀後半バーネット夫人著の「小公子」の主人公にちなんだものと思われている。

セドリック君どころではない・・・
こちらは、ワックス・ドールプリンセス・デイジーと彼女の所持品の数々。
彼女にまつわる話は長い。---
1894年にTwiss(トゥイス)夫人がアムステルダムで、恵まれない子供達のための援助金を募ろうと発案。そのために、何かすばらしい呼び物をクリエイトして観衆から募金を募ることになった。そこで、彼女はワックスドールをロンドンからメールオーダー(!!)で購入し、その人形の衣装や備品を、工芸家にどんどん発注、そして、彼女は「プリンセス・ディジー」と名づけられた。
1895年のアムステルダム国際見本市で展示されて大人気を呼び、多額の援助金も集まった。
その後、イギリスのチャリティー団体のために巡業展覧された後、チャリティー「宝くじ」の一等品として最後の貢献をする。
しかし、不思議なことに誰も一等品を受け取りに現れなかったため、当時2歳だったイギリス王室のメアリー王女に贈られた。メアリー王女は、人形で遊ぶにはあまりにも若すぎる、というので、1936年にV&A博物館に貸与された。その時以来V&A後にV&A子供博物館で展示されているが、1964年に博物館の熱心なサポーターでもあった(成人した)メアリー女王にによって、正式にV&A子供博物館に寄贈された。---という話。
博物館の詳細情報は、前回の標本箱を参照<このページ>
おまけヴィデオは・・・人形といえば、Brothers Quay(The Quay Brothers) の人形アニメーションを思い出してしまう・・・というのでYoutubeより「Street of Crocodile」の断片を見つけてきた。ちょっと私好みの「暗め」だけど、人形の見せる感情が不思議・・・。

Organ grinder doll, Germany, 1870-1880(オルガン弾き人形、ドイツ 1870-80年頃)
これは機械仕掛けの人形の一部で、ぜんまい仕掛けでこの人形が手回しオルガンを回し、
後ろで小さい人形達が踊るという仕掛け。
衣装の生地が傷んでしまって、機械仕掛けが透けて見えている。
それでも作られた当初はさぞかし華やかな人形だったことだろうと偲ばれる。

Wax doll(蝋人形)だと思うのだけれど・・・タグとばらばらにしてしまって、
ディティールはいまひとつよく解らない。勝気そうなお嬢さん。

こちらは伊達男のマリオネット人形。後ろの背景などから、イタリア、ヴェニスの演目の様。
ガラスの映りこみも雰囲気にしてしまう・・・(笑)。

フランス製 1865-67年頃のブライダル・ドール(花嫁人形)。ポーセリン・ビスクにガラスの目。

トランクに一杯の人形達。1830-40年頃、ドイツ製。

17世紀後半のイギリス製 木製人形。
”Old Pretender”(大僭称者)と呼ばれる、スコットランド王を自称したジェームス・ステュワートの
宮廷から、従者に下賜されたものとの伝承から、この人形も”Old Pretender”と呼ばれているそうだ。
現存する17世紀木製人形の珍しい例だとか。ちょっとデカダンな姐さんに見える・・・。

上の人形の素朴版?隣同士に展示されていた。
撮ってきたタグがどうやら別の物だった様で、詳細は不明。
コスチュームから、やはり17世紀末から18世紀初頭と思える・・・が。

Cedric(セドリック)君という、ポーセリン・ビスクドール。1900年ごろのドイツ製。
1903年にロンドンのウェストボーン・グローブで購入されたのだが・・・、

トランク一杯の、着替えやら身の回りの小物と一緒にやってきた(英語の辞書と歴史書の入った鞄も持参・・・)。
持ち主はAmy(エイミー)という女の子で、彼をCedricと名づけた。
当時のイギリスでは珍しい名前だが、19世紀後半バーネット夫人著の「小公子」の主人公にちなんだものと思われている。

セドリック君どころではない・・・
こちらは、ワックス・ドールプリンセス・デイジーと彼女の所持品の数々。
彼女にまつわる話は長い。---
1894年にTwiss(トゥイス)夫人がアムステルダムで、恵まれない子供達のための援助金を募ろうと発案。そのために、何かすばらしい呼び物をクリエイトして観衆から募金を募ることになった。そこで、彼女はワックスドールをロンドンからメールオーダー(!!)で購入し、その人形の衣装や備品を、工芸家にどんどん発注、そして、彼女は「プリンセス・ディジー」と名づけられた。
1895年のアムステルダム国際見本市で展示されて大人気を呼び、多額の援助金も集まった。
その後、イギリスのチャリティー団体のために巡業展覧された後、チャリティー「宝くじ」の一等品として最後の貢献をする。
しかし、不思議なことに誰も一等品を受け取りに現れなかったため、当時2歳だったイギリス王室のメアリー王女に贈られた。メアリー王女は、人形で遊ぶにはあまりにも若すぎる、というので、1936年にV&A博物館に貸与された。その時以来V&A後にV&A子供博物館で展示されているが、1964年に博物館の熱心なサポーターでもあった(成人した)メアリー女王にによって、正式にV&A子供博物館に寄贈された。---という話。
博物館の詳細情報は、前回の標本箱を参照<このページ>
おまけヴィデオは・・・人形といえば、Brothers Quay(The Quay Brothers) の人形アニメーションを思い出してしまう・・・というのでYoutubeより「Street of Crocodile」の断片を見つけてきた。ちょっと私好みの「暗め」だけど、人形の見せる感情が不思議・・・。
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